AOL(アメリカ・オンライン)とは:歴史・AIM・買収と主なサービス
AOLの誕生からAIMの栄枯、ダイアルアップ時代、タイムワーナー・ベライゾン買収まで、主要サービスと歴史的影響をわかりやすく解説
AOL Inc.(旧称:アメリカ・オンライン)は、米国を拠点とするオンラインサービスプロバイダーおよびインターネットサービスプロバイダーです。会社の起源は1985年にさかのぼり、もともとはパソコン向けオンラインサービス(当初はQuantum Computer Services/Q-Linkなど)としてスタートしました。設立当初の重要なサービスは、オンラインチャットやオンラインゲームで、接続の多くはダイアルアップ回線を利用していました。CD-ROMによるユーザー獲得、無料トライアルの配布、フレンドリスト(Buddy List)や「You've got mail.」のような音声通知などで家庭のインターネット利用を大きく広げた点がAOLの特徴です。
歴史の概要
AOLは1980年代後半から1990年代にかけて急速に会員を増やし、家庭向けインターネット接続とオンラインコミュニティの代表的存在となりました。1990年代にはダイアルアップ会員を数千万規模に拡大し、ポータルサイトやメールサービス、チャットルーム、オンラインコンテンツ配信を組み合わせたビジネスモデルで成長しました。
買収・再編の経緯
2000年にAOLは大規模な合併で話題になりました。2001年にはタイム・ワーナーとの合併を完了し、一時はメディアとインターネットを結びつける巨大グループとして注目されました。しかしドットコムバブルの崩壊や事業環境の変化により統合効果は限定的で、のちに評価は分かれました。タイム・ワーナーからのスピンオフを経て2009年に再び独立し、社名をAOL社(AOL Inc.)に戻しました。さらに2015年5月にはベライゾン・コミュニケーションズがAOLを買収すると発表し、同社のデジタルメディア事業の一部となりました。
AOLインスタント・メッセンジャー(AIM)
AOLインスタント・メッセンジャー(AIM)は、ユーザーがオンライン中の他者とリアルタイムでテキストメッセージやファイル送受信、音声・ビデオ通話(後期)を行えるサービスでした。AIMの主な機能には、フレンドリスト(Buddy List)、Awayメッセージ、個別チャット/グループチャット、ファイル転送、カスタム絵文字やステータス表示などがあり、1990年代後半から2000年代を通じて世界中で数百万人の利用者を集めました。
AIMは独自プロトコル(OSCARなど)を採用していたため、このプロトコルに対応するサードパーティ製クライアントからの接続も盛んでした。たとえば、Trillian、Pidgin、Digsby、AIM+といったプログラムがAIMアカウントを使って会話を行える代表例です。AIMは時代の変化(ブロードバンドの普及、モバイルチャットアプリの台頭など)により利用者数が減少し、最終的に2017年12月15日にシャットダウンされました。
主な製品・サービス
AOLはインターネット接続サービス以外にも多様な製品とツールを展開しました。代表的なものを挙げます:
- AOL Mail(電子メールサービス)
- AOL Desktop(統合デスクトップアプリ)
- ICQ — インスタントメッセージングサービス(AOLが買収・運営していた時期あり)
- AOL Explorer(ウェブブラウザ)
- AOL TopSpeed(ダイアルアップ最適化ツール)
- AOL Dialer(接続管理ソフト)
- AOL One-Click Fixes/AOL Computer Check-Up(トラブルシューティング、診断ツール)
- AOL Spyware Protection、AOL Safety and Security Center(セキュリティ関連ツールと案内)
- AOL Openride(統合型インターネットクライアント、過去に提供)
また、AOLはニュースやエンターテインメント系ウェブサイトの買収・運営も行い、メディア企業としての側面も持っていました(例:後年にはThe Huffington Postの買収など)。これらはポータルとしてのコンテンツ供給や広告収入の柱となりました。
衰退と遺産
ブロードバンド回線の普及やモバイルアプリの出現により、かつてのダイアルアップ中心のビジネスモデルは急速に陳腐化しました。加えて競争激化や事業再編を受け、AOLは会員数と収益の変化に対応するためコンテンツ事業や広告テクノロジーへ軸足を移しました。
それでもAOLは「家庭でのインターネット普及」を後押しした先駆的存在としての評価が根強く、AIMやチャットルーム、CD-ROM配布などを通じてインターネット文化に大きな影響を与えました。今日では当時のサービスや用語(例:「You've got mail」)がインターネット黎明期の象徴として語られることが多いです。
まとめ
AOLは1985年の創業以来、ダイアルアップ時代の代表的プロバイダーとして急成長し、AIMなどのコミュニケーションツールや多様なソフトウェア・メディア事業を通じて広範な影響を残しました。合併や買収、スピンオフを経て事業形態を変化させながらも、インターネット普及史における重要な役割は今なお評価されています。
質問と回答
Q: AOL Inc.とは何ですか?
A: AOL Inc.は、1985年創業の米国に本拠を置くオンラインサービスプロバイダー、インターネットサービスプロバイダです。
Q: AOL社が初期に提供した重要なサービスとは何ですか?
A: AOL Inc.は初期にオンラインチャットとオンラインゲームを提供しており、ほとんどの接続はダイアルアップでした。
Q: AOLがTime Warnerを買収したのはいつですか?
A: AOL Inc.は2001年にTime Warnerを買収しました。
Q: AOL Inc.がAOL Inc.に社名を変更したのはいつですか?
A: AOL Inc.は、2009年にTime Warnerから分離独立し、AOL Inc.に社名を変更しました。
Q: 2015年5月にAOL Inc.を買収したのはどこですか?
A: 2015年5月にVerizon CommunicationsがAOL Inc.を買収しました。
Q:AOLインスタントメッセンジャーとは何だったのか?
A: AOL Instant Messengerは、現在オンライン中のユーザーとコミュニケーションを取ることができるサービスでした。
Q: AIMはいつ閉鎖されたのですか?
A: AIMは2017年12月15日に閉鎖されました。
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