全米知事協会(NGA)とは|1908年創設・米国50州と準州の知事を代表

全米知事協会(NGA)とは?1908年設立、米50州と5準州の知事を代表し、州と連邦の政策連携や天然資源管理を推進するリーダー組織。

著者: Leandro Alegsa

全米知事協会NGA)は、州政府の知事を代表して連邦政府や民間セクターと連携・協議を行う主要な場です。1908年に全国知事会議(Conference of Governors)として創設され、以来、米国の連邦制における州の役割を強化するための政策提言、情報交換、能力構築を行ってきました。NGAは、米国50州と5つの準州(米領サモア、グアム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、米領ヴァージン諸島)の知事を代表しています。

NGAは、州政府と連邦政府との間の重要な公共政策のリエゾン(連絡役)として機能しており、州側の視点を政策決定過程に反映させる役割を担っています。党派を越えた(超党派)協力を基本とし、知事相互の学び合いやベストプラクティスの共有、緊急時の連携支援など多角的な活動を行っています。

歴史と位置づけ

1908年の創設以来、NGAは州知事の政策調整・意見表明のプラットフォームとして発展してきました。本部はワシントンD.C.にあり、州政府と連邦政府、さらには州間・国際的な協力の窓口として機能しています。

組織と会員

  • 会員は50州と上記5準州の知事で、任期中の知事が参加します。
  • 運営は会長(知事の中から選出)、副会長、執行委員会などの選出代表と常勤の事務局スタッフで構成されます。
  • NGA内には政策研究や実務支援を専門とする組織(例:NGA Center for Best Practices)もあり、各州が直面する課題に対する実践的な支援を提供します。

主な活動と役割

  • 政策提言:州の視点を踏まえた連邦政策への提言や法案の検討、モデル条項の提示。
  • 研究・情報提供:各種政策分野の調査報告書やベストプラクティスの公開。
  • 州間協力の促進:教育、保健、経済開発、インフラなどの分野での共同プロジェクトやパイロット事業の支援。
  • 連邦・州の調整:連邦機関との対話や交渉を通じて、州の権限や資源配分に関する課題を調整。
  • 緊急対応・危機管理:自然災害や公衆衛生危機における州間連携や連邦支援の調整。
  • 研修・ネットワーキング:知事や州職員向けの会議、ワークショップ、専門家交流の場を提供。

取り組む政策分野(例)

  • 経済・雇用政策、労働力育成
  • 教育改革と生涯学習
  • 保健医療制度、公衆衛生、メディケイド(州の健康保険制度)関連
  • 気候変動対策、エネルギー政策、天然資源管理
  • インフラ整備、ブロードバンド普及、交通政策
  • 刑事司法改革、公民安全
  • 財政政策、歳入・歳出管理

会議・公開イベント

NGAは年次総会や専門委員会の会合を定期的に開催し、知事同士の討議や政策決定を行います。これらの会議は政策課題の優先順位を決める場であり、連邦政府や学界、民間セクターとの対話も行われます。

資金と運営

NGAの運営資金は会員州からの拠出、助成金、協働プロジェクトや協賛による収入などで賄われています。政策研究や技術支援を行う部門は外部助成や契約研究により追加資金を得ることもあります。

国際的役割と連携

国内の州間連携が中心ですが、他国の地方政府や国際機関との情報交換・協力も行います。気候対策や経済協力、災害対応など国境を越える課題に関して、州レベルの知見を国際的にも共有する役割を果たしています。

近年の重点課題

  • パンデミック対応と公衆衛生体制の強化
  • 気候変動への適応・レジリエンス強化
  • インフラ再整備とデジタル格差解消(ブロードバンド普及等)
  • 州財政の持続可能性と経済回復策

参考と連絡

詳細な活動報告や最新の政策提言はNGAの公式発表や報告書で公開されています。各州の知事事務所やNGA事務局を通じて連携・問い合わせを行うことが可能です。

全米知事協会からの質問に答えるバラク・オバマ大統領(2010年2月22日、ホワイトハウスのステート・ダイニング・ルームにて)。Zoom
全米知事協会からの質問に答えるバラク・オバマ大統領(2010年2月22日、ホワイトハウスのステート・ダイニング・ルームにて)。



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