拉麺(ラミアン)とは — 中国の伝統手延べ麺の歴史と作り方
拉麺(ラミアン)とは—中国伝統の手延べ麺。1504年の記録から技術、家庭で作る手順やスープ・炒め料理のレシピまで詳述。
ラミアン(中国語:拉面)は、中国の麺の一種で、手で生地を何度も伸ばし折りたたむことで細長い麺を作る、いわゆる「手延べ麺(手拉麺)」です。生地の弾力(グルテン)を利用して引き伸ばすため、伸ばす・折るを繰り返すと麺の本数が倍々に増え、太さや長さを自在に変えられます。拉麺の作り方が最も早く文献に記された例として、1504年頃に宋旭が著した『宋氏養生部』に記述が残されています。
「拉麺」の語は文字通り「引っ張る(拉)」+「麺(面)」を意味します。中国語のラ(拉)は「引っ張る」を表し、この動作で生地を細長い麺(ミアン、面)に仕上げます。拉麺は多くの場合、牛肉や羊肉を使ったスープで供されることが多く、麺を茹でてスープに入れるか、炒めてソースで和えるなどさまざまな料理法があります。特に蘭州(ランジョウ)牛肉拉麺は、澄んだ牛骨スープ・薄切り牛肉・白大根・香菜・ラー油などで仕上げる代表的なスタイルとして有名です。
歴史と文化的背景
拉麺は中国北西部(甘粛省や寧夏など)を中心に発達し、イスラム系(回族)の料理文化と結びつくことが多い料理です。屋台や麺店で職人が生地を手で次々と引き伸ばす光景は、観光客にも人気のパフォーマンスになっています。地域ごとに出汁やトッピング、麺の太さ・コシの好みが異なり、蘭州拉麺のように「一清(スープの透明さ)・二白(白い大根)・三紅(辣油の赤)・四緑(香菜の緑)・五黄(麺の黄色)」という注文法があるほど細かな流儀があります。
材料と道具(家庭向け)
- 強力粉(高たんぱく小麦粉) 500g(グルテンが強いほど伸ばしやすくコシが出ます)
- 水 250〜275ml(粉の吸水率や好みにより調整)
- 塩 小さじ1(生地の味とグルテン形成を助けます)
- アルカリ性の水(かんすい)または小さじ1/4〜1/2のベーキングソーダ(好みにより、コシと色合いを出すため)
- 食用油(打ち粉の代わりや生地表面の保護用)
基本的な作り方(家庭での手順)
- 生地をこねる:ボウルに粉と塩を入れ、かんすい(使用する場合)を溶かした水を少しずつ加えながら混ぜます。粉気がなくなるまでこね、台に出して10〜15分ほどしっかりこねます。生地が滑らかで弾力が出るのが目安です。
- 休ませる:生地をラップで包み、室温で30分〜1時間休ませます。休ませることでグルテンが落ち着き、伸ばしやすくなります。
- 分割して伸ばす:生地を適当な大きさに分け、細長い棒状に伸ばします。打ち粉を軽くし、生地の両端を持って引っ張り、折り返してまた引っ張る動作を繰り返します。折りたたむたびに本数が倍になる仕組みです。
- 引き伸ばす回数を調整:太麺にしたければ引く回数を少なく、細麺にしたければ多く引き伸ばします。最終的に均一な太さに整えます。
- 茹でる:たっぷりの沸騰した湯で2〜4分(太さにより変わる)茹で、水気を切ります。スープに入れる場合は、別鍋で温めたスープに直接入れて仕上げます。
料理と食べ方
拉麺はスープ麺が最も一般的ですが、炒麺やつけ麺風に供されることもあります。代表例:
- 蘭州牛肉拉麺:澄んだ牛骨スープに薄切り牛肉、茹でた麺、白大根、香菜、辣油を添える。
- 羊肉拉麺:羊骨や羊肉のスープを使った地域料理。
- 炒拉麺:茹でた拉麺を油で炒め、野菜や肉と合わせた炒め麺。
バリエーションと他の麺との違い
拉麺は手で引き伸ばす手法が特徴で、似たような手法でも地域や国によって呼び名や作り方が異なります。例えば、刀削面(刀で削る麺)は生地を包丁で削って作るため食感や形が違います。拉麺は均一で弾力のある麺線が得られる点が魅力です。
コツと注意点
- 強力粉を使うと弾力が出やすい。薄力粉のみだと切れやすく伸ばしにくい。
- 生地は十分にこねてから休ませる。休ませ不足だと伸ばしたときに戻りやすく、切れやすくなります。
- かんすいやベーキングソーダは風味や色、コシに影響するため入れすぎに注意。
- 手で引く動作は滑りをよくするために、手に少量の油を塗るとやりやすいです。
- 衛生面に注意し、茹で時間は十分に取ってから提供すること(特に肉入りスープと合わせる場合)。
拉麺は単なる食べ物にとどまらず、職人技と地域の食文化を伝える料理です。家庭でも基本の手順を守れば挑戦可能で、茹でたての弾力と小麦の風味を楽しめます。
ラミアン
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