辞書とは何か|定義・種類・使い方を分かりやすく解説

辞書とは何かを初心者向けにわかりやすく解説。定義・種類(翻訳・専門・百科寄り)や使い方、選び方まで具体例付きで紹介。

著者: Leandro Alegsa

辞書とは、語(語彙)や語句の意味・用法・発音・語形変化などを体系的に示した書物やデータベースのことです。辞書は一般に言葉を見出し語として収録し、その説明や用例、語源などを付してあります。もともと辞書は印刷されたとして作られてきましたが、現在ではオンライン辞書や辞書アプリのような電子媒体も広く使われています。辞書という語は、ラテン語の「dictio(言うこと)」に由来します。

見出し語の並べ方は言語や辞書の種類によって異なります。日本語の辞書では五十音順や項目の見出し仮名順で配列することが多く、英語などアルファベットを使う言語の辞書ではアルファベット順に並べられます。電子辞書では検索機能により素早く該当項目を見つけられます。

辞書の主な種類

  • 国語辞典(説明辞書):語の意味・用法・文法的情報・例文などを日本語で説明する辞書。語の用例や語感を学ぶのに適しています。
  • 翻訳辞書(対訳辞書):ある言語の語を別の言語に対応させて訳語を示す辞書。日英辞典・英和辞典などが該当します。語のニュアンスや用例の違いに注意が必要です。
  • 人名・伝記辞典:著名人や歴史上の人物についての情報をまとめた伝記的項目を収録する辞書。人物の略年譜や主要な業績が載ります。
  • 専門辞典・分野別辞書:法律、医学、工学、芸術など特定のテーマに関する専門用語や概念を詳述する辞書。実務や研究に不可欠です。
  • 類語辞典(シソーラス):語の意味の近さや語義の関係(類義語・対義語・語域)を示す辞典で、表現の言い換えや文体の調整に役立ちます(シソーラスと呼ばれます)。
  • 百科事典的辞書:辞書と百科事典の中間に位置するもので、語義説明に加えて事柄や人物・出来事についての背景知識や詳細な解説を含むものがあります。

辞書の見出し項目に含まれる情報(例)

  • 見出し語(ヘッドワード):説明対象となる語。
  • 発音・アクセント:読み方や発音記号、アクセント位置。
  • 品詞:名詞・動詞・形容詞などの品詞表示。
  • 定義(意味):その語の意味を簡潔に示した説明。
  • 用例・例文:実際の文中での使われ方を示す例。
  • 語源・成り立ち:語の歴史的背景や由来(ある辞書にのみ載ることが多い)。
  • 派生語・複合語・類義語・対義語:関連語や類語、反対語など。

辞書の使い方・選び方

  • 目的に合った辞書を選ぶ:語彙を深く理解したいなら国語辞典、翻訳や語義の対応を知りたいなら対訳辞書、表現の幅を広げたいならシソーラス、専門知識が必要なら専門辞典を選びます。
  • 検索のコツ:日本語では見出しの読み(かな)や漢字の画数・部首、ローマ字入力などで検索できます。英語などはアルファベット順に探します。電子辞書ではキーワード検索や全文検索が便利です。
  • 見出し語だけで判断しない:特に翻訳辞書では訳語の用法や適切さは用例や注記を確認して判断します。複数の辞書を照らし合わせると誤解が減ります。
  • 学習者向け辞書の活用:外国語学習者向け辞書は平易な定義、豊富な例文、語法説明、頻度情報があり学習効率が高まります。
  • 電子辞書の利点:検索速度、発音の音声再生、用例検索、アップデートやコーパス連携などが利用できます。ただしオンライン情報の信頼性は確認が必要です。

注意点

  • 辞書は常に最新とは限らない:語の意味や用法は変化するため、特に専門用語や新語は最新版やオンラインの更新情報を確認しましょう。
  • 地域差や文体差:同じ語でも地域や分野による意味の違いがあるため、注記や用例を読むことが重要です。
  • 記述的/規範的な立場の違い:辞書によって「こう使うべき」とする規範的説明と、実際の用法を記述する説明があり、目的に応じて使い分けてください。

