"No Tears Left to Cry"(小文字で表記)は、アメリカの歌手アリアナ・グランデの楽曲である。彼女の4枚目のスタジオ・アルバム『Sweetener』からのリード・シングルで、2018年4月20日に楽曲とそのミュージックビデオが同時公開された。楽曲は悲しみや喪失の後に前を向くこと、希望と回復力を歌った内容で、リリース当時の背景として前年に起きたマンチェスター・アリーナ襲撃事件への反応や癒しのメッセージとして受け取られることが多かった。
作詞・制作と音楽的特徴
制作には長年グランデとタッグを組むプロデューサー/ソングライター陣が参加しており、主なクレジットにはアリアナ・グランデ自身のほか、Savan Kotecha、Max Martin、Ilya Salmanzadeh といった名前が挙がる。サウンドはミッドテンポのダンス・ポップを基調に、R&BやUKガラージ、ディスコ的な要素を取り入れたクロスオーバーなプロダクションで、グランデの柔軟なボーカルと多層コーラスが特徴的である。歌詞は「もう涙は残っていない(No Tears Left to Cry)」というフレーズを軸に、再起と希望を象徴的に表現している。
ミュージックビデオ
ミュージックビデオは著名な監督が手掛け、重力を無視したような上下反転の映像や、歪んだ街並みを駆け抜けるような視覚効果が印象的な作品となっている。全体としてはポジティブで解放感のあるビジュアルになっており、歌詞のテーマとリンクした「前向きさ」を強調している。公開後は高い再生回数を記録し、映像美や演出も批評家やファンから称賛を受けた。
チャートと商業的成功
この曲は世界各国で商業的に成功を収め、オーストラリアではARIAシングル・チャートのトップにランクインした。イギリスでは2位、彼女の母国アメリカではBillboard Hot 100で3位に到達している。この記録により、彼女は4枚のアルバムからの最初のシングルがHot 100のトップ10に入った最初のアーティストとなった。さらに多くの国でトップ10入りし、ストリーミングおよび販売でも高い数字を残した。
評価・受賞・ライブでの披露
批評家からは、楽曲の洗練されたプロダクションとグランデのボーカル表現が高く評価された。発売後は各種音楽賞でのノミネート対象となり、例えばグラミー賞の主要部門の一つにもノミネートされた実績がある。またリリース後はテレビ番組や音楽イベントで頻繁にパフォーマンスされ、ライブでも楽曲のエモーショナルな魅力を伝えている。
総じて、"No Tears Left to Cry"はアリアナ・グランデのキャリアにおける重要なシングルの一つとされ、商業的成功と批評的支持の双方を獲得した作品である。