三酸化アンチモン(酸化アンチモン(III))
三酸化アンチモン(Sb2O3)は、アンチモンの最も一般的な酸化物である。白色結晶性粉末で、天然に産出し、アンチモン鉱石から製造される。難燃助剤、乳白剤、触媒として用いられる。
三酸化アンチモンは、一般に酸化アンチモン(III)とも呼ばれ、Sb2O3と表される、元素アンチモンの主要な酸化物である。アンチモンは+3の酸化数をとり、酸化物アニオンと結び付いている。天然ではセナルモンタイトおよびバレンチナイトという鉱物として産出し、工業的には硫化アンチモン鉱石の焙焼、または金属アンチモンの酸化によって製造される。商業的に重要な化学化合物として、微細な白色から黄白色の粉末で供給され、昇華その他の分離法によってさらに精製されることがある。
画像ギャラリー
6 画像物理的・化学的性質
Sb2O3には複数の結晶形があり、通常は鉱物名で表現される。弱い両性の性質を示し、水には難溶である一方、強酸および強アルカリには溶解して多様なアンチモン(III)種を生じる。強い酸化条件下では、より高い酸化数をもつアンチモン酸化物へ変換されうる。安定で溶解度の低い酸化物が必要な用途に使用され、多くのポリマーおよびガラスのマトリックスと適合する。
製造と産出
商業生産は通常、輝安鉱(硫化アンチモン)を出発原料とし、これを焙焼して酸化物と二酸化硫黄を得る方法による。金属アンチモンを酸化してSb2O3を製造することもできる。天然での産出および鉱石処理が、工業用供給の一般的な源となっている。鉱物処理と精製に関する背景については、輝安鉱および鉱石処理法の解説を参照されたい。
用途
- 難燃助剤:Sb2O3は、プラスチック、繊維、電子部品において、ハロゲン系難燃剤と併用されることが多い。発煙抑制および難燃性能を高めるために添加される。
- ガラスとセラミックス:ガラスや釉薬において、気泡を除去し、光学的性質を調整する乳白剤および清澄剤として作用する。
- 触媒とポリマー:アンチモン化合物は、一部の重合反応および化学合成で触媒として用いられ、とりわけ特定のポリエステルの製造で利用される。
- 特殊用途:実験用試薬、顔料、ならびに他のアンチモン化学品の製造中間体として使用される。
健康、安全および環境上の注意
三酸化アンチモンは、吸入または摂取すると有害であり、眼、皮膚および気道を刺激するおそれがある。職業上のばく露は、粉じん抑制、換気および個人用保護具によって管理される。国際的な機関は発がん性の可能性を検討しており、規制の枠組みでは慎重に取り扱われる。最新の指針については、関連する分類および安全データ資料を参照する必要がある。環境への放出は最小限にとどめ、廃棄物は地域の規制に従って管理しなければならない。
信頼できる技術データおよび化学的背景については、酸化物化学の概説および工業化学の参考資料を参照されたい。高次のアンチモン酸化物や元素アンチモンとは、挙動、反応性および用途が異なる。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 三酸化アンチモン(酸化アンチモン(III)) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/4668