ヘイターは、1990年代初頭に結成された短命のアメリカのロック・サイドプロジェクトで、サウンドガーデンのベーシストベン・シェパードが率いた。グループは、メンバーの本来のバンドに見られる重いグランジではなく、プロトパンクやサイケデリックの要素を取り入れた、ゆるくガレージ色の強いサウンドを志向した。ヘイターは創作の逃げ道のような存在でもあり、気負わないリハーサル室的な手触りで録音され、荒々しいエネルギー、短いグルーヴ、どこか懐かしい感覚を前面に出していた。
音楽性と影響
このバンドは、ザ・ストゥージズの姿勢と1960年代風のサイケデリック・ガレージの美学を合わせたものとして説明されることが多い。ラジオ向けの洗練を狙うのではなく、歪んだギター、ざらついたリフ、肩の力が抜けた即興的な雰囲気を重視した。ボーカルやアレンジもあえて飾り気のないものとされ、参加したミュージシャンの別の側面、つまり技巧の誇示よりも、共同体的なロックの勢いを見せる内容になっていた。
メンバーと協力者
- ベン・シェパード – 結成者、主要ソングライター(サウンドガーデンでも活動)
- マット・キャメロン – ドラムス(サウンドガーデン、のちにパール・ジャムでも活動)
- ジョン・マクベイン – ギター(元モンスター・マグネット、のちにWellwater Conspiracyの一員)
- ジョン・ウォーターマン – デビュー・アルバムでベースを担当
- アラン・デイヴィス – The 2ndでベースを担当
- ブライアン・ウッド – 参加者、ボーカル(アンドリュー・ウッドの兄弟)
編成は録音やセッションごとに変化しており、気軽なプロジェクトとしてのヘイターの性格を反映していた。メンバーの何人かはバンド外でも継続的に協力関係を持っており、マクベインとキャメロンによるWellwater Conspiracyの結成もその一例である。
録音とリリース
ヘイターは2枚のアルバムを発表した。セルフタイトルのデビュー作は1993年に登場し、バンドが好んだ即興的なガレージ・ロック的アプローチを捉えている。2作目にあたる楽曲集はしばしばThe 2ndと呼ばれ、1995年に録音されたが、2005年まで未発表のままだった。その年に公開され、バンドの小規模な録音史を補完した。これらの作品のあいだに、ヘイターは1995年のコンピレーションHempilation: Freedom Is NORMLへ独立曲「Convicted」を提供しており、その曲には後にThe 2ndで聞かれるのと同じ中核メンバーが参加していた。
位置づけと意義
サイドプロジェクトとしてのヘイターは、シアトル・シーンの確立したミュージシャンたちが、本来のバンドから離れて別の音楽的方向性を試した例として注目される。この企画は、メンバーが持っていたより広く、より遊び心のある音楽的関心を示しており、サウンドガーデンの暗く、よりプロダクション重視の作品とは対照的である。また、1990年代におけるグランジ、ガレージ・リバイバル、サイケデリック・ロックの境界がいかに重なり合っていたかも示している。ヘイターの作品は、当時のミュージシャンのあいだで行き交っていた非公式で実験的なセッションをのぞき込みたいファンにとって興味深い。
ディスコグラフィー(抜粋)
- Hater(1993年)— ガレージ/サイケデリックの影響を捉えたデビュー・アルバム
- The 2nd(1995年録音、2005年発売)— かつて棚上げされていたセッション音源
- 「Convicted」— Hempilation: Freedom Is NORML(1995年のコンピレーション)に収録
さらに詳しい背景やセッションの詳細を知りたい場合は、1990年代のシアトル音楽シーンと、主要人物たちのサイドプロジェクトを記録した資料を参照するとよい。ここで挙げたアーティストやリリースの文脈を補う入口として、バンドの背景やアルバム・ノートも役立つ。