Microsoft Edgeは、Webブラウザで、Microsoftが開発しています。初出は2015年で、当初はWindows 10とXbox One向けに提供されました。その後、2017年にAndroidiOS向け、2019年にmacOS向けにリリースされ、Windows 10 Mobileのデフォルトブラウザでもありました。EdgeはWindows 10のデフォルトブラウザーとして従来のInternet Explorerに取って代わり、互換性確保のためにInternet Explorer 11は一部環境で併存しています。

概要とエンジンの変遷

Edgeは当初、Microsoft独自のレンダリングエンジン「EdgeHTML」を用いるブラウザとして登場しましたが、互換性と開発効率を高めるため、後にGoogleのオープンソースプロジェクト「Chromium」基盤(Blinkレンダラー/V8 JavaScriptエンジン)へと移行しました。Chromiumベースの新しいEdgeは、安定版が2020年1月に公開され、以降これが主流となっています。旧来のEdge(EdgeHTML)版は段階的にサポート終了が行われました。

主な機能

  • レンダリング互換性とパフォーマンス:Chromiumベースにより多くのWebサイトや拡張機能と高い互換性を持ち、描画・JavaScript実行のパフォーマンスも向上しています。
  • IEモード:企業向けにInternet Explorerベースのレガシーサイトをそのまま動作させる「IEモード」を搭載し、移行期間中の互換性を確保します。
  • プライバシー保護:トラッキング防止(Tracking Prevention)機能を備え、標準/厳格などのレベルを選んで追跡を制限できます。
  • セキュリティ:Microsoft Defender SmartScreenやパスワード監視機能、InPrivate(プライベートブラウズ)モードなどを提供します。
  • 読みやすさ・生産性機能リーディングモード(Immersive Reader)リーディングリスト(コレクション機能)、PDF注釈・閲覧機能、音声読み上げなどがあり、コンテンツの整理や学習に便利です。
  • 拡張機能:Microsoft Storeの拡張に加え、Chromium移行後はChrome ウェブストアの拡張も利用可能になり、拡張の選択肢が大幅に増えました。
  • 同期:Microsoftアカウントや職場・学校アカウントを使って、お気に入り(ブックマーク)、パスワード、履歴、拡張機能、コレクション、設定などをデバイス間で同期できます。
  • 省リソース機能:スリーピングタブ(休止タブ)、スタートアップブースト、垂直タブなど、メモリやCPUの効率を高める機能を備えます。

対応OSと配布

ChromiumベースのEdgeは、Windows 7 / 8 / 8.1 / 10 / 11、macOS、Linux(限定的に)、およびモバイル(Android / iOS)向けに提供されています。Windows 10/11には標準で搭載され、Windows Updateを通じて定期的に更新されるため、セキュリティパッチや機能追加が配布されやすい点が特徴です。

企業向け機能と管理

企業環境では、グループポリシーやモバイルデバイス管理(MDM)を用いたポリシー管理、IEモードによるレガシー互換性、エンドポイントのセキュリティ統合などが提供され、既存の業務システムと共存しやすく設計されています。かつ自動更新やセキュリティ機能により運用負荷の軽減が図れます。

プライバシーとセキュリティの注意点

Edgeはセキュリティ機能を強化していますが、ブラウザとしての挙動にはデフォルト設定や同期の有無が影響します。トラッキング防止のレベルやCookie管理、送信される診断データの設定はユーザー側で調整可能です。企業での導入時は、プライバシーポリシーやログ収集の設定を確認するとよいでしょう。

市場シェアと採用状況

登場以来、EdgeはWindows標準ブラウザとして幅広く配布されていますが、市場シェアは長らく競合のChromeやSafariに劣る時期がありました。Chromiumベースへの移行以降は互換性と拡張性が向上し、デスクトップブラウザ市場で一定のシェアを確保しています(デスクトップ分野では数パーセント〜10%前後と推定されることが多い)。地域や調査元によって数値は変動します。

まとめと選び方のポイント

Microsoft Edgeは、Windowsと親和性が高く、企業・個人両方で使いやすい機能を備えています。既存のWindows環境と統合して使いたい、IEベースのレガシーサイトを残したい、あるいはChromium互換の拡張を利用しつつMicrosoftのセキュリティ機能を活かしたい場合に特に適します。反対に、完全にGoogle製エコシステムから離れて軽量なブラウザを求める場合は別の選択肢を検討することもあります。

(注)本記事の内容はリリースやアップデートにより変わることがあります。最新の詳細は公式の情報や最新版のリリースノートを確認してください。