九龍(/kaʊˈluːn/);簡体字: 九龙; 繁体字: 九龍; ピンイン: Jiǔlóng; Jyutping: Gau2 Lung4)は、香港の主要な都市圏の一つで、一般に九龍半島と新九龍(New Kowloon)を合わせた地域を指します。ビクトリア・ハーバーの北側に位置し、商業・住宅・文化が密に混在する香港の中心地の一角です。
地理
- 位置: 九龍はビクトリア・ハーバーの北岸に沿い、北側は獅子山(ライオンロック)や小山地帯で区切られます。西は西九龍埋立地、東は観塘方面へと続きます。
- 構成: 一般的に「九龍半島」は海に突き出した南側の部分を指し、「新九龍」は北側に広がる地域(行政上はかつて新界の一部として扱われた地域)を含みますが、日常語では両者を合わせて「九龍」と呼ぶことが多いです。
歴史
- 植民地時代以前: もともと漁村や農村が点在する地域でした。
- イギリス統治の拡大: 1860年の北京条約により、現在の九龍半島の南部(Boundary Streetより南、石塘咀などを含む)は清から割譲されました。1898年の租借条約(新界の99年租借)で、現在「新九龍」と呼ばれる北側の地域もイギリス領に含まれましたが、法的には新界の一部として扱われました。
- 20世紀後半: 第二次世界大戦後の急速な都市化と人口増加に伴い、高層住宅や公営住宅が林立するようになり、商業地区としても発展しました。かつての九龍城砦(九龍城寨)は長年にわたり独自の自治的な密集地区となり、1990年代初めに取り壊されて現在は九龍城公園になっています。
行政区と主な地区
- 九龍は複数の区に分かれます。代表的な区には油尖旺区(尖沙咀、旺角、油麻地)、深水埗区、九龍城区、黄大仙区、觀塘区(観塘)などがあります。
- 「新九龍」は法的には新界の一部として租借されましたが、都市的には九龍の市街地と一体化しており、住民にも区別はあまり意識されていません。
交通
- 公共交通: MTR(地下鉄)や多数のバス路線、ミニバス、トラム(香港島側)と連携した交通網が発達しています。九龍には主要なMTRのハブ駅や長距離列車・高速鉄道のターミナル(九龍側の駅)などもあり、香港島や新界、深セン方面へのアクセスが良好です。
- 道路と海上交通: 複数のクロスハーバー(海底)トンネルやフェリー航路があり、海を挟んだ香港島との行き来が容易です。
経済・都市景観
- 商業とショッピング: 尖沙咀や旺角はショッピング・娯楽の中心地で、商店街や百貨店、市場(レディースマーケット、テンプルストリート・ナイトマーケットなど)が観光客に人気です。
- 高層ビルと歴史的建物の混在: 再開発により高層商業ビルや超高層複合施設(例: 西九龍の一部に立つICCなど)が建ち並ぶ一方で、古い街並みや公営住宅、昔ながらの商店も残り、コントラストが強い景観です。
- 人口密度: 香港でも特に人口密度が高く、住宅地は高層の集合住宅が主流です。公営住宅や工業用地の再開発が進んでいます。
文化・見どころ
- 観光名所: 尖沙咀プロムナード、ヴィクトリア・ハーバーの夜景、香港文化中心、香港歴史博物館など。
- 伝統と現代の共存: 黄大仙(黄大仙祠)や九龍城公園、ダイアモンドヒルの志蓮浄苑(Chi Lin Nunnery)・南蓮園池(Nan Lian Garden)など、宗教・歴史・庭園などの見どころがあります。
- 食文化: 屋台や茶餐廳(チャーチャンテン)から高級レストランまで幅広く、地元グルメやインターナショナルな食文化が楽しめます。
まとめ
九龍は香港の中でも歴史と近代化が密に重なった地域で、ビジネス・ショッピング・住宅が集中しています。法的には「新九龍」が新界の一部として扱われるなど複雑な経緯がありますが、都市生活や観光の面では一体として認識されることが多い地域です。


