モグ(ジュディス・カー): 絵本シリーズの猫主人公と最終作『さよなら、モグ』
ジュディス・カー作絵本シリーズの愛猫モグと最終作『さよなら、モグ』を紹介。子ども向けの温かい物語とペットの死を描く感動の結末を解説。
モグは、子供向けの本のシリーズの主人公です。作者はJudith Kerr(ジュディス・カー)。シリーズは短く親しみやすい文と柔らかな挿絵で、家庭の日常や小さな騒動を描いており、モグはトーマス夫妻(モグの飼い主)とその子供たちニッキーとデビーにとても愛されていました。物語の多くは読み聞かせに適した構成で、モグが新しい登場人物や出来事に巻き込まれて“大変な目”にあうコミカルな展開を通して、子どもたちに安心感や共感を与えます。カー自身が自ら挿絵も手がけることで、言葉と絵が一体となった親しみやすい世界が作られています。
シリーズの特徴と影響
特徴としては、短い章立てと繰り返しのある語り口、日常の小さな出来事をユーモラスに描く点が挙げられます。挿絵はやわらかい線と穏やかな色調で、登場人物の表情や家の雰囲気を丁寧に示します。こうした作りは、幼児への読み聞かせや初期の自立読書に適しており、多くの家庭や保育現場で親しまれてきました。
影響として、モグの本はペットとの暮らしや家族の時間、日常の小さな事件を通じて子どもの社会性や共感力を育てる教材としても扱われることが多く、児童文学の古典的存在として評価されています。
最終作『さよなら、モグ』について
モグは最終作『さよなら、モグ』で老衰で亡くなり、天国へ行く。2002年に出版されました。本作は読み聞かせを始めたばかりの幼児向けの物語でありながら、ペットの死というセンシティブなテーマを率直かつやさしく扱っています。物語は悲しみだけでなく、家族がモグの思い出を大切にする姿や、別れを通じて成長する子どもたちの気持ちに寄り添う描写を含んでいます。
カーはこの作品について、「モグを殺すことよりも、むしろ、死ぬことについて何かすること、そして、記憶されることが重要だったのだと思う」と語っています。多くの保護者や教育者は、本書を通じて子どもに「死」について説明したり、グリーフ(喪失)に向き合うきっかけとして利用してきました。一方で、児童書の登場人物が死ぬという扱いに対して当初は驚きや議論もありましたが、現在ではその誠実で穏やかな描写が高く評価されています。
作者について(簡単な紹介)
ジュディス・カーは作家・画家として長年にわたり児童文学に貢献してきました。代表作には『The Tiger Who Came to Tea』(『おちゃにきたとら』など訳書あり)やモグシリーズがあり、家庭的で温かみのある作風が特徴です。生涯を通じて多くの子どもたちに親しまれる作品を残しました。
読みどころ・利用のヒント
- 読み聞かせでは、感情の起伏や表情の変化を声で表現すると子どもが入り込みやすくなります。
- 「別れ」や「思い出」について話すきっかけとして本作を使い、子どもの疑問や感情に寄り添って対話することが有効です。
- 挿絵を見ながら登場人物の気持ちや場面の変化を一緒に読み取ると、共感力を育てる助けになります。
チャリティーのための新しい本
2015年11月、スーパーマーケット「セインズベリー」の2015年クリスマス動画広告で、モグがCGIキャラクターとして復活しました。モグのクリスマス・カラミティ』では、モグが悪い夢を見た後、誤って家に火事を起こしてしまいます。彼女は電話の向こうを走って緊急番号をダイヤルして消防士を呼び、家族を救います。飼い主を救ったモグは、ヒーローになり、その後、ご褒美に卵をもらいます。Sainsbury'sでは、モグのぬいぐるみと本が販売され、その利益はすべてSave the Childrenの児童識字活動へ寄付されました。
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