パスカル・デュケンヌはベルギーの俳優で、1970年8月8日、ベルギー・フランドル地方のヴィルヴォールデで生まれた。幼少期にダウン症と診断されているが、演劇を通じて表現の道を歩み始めた。
若い頃に舞台で演じていたデュケンヌに目を留めたのが映画監督のジャコ・ヴァン・ドルマルであり、ヴァン・ドルマルは彼に初めての映画出演の機会を与えた。その後の代表作となる作品での演技が高く評価されることになる。
1996年、デュケンヌはダニエル・オートゥイユとともに、第49回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した(受賞は同年の共同受賞)。デュケンヌが演じたのはダウン症の青年「ハリー」で、彼の自然で誠実な演技は批評家や観客から大きな称賛を集めた。この受賞は、障がいのある俳優の存在感を国際舞台に示した重要な出来事として記憶されている。受賞の対象となった作品はLe Huitième Jour(英語題:The Eighth Day)で、孤独や友情、人間らしさを繊細に描いた物語である。
その後もデュケンヌは映画や舞台で活動を続け、俳優としての経験を積むと同時に、演技を通して障がい者の表現や社会的包摂(インクルージョン)に関する注目を高める存在となった。映画以外にもテレビや地域の演劇プロジェクトに参加するなど、多方面で活動している。
現在はブリュッセルに在住しており、俳優としての活動だけでなく、表現を通した啓発やコミュニティ支援にも関わっていると報じられている。彼のキャリアは、障がいのある人々が芸術の場で活躍できる可能性を示す一例として広く紹介されている。