ミドルC(中音C・C4)とは|ピアノの位置・楽譜表記・周波数
ミドルC(中音C/C4)の位置・楽譜表記・周波数(262Hz)を図解でわかりやすく解説。ピアノ初心者や声楽にも役立つ実践的な基礎ガイド。
ミドルCとは、ピアノの鍵盤の真ん中にあるC音符に付けられた名前です。実際には鍵盤の物理的な“ちょうど真ん中”の鍵とは完全に一致しないことがありますが、88鍵ピアノの音域におけるCの中で中央に最も近い音です。英語では「Middle C」、科学的な音名では C4 と呼ばれます。
鍵盤上の位置と見つけ方
ミドルCは鍵盤のほぼ中央付近にあります。黒鍵の並び(2つの黒鍵と3つの黒鍵)を目安に、2つの黒鍵の左側の白鍵がCです。演奏者が座ったとき、ピアノの中央に近い位置に来るため、初心者の指の出発点として教わることが多いです。ただし、ピアノの機種や製造によっては鍵盤の「真ん中」の位置が多少ずれることがあります。
楽譜での表記
楽譜でミドルCを書くとき、右手で使うことの多い高音部(トレブル=高音部記号)では、五線譜のすぐ下に1本の補助線(レジャーライン)を引いて音符を表します。低音部(バス=低音部記号)では逆に五線譜のすぐ上に1本の補助線で表されます。グランドスタッフ(ト音記号とヘ音記号が重なった譜表)では、2つの五線の間、中央の補助線上に位置することが多く、左右の手の境目を示す目安にもなります。下の譜例の最初と最後の音符に示されているように、ミドルCは五線の外側の延長線上に書かれます(俗に「帳面上にある」と表現されることもあります)。
音名と表記の違い
ピアノではミドルCキーはC4です。これは科学的ピッチ表記(Scientific Pitch Notation)による呼称です。ほかにも、ヘルムホルツ記法では c′(c プライム)と表され、日本語の固定ド(ハ音)では「中央ハ音」と呼ばれることもあります。MIDIではミドルCは番号60に対応します。
周波数
中Cの振動数は標準の平均律・基準音A4=440Hzの条件下で約 261.63 Hz(正確には約261.625565 Hz)です。実務上は便宜的に「約262Hz」と丸められることもありますが、正確な値は調律法や基準ピッチによってわずかに変わります。
楽器や声での位置づけ・教育上の注意
ミドルCは多くの楽器や声の基準点として使われます。たとえば、フルートの一番低い通常の音はミドルC(C4)です。声域では、子供や女性(ソプラノやアルト)にとっては比較的低めに感じられ、一般的な男性の声域(テノールやバス)にとっては比較的高めの音になります。
教育的には、初心者に対して「右手だけで白鍵を使えばCから始めて5音(C→D→E→F→G)で弾ける」ことから、ミドルCを基点にした教材が多く作られています。このため、幼い学習者が「すべての曲はミドルCから始まる」と誤解することがある点は注意が必要です。ピアノで正しい座り方や手の位置を教えるときは、ミドルCの位置を基準に左右の手の範囲を示すと分かりやすいです。
まとめ
- ミドルC=C4(約261.63Hz、ヘルムホルツ記法では c′、MIDI番号60)
- 楽譜ではト音記号では五線の下の補助線、ヘ音記号では上の補助線に書かれる
- 鍵盤上では黒鍵の2つ並ぶグループの左側の白鍵がC。ミドルCは鍵盤中央付近に位置する
- 教育上の基準点になりやすいが、全ての曲がミドルCを基準にするわけではない

88鍵盤でのミドルCの位置

高音部、アルト部、テナー部、低音部で書かれたミドルハ
質問と回答
Q:ミドルCとは何ですか?
A: Middle Cとは、ピアノの鍵盤の真ん中にあるCという音符のことです。
Q:ミドルCは、実際にピアノの鍵盤の真ん中の音なのですか?
A:いいえ、実際には鍵盤の真ん中の音ではありませんが、非常に近い音です。
Q: 高音部記号を使用する場合、Middle Cはどのように表記するのですか?
A: 高音部記号を使用する場合、Middle Cは五線譜のすぐ下にあります。
Q:低音部記号を使用する場合、Middle Cはどのように表記するのですか?
A: 低音部記号を使用する場合、Middle Cは五線譜のすぐ上にあります。
Q: Middle Cはピアノの鍵盤のどこにあるのですか?
A:ピアノの鍵盤では、Middle CはC4鍵盤の上にあります。
Q: なぜ多くのピアノ教本は、最も簡単な曲をMiddle Cから始めるのですか?
A: ほとんどのピアノ教本では、最も簡単な曲はミドルCから始まりますが、これは右手が白符だけで5音(CからG)の曲を演奏できることと、楽譜上でミドルCを認識しやすいためです。
Q: ピアノを習っている幼い子供たちが、ミドルCで困ることは何でしょうか?
A: ピアノを習っている子供がミドルCを弾くときの問題点として、鍵盤のどこからでも弾けるのに、すべての曲がミドルCから始まると思ってしまうことが挙げられます。
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