ニジニ・ノヴゴロドとは ロシアのヴォルガ地方の州都 旧名ゴーリキーの歴史と概要
また、ノヴゴロドを名前に持つヴェリキイ・ノヴゴロドという町もある。
ニジニ・ノヴゴロド(ロシア語:Ни́жний Но́вгород、略称:ニジニ)は、ロシアで4番目に大きな都市で、モスクワ、サンクトペテルブルク、ノボシビルスクに次ぐ規模を持ちます。ヴォルガ川とオカ川の合流点に位置し、広域の交通・商業の要所であると同時に、ニジニ・ノヴゴロド州(旧ゴーリキー州)の州都、そしてヴォルガ連邦管区の重要な行政・経済拠点です。2002年の人口は1,311,252人、1989年の人口は1,438,133人で、2010年の国勢調査では約1,250,600人と報告されています(人口は時期により変動します)。
歴史の概略
ニジニ・ノヴゴロドは1221年に建設され、中世から交易都市として発展しました。16世紀には要塞としての役割を果たすクレムリン(城塞)が築かれ、地域の防衛と統治の中心となりました。19世紀には全国的に重要な交易市<ニジニ・ノヴゴロド見本市(旧マカリィエフ市)>が開かれ、商業都市として大いに繁栄しました。
20世紀に入ると工業化が進み、1932年にはソ連を代表する工場群が集積するようになったことから、当時の体制は作家マキシム・ゴーリキーにちなんでゴーリキー(ロシア語:Го́рький)と市名を改めました。1990年に歴史的な名称である「ニジニ・ノヴゴロド」に復称されました。
地理と気候
市はヴォルガ川とオカ川の合流点に位置し、丘陵地帯と河岸の景観が特徴です。気候は大陸性で、冬は寒く降雪が多く、夏は比較的短くて温暖です。河川交通が長年にわたって都市の発展を支えてきました。
経済と産業
- 重工業・機械工業:自動車(旧Gorky Automobile Plant=GAZに代表される)や機械製造、造船、エンジン・設備製造などが発達しています。
- 化学・軽工業:化学製品や繊維・食品加工など多様な産業が存在します。
- 商業・展示:歴史的な見本市の伝統を受け継ぎ、現代でも見本市・展示会や卸売業が活発です。
- 情報技術・サービス:近年はITやサービス産業、教育・研究機関の集積も進んでいます。
文化・観光
ニジニ・ノヴゴロドは歴史的建造物や博物館、劇場が多く、観光地としても知られます。主な見どころとしては:
- ニジニ・ノヴゴロド・クレムリン:16世紀に築かれた城塞で、市を象徴する史跡。
- チャーカロフ階段(大階段):河岸へ下りる長大な階段で、眺望スポットとして人気があります。
- ボリシャヤ・ポクロフスカヤ通り:歩行者天国の通りで、カフェや店舗、歴史的建物が並びます。
- 美術館・博物館やマキシム・ゴーリキーに関する記念館:作家にちなんだ史料や展示もあります。
交通
都市は鉄道・道路・河川・航空の各方面で結ばれており、州内外へのアクセスが良好です。地下鉄(ニジニ・ノヴゴロド地下鉄)や路面電車・バス網が市内交通を支え、ストリギノ国際空港(Strigino)から国内外の空路にも接続しています。また、ヴォルガ川を利用した水運も重要です。
教育・研究
大学や研究機関が多く、工学系・自然科学系の教育研究が盛んです。これにより高度人材の育成と地域産業の技術革新が促進されています。
まとめ
ニジニ・ノヴゴロドは長い歴史と豊かな交易・工業の伝統を持つロシア有数の都市です。クレムリンや歴史的通り、産業遺産と現代の産業・文化が共存しており、地域経済の中核として今も重要な役割を担っています。


ニジニ・ノヴゴロド自治行政区


紋章


ニジニ・ノヴゴロド州の旗