ウォルト・ホイットマン『草の葉』:1855年刊行・改訂の経緯と代表詩

ウォルト・ホイットマン『草の葉』(1855年初版)刊行と改訂の経緯、代表詩「Song of Myself」ほかの背景と詩的革新を詳述。

著者: Leandro Alegsa

『草の葉』は、アメリカの詩人ウォルト・ホイットマン(1819–1892)による代表的な詩集である。初版は1855年7月4日に、ブルックリンのフルトン・ストリートの印刷所で自費出版され、印刷部数は約800部、長さは95ページ、全12編を収めていた。ホイットマン自身が印刷代を負担し、初版はほとんど売れなかったが、その独創的な作風はすぐに論争と注目を呼んだ。

刊行と改訂の経緯

ホイットマンは生涯を通じて『草の葉』の改訂と増補を繰り返した。1855年の初版から始まり、1856年、1860年、1867年、1871–72年、1881年など複数の版を経て、最終的には1891–92年のいわゆる「デスベッド(遺稿)版」で完成したとされる。各版ごとに詩篇が追加・削除され、配列や表題も変更されていったため、『草の葉』は単一の固定された作品ではなく、ホイットマン自身の生涯と創作の歩みによって成長した連作集ともいえる。

代表的な詩と主要テーマ

代表的な詩には、長大な自我の詩である「Song of Myself」(自我の歌)や、身体と精神を賛美する「I Sing the Body Electric」、母性と喪失を扱う「Out of the Cradle Endlessly Rocking」、リンカーンの死を悼む長大な哀歌「When Lilacs Last in the Dooryard Bloom'd」などがある。後の版で有名になった「O Captain! My Captain!」や、同性愛的・友情的結合を詠った「Calamus(カラマス)」連作なども重要である。

主なテーマは次の通りである:

  • 民主主義と個人の尊厳:個人の声を通して国家と社会の価値を問い、平等と共感を重視する。
  • 身体性と感覚:肉体や性的な欲望を肯定的に描き、感覚経験を霊的なものと結びつける。
  • 自然と宇宙観:自然との一体感、輪廻や再生のイメージを多用する。
  • 詩的形式の革新:伝統的な韻律に依拠しない自由詩(フリーヴァース)の用法、長詩とカタログ的列挙、反復(アナフォラ)など。
  • 戦争と喪失:南北戦争を経て、戦争体験や喪失の感情が作品に深く反映された。

受容と影響

初期にはその率直な身体描写や官能性が物議を醸し、批判や検閲の対象となったが、一方でラルフ・ワルド・エマーソンら一部の同時代人からは高い評価を受けた。長期的にはアメリカ詩の革新者として位置づけられ、20世紀以降のモダニズムや自由詩の発展に大きな影響を与えた。今日では、詩の民主的表現、自己と他者の包摂、身体と精神の統合といった観点から再評価され続けている。

読みどころと注意点

初めて読む人は、ホイットマン特有の長い行と詩的な列挙法、第一人称による広がりのある語りに注目するとよい。歴史的背景(特に南北戦争やリンカーン暗殺)を知ると、後期に含まれる哀歌や戦争詩の重みがより理解できる。なお、当時の道徳観からは刺激的と見なされた表現も含まれるため、その点を踏まえて読むことを勧める。

総じて『草の葉』は、1855年の小さな自費出版から出発し、ホイットマンの生涯とともに広がり続けた詩集であり、アメリカ文学史上もっとも重要な作品群の一つである。

関連ページ

  • カラマス

質問と回答

Q:「草の葉」の作者は誰ですか?


A:アメリカの作家、ウォルト・ホイットマン(1819-1892)が書いたものです。

Q:この詩集が最初に印刷されたのはいつですか?


A:1855年7月4日、ブルックリンのフルトン・ストリートの印刷所で印刷されたのが最初です。

Q: 初版は何部印刷されたのですか?


A: 初版は約800部印刷されました。

Q:本の長さはどのくらいか?


A:95ページで、12編の詩が載っている。

Q:「草の葉」の初版の費用は誰が負担したのですか?


A:ホイットマンがこの初版の費用を負担しました。

Q:「草の葉」に出てくる有名な詩は何ですか?


A: 「草の葉」の有名な詩は、"Song of Myself", "I Sing the Body Electric", "Out of the Cradle Endlessly Rocking", そして "When Lilacs Last in the Dooryard Bloom'd" です。

Q:ホイットマンは詩集の中でどのようなテーマを扱ったのですか?


A:ホイットマンは、宗教的体験や精神生活が詩の主題であった時代に、人間の身体、物質世界、自然、感覚の体験などを詩集の中で賛美しています。


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