オックスフォード英語辞典(OED)とは?歴史・構成・電子版の全解説
オックスフォード英語辞典(OED)の歴史・構成・電子版をわかりやすく解説。第2・第3版の経緯やオンライン利用法、研究・引用に役立つ活用ポイントまで網羅。
オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary、またはOED)は、英語の語彙と語史を体系的に記録する代表的な辞書である。オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)から刊行され、現代英語から古英語までを網羅する規模と深さの点で最も権威ある英語辞典の一つとされている。学術研究者、作家、翻訳者、教育者など、多くの人々にとって重要な参照資料であり、英語の歴史的発展や語感の変遷を示す一次資料としても利用されている。
主な特徴
- 歴史的原則に基づく編纂:各語の初出や用法の変遷を示すために、年代順に並べた引用(出典表示)を豊富に掲載している。
- 語源(etymology):語の起源や系統、他言語からの借用の過程を詳述する。
- 発音・品詞・意味の変化:発音記号や語形変化、品詞区分、用法例を示し、意味の歴史的変化を説明する。
- 広範な資料収集:文学、新聞、法律文書など様々な分野からの引用を用いることで、実際の使用例に基づいた記述を行う。
歴史(編纂の始まりから現在まで)
オックスフォード英語辞典の編纂は1857年に始まり、フィロロジー学会(Philological Society)などの提唱を受けて進められた。以降、多くの学者・編集者・ボランティア読者がスリップ(用例を書いたカード)を送る形で辞書を築き上げてきた。主要な編集者としてはJ. A. H. Murray(ジェームズ・オーガスタス・ヘンリー・マレー)らが知られる。1884年に最初の分冊(ファシクル)が刊行され、その後断続的に分冊が出されながら編纂が続けられた。
最初の全面刊行版(初版)は長年の編纂の末、1928年に完結した(当時は10巻構成)。その後も補遺や増訂が行われ、1933年には版の再構成が行われた。1970年代から1980年代にかけての補遺を経て、第二版が1989年に刊行され、これは20巻・21,728ページという大規模なものとなった。
2000年以降、第三版の編纂作業が開始され、単語の追加・意味の見直し・用例の現代化などが進められている。現在までに約3分の1が完成していると報告されている(進捗は継続中)。
編集と資料収集の方法
OEDは「歴史的原則(historical principle)」を採用しており、語の意味や用法を説明する際に、最も早期の使用例から順に引用を示すことで、意味変遷を追えるようにしている。かつては無数の紙のスリップ(用例カード)を世界中の読者や研究者から集め、それらを分類・整理して見出し語ごとに編纂していた。現在は電子化されたコーパスやデジタル資料も活用され、コンピュータ支援で用例の検索・解析が行われる。
構成(典型的な見出し項目の要素)
- 見出し語(headword)と派生語・複合語
- 発音(発音記号、場合によっては複数の発音)
- 品詞(名詞・動詞・形容詞など)
- 語源(etymology)
- 定義(歴史的に並べられた意味の系列)
- 各意味に対応する年代順の引用(文学作品や新聞などからの出典)
- 用法注記や方言情報、語法の注意点
電子化とオンライン展開
辞書の電子化は1988年に初めて行われ、その後の技術進歩により利用形態が拡大した。オンライン版は2000年から公開され、世界中の図書館や個人がサブスクリプションを通じてアクセスできるようになった。オンライン版では検索機能、年代別フィルタ、単語の使用頻度や関連語の表示など、印刷版にはない利便性がある。2014年4月時点で月間200万件以上のアクセスがあったと報告されている。
第三版の内容は主に電子形式での提供が前提とされており、オックスフォード大学出版局の関係者(ナイジェル・ポートウッドら)は、今後は印刷での完全再刊が事実上行われない可能性が高いと述べている。
利用と意義
OEDは単なる意味の一覧にとどまらず、言語史の研究や語彙学、翻訳研究、文学研究など幅広い分野で参照される。特に語の初出や用法変化を示す豊富な引用は、語の意味や用法を文脈の中で理解するうえで非常に有用である。また、教育現場や辞書記述の基準策定にも影響を与えている。
アクセス方法
- 図書館や大学を通じた機関契約:多くの大学図書館が購読しており、学内からアクセスできる。
- 個人購読:個人でもオンライン版のサブスクリプションを購入して利用可能。
- 印刷版:既刊の版(特に第二版のセット)は多くの図書館に所蔵されているが、最新かつ更新が行われる情報はオンライン版が中心。
補足(編集者・協力者)
編纂には多くの学者やボランティアの協力が不可欠で、歴史的にはJ. A. H. Murrayをはじめとする編集チームが長年にわたり中心的役割を果たした。今日では編集部とデジタル技術を組み合わせて、語彙の拡張や用例の追加、意味の見直しが継続的に行われている。
オックスフォード英語辞典は、英語という言語を時間軸の上で理解するための最も包括的なツールの一つであり、その電子化・オンライン化によってアクセス性と更新性が大幅に向上している。

OED 第2版印刷版20巻のうち7巻
質問と回答
Q:オックスフォード英語辞典とは何ですか?
A: オックスフォード英語辞典(またはOED)は、イギリスのオックスフォード大学出版局から出版されている辞書です。英語の歴史的な発展をたどり、英語がどのように使われてきたかを記述しています。
Q: 第2版は何ページですか?
A: オックスフォード英語辞典の第2版は、1989年に出版された全20巻で21,728ページとなりました。
Q:主な項目はいくつあるのですか?
A: 231,100の主要項目と47,100の古い単語のための主要項目があります。
Q: いつ頃作られたのですか?
A: 1857年に編纂が開始されました。
Q:出版された当初は何と呼ばれていたのですか?
A: 出版当初は「A New English Dictionary on historical principles(歴史的原則に基づく新しい英語辞典)」と呼ばれ、主に哲学協会が収集した資料に基づいて作られました。
Q:『オックスフォード英語辞典』が初めて非公式に表紙に使われたのはいつですか?
A: 1895年にオックスフォード英語辞典(OED)というタイトルが初めて非公式に表紙に使用されました。
Q: いつから電子版が利用できるようになったのですか?
A: 1988年に電子版が発売され、2000年からはオンライン版も発売されています。
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