パドマ・ヴィブーシャン(Padma Vibhushan)とは|インド第2位の民間人賞の概要と歴史
パドマ・ヴィブーシャンは、インドの民間人に贈られる勲章のうち、最高位のバラット・ラトナに次ぐ第2位の栄誉です(続いてPadma Bhushan、Padma Shriに続きます)。1954年に制度化され、功績が顕著な個人に対して授与されてきました。受賞者は通常、インド共和国記念日(1月26日)に発表され、その後大統領による叙勲式で正式に栄誉が授与されます。
概要
パドマ・ヴィブーシャンは、学術、芸術、社会奉仕、公共サービス、科学技術、医療、スポーツ、貿易・産業などの分野で「卓越した・顕著な功績(distinguished service)」を挙げた個人を対象とします。受賞には国籍を問わず外国人も含まれることがあり、また死後授与(追贈)も行われます。
歴史と制度の変遷
当初(1954年)にはパドマ勲章がいくつかの等級に分かれて設けられていましたが、制度はその後整理され、現在の「パドマ・ヴィブーシャン」「Padma Bhushan」「Padma Shri」という序列で定着しました。賞の運用や選考手続きは内閣府(Prime Minister’s Office)や関係機関を通じて行われ、最終的な決定は大統領の裁可に基づきます。
最初期の受賞者と代表例
制度開始時の受賞者には、以下のような著名人が含まれています(例示)。
- サティエンドラ・ナス・ボース
- ナンド・ラール・ボース
- ザキール・フセイン
- バラサヘブ・ガンガダール・ケル
- ジグメ・ドルジ・ワンチュク
- V.K.クリシュナ・メノン
また、ヴィクラム・サラバイは1972年に追贈(死後授与)された著名な受賞者の一人としてしばしば言及されます。
授与の基準・対象と手続き
- 対象分野は限定されず、広範な領域での顕著な貢献が評価されます。
- 候補者は政府機関、過去受賞者、一般市民などから推薦され、委員会が審査します。
- 受賞は名誉的なものであり、金銭的支給は伴いません。
- 受賞の取消し(剥奪)は法律に基づき行われる場合があります。
名誉品と形式
受賞者にはメダル(勲章)と賞状(citation)が授与されます。式典はフォーマルで、大統領が出席する叙勲式でメダルが手渡されます。受賞者は公的な場でその栄誉を紹介されることが多く、社会的な評価や信頼につながります。
論争・社会的反響
選考過程や受賞者の選定を巡っては時折議論や批判が起きます。透明性や基準の明確化を求める声、政治的配慮ではないかという指摘などが見られますが、同時に多くの受賞者はそれぞれの分野で長年にわたる顕著な貢献を行ってきた人物と評価されています。
参考点
- 授与は毎年行われますが、受賞者数に関しては法的な厳密な上限は設定されていません(慣例や年ごとの方針による)。
- 受賞は国家的栄誉であり、学術的・文化的な貢献を広く顕彰する役割を果たしています。
参考
1. ↑ "パドマ賞。年別受賞者リスト(1954年~2014年)" (PDF).内務省(インド).2014 年 5 月 21 日の記事。2015 年 10 月 18 日に取得。
2. ↑ "パドマ賞:2015年" (PDF).内務省(インド).2015 年 1 月 25 日、p.1。2015 年 10 月 18 日に取得した。
3. ↑ "パドマ賞:2016年" (PDF).内務省(インド).2016 年 1 月 25 日. p. 1.2016 年 1 月 25 日に取得した。