目的語とは?文法での定義と直接・間接目的語の違いと例
目的語とは何かを文法的にわかりやすく解説。直接目的語と間接目的語の違いや使い分けを例文で丁寧に紹介、初心者にもおすすめ。
文法上の目的語とは、動作の対象となるもので、他動詞を伴う文の中で現れます。簡単に言えば、動詞の「何を」「誰に」にあたる成分で、動詞の後に続くことが多い文節の要素です。
猫が朝食を食べた。
彼女は彼を殴り、そしてここから出て行けと言った。
上の例はどちらも直接目的語(直接目的)を含む文です。直接目的語は動作の直接の対象(例:「何を?」に答える語)を示します。
犬はジェーンにリードを持ってきた。
私は息子に手紙を送りました。
これらは間接目的語(間接目的)を含む例です。間接目的語は「誰に」「誰へ」「誰から」など、受け手や利益関係を表します(「誰に?」に答える語)。上の文では「ジェーンに」「息子に」が間接目的語で、「リードを」「手紙を」が直接目的語です。
語順と表記(S/O/V ではなく S(主語)+(間接目的語)+直接目的語+動詞)
日本語の基本語順はS(主語)+O(目的語)+V(動詞)=SOVです。二つの目的語を持つ動詞(他動詞の中でも「与える」「送る」「教える」などの二項他動詞)の場合は、一般に「S + 間接目的語(受け手)+ 直接目的語(与えられるもの)+ V」の順になります。
- 例:私は(S) 息子に(間接目的語) 手紙を(直接目的語) 送りました(V)。
- 語順は比較的自由で、文脈や焦点によって目的語の位置を前に出すこともできますが、助詞(を・に・へなど)が目的語の役割を示します。
直接目的語と間接目的語の見分け方
- 質問で確かめる:何を? → 直接目的語(何を食べた? → 朝食を)/ 誰に? → 間接目的語(誰に送った? → 息子に)
- 助詞を見る:多くの場合、直接目的語は「を」で表され、間接目的語は「に」「へ」などで表されます(ただし例外あり)。
- 代名詞で置き換える:直接目的語は「それを」/間接目的語は「誰に(彼に、彼女に)」で置き換えられるか確認します。
他動詞と自動詞の違い
目的語が現れるかどうかは、動詞が他動詞か自動詞かによります。
- 他動詞:目的語を必要またはとる(例:ドアを開ける)。
- 自動詞:目的語をとらない(例:ドアが開く)。
同じ語根で他動詞/自動詞の対があるので(開ける/開く、落とす/落ちるなど)、目的語があるかどうで意味や構文が変わる点に注意してください。
間接目的語の助詞の違い(に と へ)
間接目的語に使われる代表的な助詞は「に」と「へ」です。
- に:受け手・到達点・結果の受領者を表します。例:友達に手紙を送った(受け取る相手が強調される)。
- へ:方向・到達点を表し、受け手というよりは「向かう先」を示します。例:友達へ手紙を送った(方向性を示す)。
目的語が省略される場合
日本語では文脈で目的語が明らかな場合、省略されることが多いです。たとえば「手紙を送りました」は「誰に(息子に)手紙を送ったか」が前文や状況で分かるなら十分通じます。
よくある混同と注意点
- は(話題提示)とを・に(目的語)の違い:「彼は本を読んだ」と「彼を本は読んだ」は意味が変わります。はは話題、を/に は文の文法的役割を示します。
- 動詞によって助詞が固定される場合:例えば「頼る」は「に頼る」、受け手を表す助詞が決まっています。動詞ごとにどの助詞を取るかを覚える必要があります。
- 二重目的語をとる動詞:「教える/渡す/送る/見せる/くれる/あげる/もらう」などは間接目的語と直接目的語の両方をとります(例:先生は学生に本を渡した)。
識別のための簡単なテスト
- 動詞に「何を?」と問うて答えられる語=直接目的語。
- 動詞に「誰に?」「誰へ?」と問うて答えられる語=間接目的語。
- どちらかが省略できるか試す(「私は手紙を送りました。」は成立する → 間接目的語は省略可能)。
まとめると、目的語は動作の対象を示す重要な要素で、直接目的語は「何を」、間接目的語は「誰に/誰へ」を表します。助詞(を・に・へ)や質問(何を?誰に?)で見分け、動詞の性質(他動詞/自動詞、二重目的語をとる動詞かどうか)に注意すると識別しやすくなります。なお、文法学者の間でも分類や用語の扱い方に差があり、ある要素を間接目的語と見るかどうかについて意見が分かれることがあります(たとえば「私は息子に手紙を出しました」の「息子に」をどう扱うかなど)。
質問と回答
Q: 文法におけるオブジェクトとは何ですか?
A: 文法における目的語とは、動作の対象であり、他動詞のあるあらゆる文に出現します。
Q:目的語は文のどこで発生するのですか?
A:目的語は、動詞に続く節で発生します。
Q: 直接目的語とは何ですか?
A:直接目的語は通常、「何を」「誰が」という質問に答えるもので、動詞の後に直接続きます。
Q: 間接目的語とは何ですか?
A: 間接目的語は、通常、「誰に/誰のために」または「何に/何のために」という質問に答えるもので、直接目的語の前に発生します。
Q: 直接目的語と間接目的語の両方がある文の構造はどうなっていますか?
A:これらの文の構造は、S=主語、V=動詞、O=目的語である(S/V/O/O)です。
Q: 間接目的語がなくても、文章は意味をなすことができるのでしょうか?
A:はい、"I sent a letter to my son. "の例のように、間接目的語がなくても完全に意味が通じる文もあります。
Q: "I sent my son a letter "という文では、"son "は間接目的語とみなされるのでしょうか?
A:"son "を間接目的語とみなす文法家もいれば、"letter "を省くことができない用語とみなす文法家もいます。
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