インターシティ125
は、ブリティッシュレールが導入した代表的な高速鉄道(HST:High Speed Train)のブランド名です。固定編成の客車群の両端に1台ずつ、計2台の機関車(パワーカー)を配置するプッシュ・プル方式で、通常の営業運転では時速125マイル(約201km/h)での走行が可能となる設計でした。編成は一般に中間に複数のMark 3形客車を挟んだ構成で、運行時の編成長や両端のパワーカーにより高い加速性能と安定性を備えています。
設計と技術的特徴
インターシティ125は、1970年代に既存のディーゼル客車や蒸気機関車置換を目的に開発されました。主な特徴は以下の通りです:
- 両端に配置された2台のパワーカー(後にクラス43と呼称)によるプッシュ・プル編成。
- 中間に組み込まれるのは空気ばね・高剛性のMark 3形客車で、乗り心地・静粛性・安全性が向上していました。
- 当初搭載されたエンジンはPaxman Valentaなどで、後年は燃費・信頼性向上のために別のディーゼル機関に換装されたパワーカーも多くあります。
- 最高営業速度125mph(約201km/h)に合わせた車体設計と空力特性。線路や信号系との組合せで高速運転を実現しました。
運用と歴史
ブリティッシュレールはインターシティ125をメイン幹線に導入し、特にグレート・ウェスタン本線、イースト・コースト本線、クロス・カントリー・ルート、後にはミッドランド本線といった主要路線で運行しました。ロンドンを起点に、ロンドン—ブリストル、エディンバラへの長距離列車、さらには南はペンザンス、北はアバディーンやインバネスなど、英国全土の多様な目的地へのサービスに用いられ、旅客輸送の時間短縮と利便性向上に大きく貢献しました。
1970年代後半の導入以来、インターシティ125は国内の長距離列車の主力として長年活躍し、その堅牢さと整備性から改修・更新を重ねつつ21世紀初頭まで多くの路線で使用され続けました。2010年代に入ると車齢の進行と環境規制、最新の高速車両への更新計画により段階的な置換が進み、2017年以降は一部編成がブリティッシュレイルのクラス800(Intercity Express Programmeによる新型電車/電気・ディーゼル混成車)に置き換えられています。
世界記録と評価
インターシティ125は高性能ディーゼル列車として広く知られ、1987年には営業車両としての絶対最高速度148mph(約238km/h)を記録し、ディーゼル機関車における世界最速の記録を樹立しました。この記録は当時の技術水準と車両設計の優秀さを示すもので、インターシティ125の象徴的業績の一つとなっています。
改修・保存と遺産
引退・置換が進む一方で、多くのインターシティ125は改修を受けて地域路線や特別車両として延命されました。また、歴史的価値や人気から保存団体や鉄道博物館で保存されている車両もあり、走行可能な保存編成によるチャーター列車やイベント列車として運行されることもあります。インターシティ125は英国の近代鉄道史において重要な転換点を作り、以後の高速列車設計や運行戦略に強い影響を与えました。
総じて、インターシティ125は性能、信頼性、利用者の利便性で高く評価され、英国の長距離鉄道を再定義した象徴的な存在です。現役で残る編成や保存車両は当時の技術やデザイン、鉄道利用文化を今に伝えています。


