OpenOffice Baseとは:概要・機能・接続方法(HSQLDB/ODBC/JDBC)
OpenOffice Baseの概要と主要機能、HSQLDB基盤、ODBC/JDBCでの外部DB接続方法やフォーム・レポート作成までわかりやすく解説
OpenOffice Base は、OpenOffice バージョン 2.0 以降に組み込まれたデータベースモジュールで、デスクトップ向けのデータベース設計・クエリ実行・フォーム・レポート作成のためのGUIフロントエンドを提供します。現在の標準エンジンはJavaで実装された HSQLDB をベースにしており、単独の小〜中規模なデータ管理作業から、外部のフル機能 SQL データベースへの接続まで幅広く対応します。
概要と歴史的背景
HSQLDB の開発者によれば、OOo 2.0 に統合(マージ)された HSQLDB 1.8.0 のリリースは当初の目標のすべてを満たしておらず、実装の一部機能が未完成であることが示唆されていました。しかし実務上は、Base はローカル(埋め込み)データベースとしての利用や、外部 DB への GUI フロントエンドとして十分に利用できます。特に複数ユーザーや高負荷運用を行う場合は、外部の MySQL/PostgreSQL/Oracle 等を利用することが推奨されます。
主な機能
- テーブル定義・編集:GUI でフィールド定義やインデックスを作成・編集できます。
- クエリ(SQL/QBE):SQL ビューで直接クエリを実行できるほか、QBE(Query By Example)形式のビジュアルなクエリ作成が可能です。
- フォーム作成:ウィザードにより入力フォームや更新用ダイアログを作成できます。
- レポート作成:Base はバージョン2.3から、Pentaho ソフトウェアをベースにしたレポート作成機能を提供します(帳票出力・印刷用レイアウトの作成)。
- 外部 DB 接続:ODBC/JDBC ドライバ経由で MySQL、PostgreSQL、Oracle などに接続可能で、Base はこれらの DB の GUI フロントエンドとして機能します。
接続方法(HSQLDB/ODBC/JDBC)
Base は複数の接続モードを持ち、用途に合わせて選択できます。
- 埋め込み(HSQLDB)
- デフォルトで利用されるモード。データは個別の .odb ファイルの中に格納されるか、ローカルの埋め込みデータベースとして管理されます。
- 簡単に配布・バックアップできる一方で、同時アクセス(マルチユーザー)には向きません。
- JDBC 経由
- 外部のサーバ型 DB(PostgreSQL, MySQL, Oracle など)に直接接続。高い並列性と信頼性が必要な場合はこちらを推奨。
- 接続のためには該当 DB の JDBC ドライバ(.jar)を OpenOffice のクラスパスに追加し、データベース接続ウィザードで JDBC URL とドライバクラス名(例:org.postgresql.Driver)を指定します。
- ODBC 経由
- OS 側で設定した ODBC DSN を利用して接続します。Windows 環境で古くから使われている手法で、JDBC ドライバが入手困難な場合の代替手段になります。
- 事前に OS の ODBC 管理ツールで DSN を作成しておく必要があります。
レポートとフォーム
- フォームウィザード:ウィザードに沿ってフィールドの配置、リレーション、入力チェックなどを設定でき、入力用の GUI ダイアログを容易に作成できます。
- レポート作成:Base は Pentaho ベースのレポート作成機能を組み込み、一覧表や集計表の印刷レイアウトを作成できます。高度な帳票が必要な場合は、専用のレポートツール(Pentaho Report Designer など)との併用も可能です。
利点と制限
- 利点
- 無料(オープンソース)であり、デスクトップ環境に統合された DB 管理ツールが手軽に使える。
- 埋め込みモードは配布・移行が容易。
- 外部 DB への接続機能により、既存データ資産をそのまま利用可能。
- 制限
- 埋め込みの HSQLDB は高負荷・高同時接続には向かないため、業務用の大規模運用では外部 DB を推奨。
- 一部の高度な SQL 機能や DB 固有機能は直接サポートされないことがある。
