モナリザ(別名:ラ・ジョコンダ、ラ・ジョコンド)は、ルネッサンス期にイタリアのフィレンツェでレオナルド・ダ・ヴィンチによって油彩で描かれた16世紀の肖像画である。モナリザの笑顔は神秘的だと思う人が多い。それは非常に頻繁に研究され、認識され、コピーされているので、それは最も有名な絵画の一つである。ルーヴル美術館によると、モナリザの絵を見に来る来館者は非常に多く、「約80%」もの人々が鑑賞目的で訪れるとされる。
作品の基本情報
技法・支持体:油彩(オイル)で描かれており、支持体はポプラ材(木製パネル)とされています。レオナルドが得意とした、柔らかい境界をつくるスフマート(sfumato)という技法を用い、薄い絵具の重ね塗りと透明なグレーズで微妙な色調の移行を実現しています。
大きさ:縦77 cm、横53 cm(およそ)。
モデル(身元)と起源
伝統的には、画面の女性はリサ・ゲラルディーニ(Lisa Gherardini)、すなわちフランチェスコ・デル・ジョコンドの妻であるリサ・デル・ジョコンドと同一視されてきました。これはレオナルドの最初の伝記師であるジョルジョ・ヴァザーリが伝えた説に基づきます。さらに、2008年に写本の専門家アルミン・シュレッヒター博士がハイデルベルク大学図書館で発見したメモ(フィレンツェ市職員アゴスティーノ・ヴェスプッチのもの)が、ヴァザーリの記述を裏付ける証拠として注目されました。リサはフィレンツェに住んでいた金持ちの絹商人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻でした。
しかし、決定的な一次資料が乏しいことから、モデルに関する代替説も存在します。例として、レオナルドの母カテリーナをモデルとする説、あるいはレオナルド自身のある時期の似顔(女性化した自画像)であるという説などが挙げられます。いずれの説も学界で議論が続いています。
制作年代と経緯(来歴)
レオナルドは1503年から1504年ごろにイタリアのフィレンツェでモナリザの制作を始めたと考えられています。ヴァザーリは「4年の歳月をかけて描いた後、未完成のまま放置した」と記していますが、レオナルド自身は細部を長期間にわたって手直しした可能性が高く、最終的に作品を完成させたのは1510年代にかけてと見る研究者もいます。1516年にレオナルドはこの作品をフランスに持ち込み、フランスのフランチェスコ1世(フランソワ1世)に買い上げられました。
その後の来歴は以下のとおりです。かつてはフォンテーヌブロー城に掛けられ、のちにヴェルサイユ宮殿に移されました。フランス革命の後、フランスのナポレオン1世がチュイルリー宮殿の寝室に展示したことが記録されています。最終的に作品はルーヴル美術館に収蔵され、現在でも同館で常設展示されています。
構図と技法の特徴
モナリザは腕組みをせず、やや体を向けた三分の二像(3/4肖像)で描かれています。背景には蜿蜒(えんえん)とした川や架橋、遠景の山岳が描かれ、空気遠近法(大気遠近)が用いられているため奥行き感が強調されています。顔や手の輪郭は明確な輪郭線で描かれているわけではなく、微細な色調のグラデーションで境界をぼかすスフマートの効果により、柔らかく生き生きとした表情が生まれています。
また、まぶたや眉があいまいに見える点については、元来の描法かその後の清掃や経年変化によるものかについて議論があります。近年の赤外線やX線解析で下描き(アンダードローイング)や描き直し(ペンティメント)が検出され、制作過程の複雑さが明らかになっています。
「微笑」の謎
モナリザの微笑みは視点や光、見る側の視覚処理によって印象が変わることで知られています。近年の視覚科学の研究では、顔の低周波成分(ぼんやりした部分)と高周波成分(輪郭や細部)を脳が別々に処理するため、視線の位置や照明条件で笑顔が「消えたり現れたり」する効果が生じると説明されています。これはレオナルドのスフマート技法が与える錯覚的な効果とも深く関わっています。
保存・損傷・事件
モナリザは長年にわたり高い注目を浴びたため、数回の損傷や事件に遭っています。20世紀初頭の1911年にはイタリア人職人のヴィンチェンツォ・ペルッジャが盗み出すという有名な事件が起き、約2年間イタリアに隠されていたのち1913年に発見・返還されました。この盗難事件が作品の国際的な知名度をさらに高めました。
1956年には酸の投げつけや石の投擲などの被害があり、一部に損傷が生じました。以降、絵は強化された保護措置がとられ、最終的に展示は強化ガラス(防弾ガラス)越しに行われるようになりました。2000年代以降は気候制御されたケース内で管理され、温度・湿度・照明が厳密に制御されています。また来館者の安全・展示保護のためのモニタリングも強化されています。
科学的調査と修復
近年は赤外線反射撮影、X線、マルチスペクトルイメージング、ピグメント分析(XRF)などの非破壊検査により、下描きや層構成、顔料の組成などが詳細に調査されています。これらの分析により、レオナルドが何度も描き直しを行い、細部を繰り返し修正していたこと、また透明なグレーズの重ね塗りで肌の微妙な光沢を表現したことが示されています。
文化的影響と来館情報
モナリザは美術史上だけでなく大衆文化においても極めて大きな影響力を持ち、無数の模写、パロディ、広告、映画や文学作品への引用を生み出しました。その普遍的な魅力と謎めいた微笑みは、美とは何か、肖像とは何かを問い続ける象徴となっています。
現在、モナリザはルーヴル美術館に所蔵・展示されています。来館の際は混雑が予想されるため、公式情報や入場案内を事前に確認するとよいでしょう。なお、作品保護のため撮影や接近のルールが設けられていることが多い点に注意してください。
まとめ
- 作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 制作地:フィレンツェ(イタリア)
- 制作年代:おおむね1503〜1510年代(制作開始は1503–1504年頃)
- 支持体・技法:ポプラ材パネル、油彩、スフマートなど
- 現所蔵:ルーヴル美術館(パリ)
モナリザは、技術的な完成度、制作過程の複雑さ、長年にわたる来歴と事件、そして何より見る人ごとに変化する表情によって、今なお世界中の人々を惹きつけ続けています。