辞書は言葉を正しく理解し、適切に使うための基本的な道具です。印刷のとして手元に置くメリット、電子辞書やウェブ辞書の利便性──それぞれの長所を活かして、目的に合った辞書を選び、複数の情報源を照合する習慣をつけるとよいでしょう。

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言葉の意味を解説する辞書

言葉の意味を説明する辞書では、その言葉の明確な「定義」が書かれています(例:カバ : アフリカの川や湖に生息する、厚い皮膚と大きな口、短い足を持つ有蹄類の哺乳類)。

大きな辞書は、その単語についての詳しい情報も与えてくれます。その単語がどのように発音されるかを説明しています。通常、国際音声記号を使用します。その単語がどのように使われているかを説明してくれます。hippopotamus "のような単語の場合は問題ありませんが、"put "のような単語は非常に多くの異なる意味を持っているため、大きな辞書では1ページ以上を使ってその使い方を説明しています。また、その言葉の由来(ギリシャ語で「hippos」馬、「potamus」川など)も説明されています。

辞書には、異なる時制での単語の形や、複数形なども記載されています。

外国語に翻訳する辞書

辞書には、言葉を外国語に翻訳するものもあります。例えば、半分は英語からオランダ語、もう半分はオランダ語から英語というように、1冊(1ブック)の中で両方の翻訳をすることもよくあります。

辞書を使って他の言語で何かを表現するときには、正しい言葉を選ぶように注意しなければなりません。right "のような単語は、英語では2つの基本的な意味を持っています。1)「正しい」、2)「左」の反対の意味です。他の言語では、これらの異なる意味を表す別の言葉がありますが、同音異義語もあります。put "のような言葉には多くの意味があります。優れた辞書には、これらの意味が数多く掲載されており、目的の単語を見つけやすくなっています。例えば、多くの言語では、"put "という言葉は、何かを何かの上に置く(例:テーブル)のか、何かの中に入れる(例:戸棚)のかによって異なります。

辞書の更新

辞書を頻繁に更新する必要があるのは、言葉の変化に対応するためである。新しい言葉が入ってきたり(例:たくさんのコンピュータ用語)、言葉の意味が変わったり(例:"gay "や "cool")します。最も有名な英語辞書はOxford English Dictionary (OED)です。OEDには常に単語が追加されています。OEDには、常に単語が追加されており、たとえ時代遅れ(もう使われていない)になっても削除されることはありません。OEDはオンラインでアクセスできます(購読料が必要です)。

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関連文献

  • Henning Bergenholtz/Sven Tarp (eds.):Manual of Specialised Lexicography.Benjamins 1995.
  • サンドロ・ニールセン:バイリンガルLSP辞書。グンター・ナー 1994.

質問と回答

Q: 辞書とは何ですか?


A:辞書とは、単語の意味を解説した書籍の一種で、正確には語彙(ごい)のことです。

Q: 辞書にはどのように単語が並んでいるのですか?


A:単語はアルファベット順に並んでいるので、すぐに見つけることができます。

Q:「辞書」という言葉はどういう意味ですか?


A:辞書の語源は、ラテン語の「dictio」(「言う」)です。

Q: 辞書にはどんな種類がありますか?


A: 言葉の意味や使い方を解説した辞書、言葉を翻訳した辞書、有名人について解説した伝記辞書、専門用語や特定のテーマに関連した言葉の意味を解説した専門辞書(シソーラスと呼ばれることもあります)などがあります。

Q:百科事典と辞書はどう違うの?


A:百科事典は、物事に関する余分な情報(知識)を多く提供し、言葉の使い方を説明するものではありません。百科事典は、トピックに関する情報を本物の百科事典よりも少なく、単純な辞書よりも多く与えています。

Q:「dictio」の語源は何ですか?


A:「辞書」の語源は、ラテン語の「dictio」(「言う」)です。

Q:専門用語辞典は何のためにあるのですか?


A:専門用語や特定のテーマに関連する言葉の意味を解説するものです。


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