- Base の一部機能(特にレポートや一部のフォーム機能)は Java ランタイムに依存するため、適切な JRE のインストールと設定が必要。
導入・接続の簡単ガイド
- 準備:Java(JRE)をインストールし、OpenOffice の「ツール → オプション → OpenOffice.org → Java」で JRE を有効にします。
- JDBC 接続時:該当 DB の JDBC ドライバ(.jar)を「ツール → オプション → OpenOffice.org → Java → クラスパス」に追加します。
- データベース作成/接続:OpenOffice Base を起動し、「既存のデータベースに接続 → JDBC」または「ODBC」や「HSQLDB(埋め込み)」を選択してウィザードに従います。
- 注意点:複数ユーザーで共有する場合は埋め込みではなくサーバ型 DB(JDBC/ODBC)を利用し、接続情報と権限管理を適切に設定してください。
バックアップと移行のポイント
- 埋め込みデータベースは .odb ファイル(または関連するコンテナ)を丸ごとバックアップすることでデータを保護できます。定期的にファイルをコピーしておくことを推奨します。
- マルチユーザー化や性能向上を図る場合は、データを外部サーバ(PostgreSQL 等)にエクスポートして JDBC/ODBC 接続に切り替えると安全かつスケーラブルです。
- SQL スクリプトをエクスポート/インポートして移行する方法も利用できます。移行前に使用している SQL 方言やデータ型の差異を確認してください。
ライセンス
Base はApache License に基づいてリリースされたフリーソフトウェアです。商用・非商用を問わず利用できますが、組み込みライブラリやサードパーティドライバのライセンスは別途確認してください。
まとめと実務向けアドバイス
- 個人利用や小規模業務では埋め込み HSQLDB を使った .odb ベースの運用が簡単で手間が少ない。
- 複数ユーザーアクセスや高可用性が必要なら、JDBC/ODBC で外部のサーバ型 DB に接続する設計に移行することを推奨します。
- 接続設定やドライバは OS や OpenOffice のバージョンによって手順が異なるため、事前に環境に合ったドライバの入手と配置(クラスパスや DSN の設定)を確認してください。
関連ページ
- HSQLDB
- Kexi - 類似のフリーソフトウェア/オープンソースアプリケーション
- OpenOffice
- マイクロソフト・アクセス
質問と回答
Q: OpenOffice Baseとは何ですか?
A: OpenOffice Baseは、OpenOfficeのバージョン2.0以降に含まれるデータベースモジュールです。
Q: HSQLDBデータベース・エンジンとは何ですか?
A: HSQLDBデータベースエンジンは、Javaで書かれたソフトウェアで、OpenOffice Baseで使用されています。
Q: HSQLDBデータベース・エンジンは、その機能目標をすべてクリアしていますか?
A: いいえ、HSQLDB開発者は、1.8.0リリースでは目標の76%しか達成できていないと指摘しています。
Q: なぜHSQLDB開発者は貢献を求めているのですか?
A: 内部データベース・エンジンは、外部からの資金提供を受けない独立したプロジェクトであり、すべての機能目標を完了するための貢献が必要です。
Q: OpenOfficeのユーザは外部のSQLデータベースに接続できますか?
A: はい、OpenOfficeユーザーは、ODBCまたはJDBCドライバーを通して、MySQL、PostgreSQL、Oracleなどの外部のフル機能のSQLデータベースに接続することができます。
Q: 外部SQLデータベースに接続した場合、OpenOffice Baseは何をすることができますか?
A: OpenOffice BaseはSQLビュー、テーブルデザイン、クエリのためのGUIフロントエンドとして機能します。
Q: OpenOffice Baseの使用は無料ですか?
A: はい、OpenOffice BaseはApache Licenseのもとでリリースされており、フリーソフトウェアです。
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