リコポディオファ(Lycopodiophyta)|最古の維管束植物の定義・特徴・分類

リコポディオファ(リコポッド類)の起源・特徴・分類を図解で解説。最古の維管束植物の進化と胞子繁殖の秘密を詳述。

著者: Leandro Alegsa

Lycopodiophyta(または Lycophyta)は、現存する最古の維管束植物門である。植物界の維管束植物の下位区分にあたり、その最古の化石記録は約4億2800万年前から4億1000万年前にさかのぼる。p99

概要と重要性

リコポディオファ(リコポッド類)は、陸上植物の進化史において重要な位置を占めるグループであり、現生の植物相の基盤を理解するうえで欠かせない。生態系においては、小型の地被植物から、古生代には大型の木本状植物として繁栄し、石炭層の形成に寄与したグループも含まれる。

形態的特徴

  • 微小葉(microphyll):シダ植物や種子植物のような複雑な葉脈を持つ葉(大型葉、megaphyll)とは異なり、リコポディオファの葉は一本の主要脈(シンプルな葉脈)を持つ小型の葉(微小葉)である点が特徴である。
  • 維管束構造:原始的なプロステレ(原軸柱)を持つ種が多く、維管束の配置や発達様式が比較的単純である。
  • 茎と分枝:地を這う走茎(rhizome)や直立茎を持ち、分岐様式はしばしば二叉分枝(dichotomous branching)や側芽による分枝が見られる。
  • ストロビル(胞子穂)と胞子葉:多くの種は胞子を生産する構造(胞子葉や胞子穂)を形成する。これらは繁殖器官として目立つ場合がある。
  • サイズの幅:現生種は小型の地生植物や岩上性・着生性のものが多いが、古生代には数メートルに達する木本状の種も存在した。

生殖と生活環

リコポッド類は胞子の排出によって繁殖し、顕著な巨視的な世代交代(スポロファイトとガメトファイト)を示す。一般に胞子体(スポロファイト)世代が優勢で、葉や茎といった維管束組織を発達させる。ガメトファイト(配偶体)は種によって形態や生活史が異なり、地上で光合成を行う小型の個体である場合もあれば、土中に潜行して菌根(特に菌類)と共生し、非光合成性(mycoheterotrophic)となるものもある。

また、リコポディオファには同質胞子性(homosporous)の種と、異質胞子性(heterosporous)の種が含まれる。例えば、Selaginella属やIsoetes属は異質胞子性を示す。

分類(現生群)

現生のリコポディオファは大きく以下の主要グループ(綱・科レベル)に分けられる。分類名は研究によって扱いが変わることがあるが、代表的なものを挙げる。

  • Lycopodiaceae(リコポディウム科)— いわゆるクラブモス類(clubmoss)。多くは地表を覆うように生える小型植物。
  • Selaginellaceae(セラギネラ科)— Selaginella属を含む。多様な生態形質を持ち、一部は乾燥耐性(乾眠)を示す種がある。
  • Isoetaceae(イソエテス科)— Isoetes(クイルワート、quillworts)。水生または湿地性の小型草本で、独特な葉形と成長様式を持つ。

化石群には、炭素紀に繁栄した巨大な樹状リコポディオファ(例:Lepidodendronなど)を含むいくつかの絶滅群があり、これらは独立した分類群として扱われることが多い。

化石記録と進化

リコポディオファの化石は古生代に遡り、特にデボン紀から石炭紀にかけて多様化と大型化が進んだ。石炭紀にはリコポディオファの木本化種が低湿地の森林を形成し、大量の植物遺体が堆積して現代の石炭層を作ったと考えられている。現生の小型種は、これら巨大種の生き残りあるいは分岐した末裔とみなされる。

生息環境と分布

  • 世界中の湿潤な環境から乾燥地、岩上、森林の床、湿地、浅水域まで幅広く分布する。
  • 熱帯から温帯、寒冷地に至るまで多様な環境に適応しているが、多くの種は湿度の高い環境を好む。
  • 一部の種は着生生活(他植物の茎葉上)や岩上生活に適応している。

人間との関わり・保全

リコポディオファは観賞用として栽培されることがあるほか、古生代の森林や石炭形成の研究から地球史研究に重要である。生息地破壊や乱獲により一部の種は絶滅危惧にあるため、保全対策が必要とされる。特に局所的に限定された湿地性種や特殊環境に依存する種は脆弱である。

まとめ

リコポディオファは、単純な微小葉や原始的な維管束構造などの特徴をもち、胞子繁殖による顕著な世代交代を示す古い系統群である。現生種は小型~中型の草本が中心だが、古生代には巨木状のグループが繁栄しており、地球史と生態系に大きな影響を与えてきた。分類や系統関係の研究はなお進行中であり、化石記録と分子データの双方からリコポディオファの進化史が解き明かされつつある。

分類

現生種は約1,200種で、一般に3目に分類される。また、いくつかの絶滅したグループもある。グループ全体をどのように分類するかは、さまざまな意見がある。p8現存するグループとしては

  • Lycopodiales:綿菓子類
  • イソエタイルズクサソテツ類
  • セラギネラールトゲコケ類

質問と回答

Q: リコポッドとは何ですか?


A:リコポッドとは、現存する最古の維管束植物の区分で、植物界を細分化したものです。

Q:最古のリコポッド化石はいつ発見されたのですか?


A: 4億2,800万年前から4億1,000万年前にかけて発見されました。

Q:リコポッドはどのように繁殖するのですか?


A: 胞子を飛ばすことで生殖し、巨視的な世代交代を行います。

Q:リコポディウムは何世代が主流なのですか?


A:リコポディウムでは、胞子体世代が支配的です。

Q: 他の維管束植物と比較して、リコポッド類の特徴は何ですか?


A:シダ植物や種子植物に見られるような複雑な巨葉ではなく、葉脈が1本しかない微小葉を持つことが、他の維管束植物と異なる点です。

Q: 脊椎動物門の構造はどうなっているのですか?


A:原基を持つのが特徴です。

Q:リコポディウムの仲間にはどのようなものがありますか?


A:原始的な種が含まれます。


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