中足骨とは|構造・機能・症状・サッカーでの骨折リスクと予防法

中足骨の構造・機能から症状、サッカーでの骨折リスクと具体的な予防法まで、原因と対策をわかりやすく解説。選手必読の実践ガイド。

著者: Leandro Alegsa

中足骨ちゅうそくこつ)は、足の裏にある5つの長い骨の集合体である。後足と中足の足根骨と足指の指骨の間にある。

中足骨は、足の親指の大きい側から、第1中足骨、第2中足骨、第3中足骨、第4中足骨、第5中足骨と番号がつけられています。ローマ数字で番号が振られていることもある。中足骨は、手の中手骨と同じようなものです。

サッカー選手でよく骨折するのが中足骨です。これは、最近のサッカーブーツが軽量化され、足を保護する力が弱くなったことが原因だと思われます。2010年、一部のサッカー選手は、足の甲を保護するためにゴム製のシリコンパッドをかぶせた新しい靴下のテストを開始しました。

構造(解剖)

  • 各中足骨は「基部(根元)」「骨幹部(柄)」「頭部(先端)」の3つの部分からなる。
  • 第1中足骨は最も太く短く、母趾の動きに重要で、底側に種子骨(sesamoid)を持つことが多い。
  • 第5中足骨の基部には腸骨突起(結節)があり、腓骨筋(短腓骨筋など)の付着点で、外側の捻挫や牽引で骨折しやすい。
  • 中足骨は前方で指骨と関節(中足趾節関節)、後方で楔状骨・立方骨・距骨などの足根骨と関節を作り、足の横・縦アーチの構成要素となる。
  • 靭帯(背側・掌側・骨間靭帯)や短趾屈筋などの筋肉と連携して安定性を保つ。

機能

  • 体重支持・荷重分散:立位や歩行時に体重を分散し、衝撃を吸収する。
  • 推進力の生成:歩行・走行の「蹴り出し(トウオフ)」時にレバーとして働き、効率的な前進を助ける。
  • アーチの維持:横・縦アーチの一部として足の柔軟性と剛性を調整し、各種地形に適応する。

症状とよくある損傷

  • 急性骨折:直接の打撃や強い捻りで発生。腫れ、疼痛、圧痛、歩行困難、場合によっては明らかな変形が見られる。
  • 第5中足骨の外側基部骨折:転倒時の捻挫や急激な内反で生じやすい(鼷鼠骨折やJones骨折など)。
  • 疲労骨折(ストレス骨折):反復負荷による微小損傷が蓄積して発症。初期は運動時のみ痛むが進行すると安静時も痛む。
  • 中足部慢性痛(メタタルサルジア):前足部の圧迫やアーチ不良、過剰な負荷で起こる痛み。

診断

  • 問診と視診、触診(局所の圧痛・腫脹・皮下出血)、歩行評価が基本。
  • X線検査:AP・斜位・側面像で多くの骨折は確認できる。第5中足骨のJones骨折は特に注意。
  • CT:複雑な骨折や関節面侵襲を評価するのに有用。
  • MRI・骨シンチ:疲労骨折や骨髄浮腫の早期診断に有効。

治療

  • 保存療法:安静、RICE(安静・氷冷・圧迫・挙上)、荷重制限と松葉杖、ウォーキングブーツやキャストでの固定。痛み止めや骨折の安定化を目的とする。
  • 手術療法:位置ずれのある骨折、関節内骨折、非癒合(特にJones骨折)ではピンやスクリュー、プレート固定などの整復固定が行われる。
  • リハビリ:可動域訓練、筋力強化(足底筋・前脛骨筋・腓骨筋など)、バランス訓練、段階的な荷重増加とスポーツ復帰プログラムが重要。
  • 一般的な回復期間は単純骨折で6〜8週間、Jones骨折や疲労骨折は治癒に時間がかかり、場合によっては数か月を要する。

サッカーでの骨折リスクと予防法

  • リスク要因:軽量化された薄いアッパーのブーツ、直接的なキックや接触、ハードなピッチや人工芝、過剰なトレーニング、足部の形状(偏平足や過回内)など。
  • 具体的なケガ:相手と接触した際の直接打撲での骨折、繰り返しのストレスによる疲労骨折、第5中足骨の基部やJones部位の損傷が多い。
  • 予防策:
    • 適切なサイズとフィットのスパイクを選ぶ(つま先に余裕があり、ミッドフットが安定するもの)。
    • 用途に合ったスタッド(芝・人工芝・土)を選ぶことで不自然な捻りを減らす。
    • 足の甲や中足部を保護するパッドや補強付きのソックス、インソール(衝撃吸収・アーチサポート)を使用する。
    • 足底・前脛骨・腓骨筋群などの筋力強化、足の内在筋トレーニング、体幹・ハムストリングの強化で負荷分散を図る。
    • バランストレーニングやプロプリオセプション(固有受容感覚)訓練で怪我のリスクを下げる。
    • 練習量の管理(徐々に負荷を増やす)、十分な休息と回復、トレーニングのバリエーションでオーバーユースを避ける。
    • 過去に中足骨の怪我がある選手は、予防的にオーソティックス(カスタムインソール)やテーピングを検討する。

受診の目安(注意すべき症状)

  • 歩けないほどの強い痛み、明らかな変形、開放創(骨が皮膚を突き破っている)や大量出血がある場合は緊急受診。
  • 運動時のみだった痛みが次第に安静時にも出る、腫れや皮下出血が拡大する場合は早めに整形外科を受診する。

まとめ:中足骨は足の機能にとって非常に重要な部位であり、サッカーなど高負荷環境では疲労骨折や外傷が起こりやすい。適切な診断と早期治療、靴やトレーニングの工夫で予防・再発防止が可能である。異常を感じたら無理をせず医療機関で評価を受けてください。



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