南京城壁とは|保存延長25.1km・明代に築かれた世界最長の古城壁
明代に築かれ、保存延長25.1kmで世界最長を誇る南京城壁の歴史・構造・門・見どころを豊富な写真で詳解。
南京城壁は、中国・南京市の城壁です。その大部分は、南京が中国の首都であった明代初期に作られました。現在一般に「南京城壁」と呼ばれるのは、主に保存状態の良い首都城壁部分を指し、その総保存延長は25.1kmにのぼります。世界で最も長く、大きく、保存状態の良い古城壁の一つと評価されています。
概要と歴史
現在見られる城壁は、1366年に工事が着手され、1393年(明の洪武26年)に完成するまで、合計で27年の歳月をかけて築かれました。建設には各地から大規模な人員と物資が動員され、記録では約28万人の出稼ぎ労働者が関わり、約3億5千万個の都市用煉瓦(城磚)が使用されたと伝えられています。
城壁の構成と構造
南京城壁は伝統的な「景行天府四城壁」のパターンを踏襲し、皇城(皇帝の居所を囲む城)・帝城・都城・外城の四重構造を基本にしています。実際に残る城壁は主に首都城壁(都城)で、都市の防衛と行政の中枢を兼ねました。
構造面では、外側を煉瓦で覆い、内部に夯土(たたき土)や石材を積んで堅牢に仕上げるという当時の伝統的工法が用いられています。城壁の高さや幅は場所によって差があり、所によっては十数メートルの高さがある箇所も見られます。城頂部は歩行可能な幅を持ち、戦時には兵員の移動や防衛設備の配置に使われました。
門と主な見どころ
城壁には多くの門が設けられ、そのうち代表的なものには次のものがあります。
- 中国門(中華門)— 南京城の南側に位置する大規模な門で、複雑な敵進入防止構造(馬面・城壕・箭楼など)を備えています。
- 中山門 — 城の重要な出入口の一つで、周辺は復元や保存が進み観光スポットにもなっています。
- 玄武門 — 玄武湖に近接する門で、城壁と自然景観が結びつく箇所です。
文化的価値と保存状況
南京城壁は明代の都市計画・土木技術を伝える貴重な文化遺産であり、歴史的・学術的価値が高く評価されています。近代以降の都市開発や戦火で一部が失われたり破壊された区域もありますが、現在では保存・修復が進められ、多くの区間が市民や観光客に開放されています。保存長25.1kmという数値は、現存する城壁の連続保存距離として重要な指標です。
訪問のポイント
- 保存状態の良い区間は徒歩で巡ることができ、城壁上から南京市街や周囲の景観を眺められます。
- 中国門周辺や中山門周辺は観光整備が進んでおり、城壁博物館や解説パネルで歴史を学べます。
- 城壁の煉瓦には当時の刻印や焼き印が残ることがあり、専門的な観察・撮影対象としても人気です。
まとめ
南京城壁は、明代の首都である南京を守るために築かれた大規模な城郭で、建設には膨大な人手と資材が動員されました。現在も長大な保存区間が残り、歴史・建築・都市史の観点から非常に重要な遺産です。訪れることで中国の古代城郭技術と明代の都市づくりの一端を体感できます。
質問と回答
Q:南京城壁とは何ですか?
A:南京城壁は、中国・南京にある城壁です。
Q: 城壁の大部分はいつ作られたのですか?
A:南京が首都であった明の時代初期に作られました。
Q:景清天府四城壁とはどのようなものですか?
A:景清天府四城壁文は、4つの壁で構成されたシステムです。帝都、皇城、都城、外城という4つの城壁で構成されています。
Q:現在、最も一般的に南京城壁と呼ばれているのは、この4つの城壁のうちどれでしょうか?
A:世界で最も長く、大きく、保存状態の良い古い城壁である都城の城壁が、現在最も一般的に南京の城壁と呼ばれています。
Q:城壁はいつ、どれくらいの期間をかけて作られたのですか?
A:1366年(元から鄭まで26年)に建設され、1393年(明から洪武まで26年)に完成し、合計27年かけて建設されました。
Q: 城壁の建設にはどれくらいの人が関わり、どんな材料が使われたのでしょうか?
A: 総勢28万人の出稼ぎ労働者が城壁の建設に携わり、約3億5000万個の都市レンガが使われました。
Q: 城壁に含まれる門にはどのようなものがありますか?
A:中国門、中山門、玄武門があります。
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