概要
月経は一般に生理とも呼ばれ、受精卵が着床しなかったときに起こる子宮内膜(エンドメトリウム)の周期的な剥離です。多くの人の生殖年齢における正常な一部であり、変化するホルモン量によって調節されます。生理のときに排出される液体はしばしば月経血と呼ばれますが、実際には血液だけでなく、組織や粘液も含まれています。
生理のしくみと周期
月経周期は、脳・卵巣・子宮が連動して進む一連の過程です。卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンが、卵胞の発育、排卵、子宮内膜の準備を制御します。周期の長さは個人差がありますが、一般には約21〜35日の範囲にあり、出血そのものは通常2〜7日ほど続きます。生殖器の基本的な図については生殖器の解剖も参照してください。
よくみられる特徴と変化
代表的な症状には、腹部のけいれん痛(月経痛、dysmenorrhea)、乳房の張り、腹部膨満感、疲労、気分の変化があります。出血量が多い人(月経過多、menorrhagia)や、より強い痛みを経験する人もいます。一方で、出血がごく少ない人や、周期が不規則な人もいます。スポッティング、月経の欠如、閉経後の出血は、医療者が確認する所見です。血液の流れには膣の解剖が関わっており、血液は膣を通って外に出ます。
対処法と用品
月経時の出血に対応する方法には、使い捨てのナプキンやタンポンから、再利用できる布ナプキンや月経カップまであります。ホルモン避妊法は出血のパターンを変えることがあり、避妊だけでなく、痛みの強い生理や出血量の多い生理の治療にも用いられます。市販の鎮痛薬、温熱、生活習慣の調整は、多くの人の症状緩和に役立ちます。
健康・歴史・文化
月経は、文化や歴史の中でさまざまに捉えられてきました。ある時代や地域では偏見の対象となり、また別の場面では実用的に扱われてきました。月経に関連する医学的状態には、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、月経前症候群(PMS)があります。認識の高まりにより、月経用品へのアクセスや教育に関する公衆衛生上の取り組みも進められています。
重要な区別
- 月経と妊娠: 出血は、妊娠が成立していないことを示します(まれな初期合併症を除く)。
- 産後出血: 悪露は出産後にみられるもので、通常の生理とは異なります。
- 受診の目安: 非常に多い出血、強い痛み、周期の急な変化、閉経後の出血は、医療機関での評価が必要です。