イナバウアーとは:フィギュアスケートの技、由来・やり方・荒川静香の演技

イナバウアーの由来や正しいやり方、荒川静香の名演技とオリンピックでの軌跡を図解と動画でわかりやすく解説。テクニック習得のコツも紹介。

著者: Leandro Alegsa

イナバウアーとは、フィギュアスケートの要素の一つで、身体を大きく使った美しい姿勢が特徴の技(ポジション)です。このポジションは、考案したドイツ出身のフィギュアスケーター、イナ・バウアーにちなんで命名されました。名前は選手の姓に由来し、競技の中では視覚的なインパクトが強いため、演技の見せ場として用いられることが多くあります。

やり方・基本のフォーム

イナバウアーは、もともとバレエの第4ポジションに足を置く形に近い姿勢から行います。基本的なポイントは次の通りです。

  • 足の配置:前脚は膝を前方に曲げ、後脚はスケーターの後方に伸ばす。前脚はインサイドエッジでもアウトサイドエッジでも可能ですが、アウトサイドエッジの方が安定させるのが難しいです。
  • エッジと滑走:両足のエッジを意識して氷面にしっかり乗せ、滑走方向に沿って安定したカーブを描きながら行います。速度とバランスのコントロールが重要です。
  • 上半身の使い方:背中を反らせて後方に倒す(いわゆるバックベント)ことで、見た目のインパクトを強めます。これは必須ではありませんが、表現の幅を広げるために取り入れられることが多いです。
  • 重心と視線:重心は前脚と後脚のバランスを取りながら前方に保ち、視線は演技の方向や観客側に向けると美しく見えます。

バリエーションと演技での使われ方

イナバウアーにはいくつかのバリエーションがあり、前脚・後脚の角度や背中の反り具合、片手・両手の位置などで表現が変わります。実用面では以下のような使い方があります。

  • 単独の見せ場として演技構成に組み込むことで、演技のドラマ性や印象を強める。
  • 他の要素(ジャンプやスピン)への導入として使い、滑走の流れや速度を作ることで技のつながりを滑らかにする。
  • プログラムの振付上のトランジション(つなぎ)や表現要素として、採点のプログラム構成点(演技構成や表現力)に影響を与える。

採点上の位置づけ:イナバウアー自体はジャンプやスピンのように基礎点が与えられる「要素」カテゴリの採点対象とは異なり、技術点の基礎点には含まれません。ただし、演技の中での効果的な使用は演技構成や表現(プログラムコンポーネンツ)に好影響を与え、トランジションや表現の加点要素として評価されます。

荒川静香の演技と影響

イナバウアーは、2006年の冬季オリンピックで荒川静香がロングプログラムで披露し、優勝したことで日本では特に有名になりました。荒川選手は大きく後ろに反る形で見せることで強い印象を残し、そのシーンは多くの観客の記憶に刻まれました。以降、日本のスケートファンや若いスケーターの間でもイナバウアーは人気のある技の一つとなり、さまざまなバリエーションが演技に取り入れられるようになりました。

練習のポイントと注意点

  • 段階を踏む:まずは低速でエッジと足の位置を確認し、バランスが取れるようになってから速度を上げる。
  • 柔軟性の確保:特に腰と背中の柔軟性が必要になるので、オフアイスでのストレッチや体幹トレーニングを行うと安全に深化できます。
  • 膝と足首のケア:膝を前に出す動作や片足での滑走は関節に負担がかかるため、無理をしないこと。痛みがある場合はすぐに練習を中止する。
  • コーチの指導を受ける:フォームの崩れや怪我の予防のため、初期は必ずコーチの監督下で練習することをおすすめします。

イナバウアーは技術的な難しさと同時に強い表現性を持つポジションです。正しいフォームと安全な練習で取り入れれば、演技の魅力を大きく高めることができます。

キム・ユナ、イナバウアーを披露Zoom
キム・ユナ、イナバウアーを披露

質問と回答

Q: イナバウアーとは何ですか?


A: イナバウアーとは、ドイツのフィギュアスケーター、イナバウアーにちなんで名付けられたフィギュアスケートの要素の一つです。

Q: なぜイナバウアーと呼ばれるのですか?


A: このポジションを考案したのがフィギュアスケーターのイナバウアーであることから、この名前が付けられました。

Q:イナバウアーの足の位置はどうなっているのですか?


A: 足の位置はバレエでいう第4ポジションになります。

Q: イナバウアーの前脚の位置はどうなっていますか?


A: 前足は膝を前方に曲げています。

Q: イナバウアーの前足は、内側や外側の端に置くことができますか?


A: はい、前足は内側でも外側でも構いませんが、後者の方が難しいです。

Q: イナバウアーで背中を曲げることは必須ですか?


A:いいえ、必須ではありませんが、要素を追加するものです。

Q:なぜイナバウアーは日本で有名なのですか?


A: イナバウアーは、2006年の冬季オリンピックで荒川静香選手がロングプログラムで披露し、優勝したことで日本では有名です。また、荒川選手が後方に大きく体を反らしたことから、現在では後方に体を反らすことを意味する言葉になっています。


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