抗菌薬・抗菌剤とは?定義・種類と殺菌/静菌の違いを分かりやすく解説

抗菌薬・抗菌剤の定義から種類、殺菌と静菌の違いを図解でやさしく解説。感染予防や使い分けが一目でわかる入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

抗菌とは、微生物を死滅させたり、その増殖を止めたりする薬のことです。臨床や日常生活では「抗菌薬」「抗菌剤」「抗生物質」といった言葉が混用されますが、一般には抗菌薬・抗菌剤は微生物(細菌・真菌・ウイルス・寄生虫など)に作用する幅広い薬剤を指し、特に細菌に有効なものを「抗生物質」と呼ぶことが多い、という理解で差し支えありません。たとえば、細菌に対しては抗生物質、真に対しては抗真菌剤が用いられます。抗菌薬の使い方には、感染症の治療(抗菌化学療法)と予防(抗菌予防)があり、目的や投与経路により選択が変わります。

用途別・場所別の区分(消毒剤・防腐剤・薬剤の違い)

「抗菌剤」は非常に広い概念で、用途に応じて呼び分けられます。

  • 消毒剤(disinfectants):非生物表面(器具、床、器材など)に使い、付着した微生物を死滅または不活化して拡散を防ぐもの。例:漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)など。
  • 防腐剤(preservatives):製品中の微生物増殖を抑えて品質を保つために用いられる添加物。
  • 消毒薬・抗菌外用薬(antiseptics):生きた組織(皮膚、粘膜)に塗布して感染を抑えるもの。手術前の皮膚消毒や創傷処置に用いるアルコール、ヨード、クロルヘキシジンなどが代表例(原文では「消毒剤、」と記載)。
  • 抗生物質・抗菌薬(systemic agents):体内の感染に対して内服や注射で使用する薬剤。細菌を標的にしたものが多く、経口・静注で全身に作用します(文章中の「抗生物質などがあります」)。

殺菌(bactericidal)と静菌(bacteriostatic)の違い

抗菌薬は作用の仕方で大きく2つに分かれます。

  • 殺菌(殺菌剤・bactericidal):微生物を直接死滅させる作用。例えば細胞壁合成阻害薬(β-ラクタム系など)やアミノグリコシド系の一部は殺菌的に作用します。
  • 静菌(静菌剤・bacteriostatic):微生物の増殖を止め、免疫系が除去するのを助ける作用。タンパク質合成阻害薬(マクロライド、テトラサイクリンなど)やサルファ薬の多くは静菌的に働きます。

ただし、臨床での効果は薬剤の薬力学(濃度依存性か時間依存性か)、投与量、感染部位、宿主の免疫状態に左右されます。静菌薬でも十分な血中濃度であれば事実上殺菌的に働く場合があり、単純にどちらかに分けるだけでは不十分です。

作用機序と代表的な薬剤の例

抗菌薬は主に次のような作用機序で分類できます(代表例を挙げます)。

  • 細胞壁合成阻害:ペニシリン系・セフェム系(β-ラクタム系)など(細菌の細胞壁を壊すことで殺菌)
  • タンパク質合成阻害:アミノグリコシド系(例:ゲンタマイシン)/マクロライド系(例:エリスロマイシン)/テトラサイクリン系など(静菌または殺菌)
  • 核酸合成阻害:フルオロキノロン系(例:レボフロキサシン)やリファンピシン(DNAやRNA合成を阻害)
  • 代謝経路阻害:スルホンアミド系やトリメトプリム(葉酸合成阻害により増殖を抑制)
  • 細胞膜障害:ポリミキシン系など(膜を破壊して殺菌)

なお、文中で触れたように「抗生物質」という語は当初は天然由来物質に限定されていましたが、現在はスルホンアミドや合成のフルオロキノロンなどの合成化合物も含めて使われることが一般的です。

表面の抗菌技術(接触殺菌など)

従来の「増殖を抑える」アプローチに加え、表面にコーティングされた素材が触れた微生物を直接死滅させる「接触型抗菌」技術も進展しています。銀イオンや銅の抗菌性、抗菌ポリマーや多孔質メディアの設計などにより、医療機器や公共施設の表面で感染拡大を抑える工夫が行われています(元文では「ある種の多孔質媒体が作られ、接触しただけで微生物を死滅させることができるようになりました」と記載)。

副作用・耐性と適正使用の重要性

抗菌薬は有用ですが、誤用や過剰使用は副作用や薬剤耐性(AMR:抗菌薬耐性)を招きます。副作用にはアレルギー、腸内細菌叢の乱れ(下痢、クロストリジウム・ディフィシル感染など)、臓器毒性などがあります。耐性菌の増加は治療選択肢を狭め、重篤化や医療費増大の原因になります。

そのため、以下が重要です:

  • 医師の指示に従った適正な用量・期間での使用
  • 原因微生物が明らかであれば、治療は可能な限り狭域抗菌薬を選ぶ(広域抗生物質の乱用を避ける)
  • 感染予防(手洗い、消毒、ワクチン接種など)による薬剤使用の抑制
  • 耐性菌対策としての抗菌薬適正使用(抗菌薬スチュワードシップ)

まとめ(ポイント)

  • 微生物を死滅させたり増殖を抑えたりする薬を総称して抗菌薬・抗菌剤と呼ぶ。
  • 用途により消毒剤(非生物表面)、抗菌外用薬(生体表面)、抗生物質(体内感染)などに分かれる。
  • 作用は「殺菌」と「静菌」に大別されるが、臨床効果は薬剤の性質と宿主因子に依存する。
  • 誤用は耐性や副作用につながるため、適正使用と感染予防が重要。

質問と回答

Q:抗菌剤とは何ですか?


A:抗菌剤とは、微生物を殺したり、その増殖を止めたりする薬剤のことです。

Q: 抗菌薬はどのように分類されますか?


A: 抗菌薬は、主に細菌に作用する抗生物質、真菌に作用する抗真菌薬のように、作用する微生物によってグループ分けされます。また、微生物を殺す殺微生物剤、微生物の増殖を止める静菌剤など、その機能によっても分類されます。

Q: 抗菌化学療法とは何ですか?


A:抗菌化学療法とは、抗菌薬を用いて感染症を治療することです。

Q: 抗菌薬による予防とは何ですか?


A: 抗菌薬による予防とは、抗菌薬を用いて感染を予防することです。

Q: 一般的な抗菌薬の種類にはどのようなものがありますか?


A: 一般的な抗菌剤の例としては、消毒剤(漂白剤など)、防腐剤(生体組織に塗布し、手術中の感染を抑える)、抗生物質(体内の微生物を殺す)などがあります。

Q: 「抗生物質」の意味は、時代とともにどのように変化してきたのでしょうか?


A: 「抗生物質」という言葉は、もともとは生きている微生物に由来する創造物だけを指していましたが、現在はスルホンアミドやフルオロキノロンのような合成物質にも適用されています。また、抗菌剤だけを指す言葉でしたが、抗菌剤全般を指す言葉へと意味が広がっています。

Q: 抗菌薬はさらにどのように分類されるのですか?


A: 抗菌薬は、細菌を殺す「殺菌剤」と細菌の増殖を抑える「静菌剤」に分けられます。


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