北キヴ州(コンゴ民主共和国)ゴマ・ヴィルンガ国立公園とマウンテンゴリラ
North Kivuは、コンゴ民主共和国東部に位置する州で、州都はゴマである。湖岸部はキヴ湖に面し、周辺の国境はルワンダやウガンダと接している。気候は熱帯雨林と山岳気候が混在し、フランス語や現地語(スワヒリ語など)が日常的に使われている。なお、治安や交通状況は地域によって大きく異なるため、訪問時には最新情報の確認が必要である。
北キヴは1989年に既存のキヴ州が分割されて誕生したもので、分割後は南キヴ、北キヴ、マニエマの3つの州に分かれている。
北キヴ州には主要な都市としてゴマのほかにブテンボ、ベニなどがあり、行政区画としては複数の準州(territories)に分かれている。代表的な準州には次のものがある:
- ベニ
- ルベロ(Lubero)
- マシシ(Masisi)
- ルトシュル(Rutshuru)
- ニラゴンゴ(Nyiragongo)
- ワリカレ(Walikale)
ヴィルンガ国立公園とマウンテンゴリラ
北キヴには、絶滅の危機に瀕したマウンテンゴリラが生息する世界遺産「ヴィルンガ国立公園」が一部含まれている。ヴィルンガ国立公園はアフリカでも最も古い国立公園の一つで、多様な生態系(低地の熱帯雨林から高山帯まで)を擁し、希少な動植物の生息地として国際的に重要視されている。
園内には活火山の一つであるニラゴンゴ火山があり、その噴火活動は周辺の集落やゴマ市に影響を及ぼすことがある。火山活動や密猟、違法な資源採取、武装勢力による干渉などが保全の大きな課題であり、現地の保護レンジャーや国際的な保護団体が保護活動と監視に取り組んでいる。
マウンテンゴリラの観察(トレッキング)は地域の重要なエコツーリズムとなっており、適切な管理のもとで保護と地域経済の利益を両立させることが目指されている。訪問を計画する場合は、入園許可やガイドの手配、現地の安全情報を事前に確認し、地域のルール(距離の確保、マスク着用など疾病対策)を遵守することが必要である。
まとめると、北キヴ州は豊かな自然と重要な保護区域を抱える一方で、火山活動や社会的・治安上の課題にも直面している地域である。訪問や研究、支援を行う際は、現地の自治体や国立公園管理当局(ICCNなど)、信頼できる現地パートナーと連携することが重要である。