モノスキーとは?パラアルペンスキー用障害者そりの定義・特徴・歴史
モノスキーとは?パラアルペンスキー用障害者そりの定義・特徴・歴史を基礎から機能や進化まで分かりやすく解説。乗り方や安全対策も紹介。
定義と用途
モノスキーとは、下半身不随、二分脊椎、筋ジストロフィー、脳性麻痺のスキーヤーが使用するそりのことです。モノスキーはパラアルペンスキーでのみ使用され、座った姿勢でアルペン競技を行うための専用器具です。モノスキーを使用する人は、転倒を防ぐためにバランス感覚や体幹のコントロールが求められます。モノスキーは、椅子にスキーが1本付いていますが、見た目以上に滑走性能と調整機構を備えています。
構造と主な特徴
- シート(バケットシート):体を安定させるための成形シートで、固定ベルトやサポートパッドが付くことが多い。個々の体型に合わせたカスタムフィッティングも行われます。
- スキー本体:1本のスキー(モノスキー)にシートが取り付けられます。サスペンションやショックアブソーバーを備え、衝撃吸収と安定性を高めます。
- アウトリガー(アウターグ):前腕支持付きの小さなスキーで、バランス取りとターン操作、ブレーキに使用します。立って滑る場合のストックに相当します。
- 昇降・乗降の補助:油圧リフトやスリング、乗降アシスト機構が用意されていることが多く、これによりスキーヤーはモノスキーに簡単に乗り降りできます。
- 安全装置:シートベルト、ヘルメット、カント調整(脚側の角度調整)などで安全性と操作性を高めます。
技術と滑り方
モノスキーの操作は、立って滑るスキーに近い感覚で行えます。アウトリガーを使ってのエッジング、体重移動によるターン、スピードコントロールを学ぶことで、斜面に応じた滑走が可能になります。バランスや体幹のコントロールが重要で、初心者はインストラクターによる指導を受けることが推奨されます。
歴史と発展
モノスキーは形や材料の進化を経て、競技用・レジャー用ともに発展してきました。1980年代に入ってから器具の普及と並び、競技としての整備が進み、アメリカで1985年ごろには一般的に使われるようになったという記録もあります。それ以来、軽量で強度の高いカーボンやアルミ合金、改良されたサスペンションの導入により、操作性と安全性が向上しました。
競技と分類(パラリンピック等)
国際大会やパラリンピックでは、モノスキー(座位クラス)は専用の競技カテゴリに分類され、身体機能に応じたクラス分け(例:LW10〜LW12など)に基づいて競技が行われます。競技規則や分類基準は国際パラリンピック委員会(IPC)や各競技団体によって定められています。
安全・メンテナンス・施設対応
- 乗降の際は油圧リフトやスリング、施設のバリアフリー対応が重要です。多くのスキー場がアダプティブスキー用の設備やスタッフを整えています。
- 定期的な点検(シート固定部、サスペンション、スキーエッジの状態など)と消耗部品の交換が安全な滑走には不可欠です。
- 初心者は経験あるインストラクターの下で基礎を学び、段階的に斜面の難易度を上げることが望ましいです。
モノスキーを検討する際のポイント
- 身体の機能やバランス能力に合わせて、モノスキーか二本のスキーを用いる“バイスキー(ビスキー)”のどちらが適切かを判断する。
- カスタムフィッティングやショック吸収性能、アウトリガーの形状など、用途に合った装備を選ぶ。
- 試乗やレンタルで実際の操作感を確かめ、必要ならば専門スタッフに相談する。
モノスキーは、適切な器具とサポートがあれば、障がいのある方でもアルペンスキーを安全に楽しみ、競技することを可能にする重要なアダプティブ機器です。
モノスキーを使用するスペイン人スキーヤーNathalie Carpanendo氏
モノスキーを使用するドイツ人スキーヤーAnna Schaffelhuber氏
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