周縁(ペリフェリー)とは:定義・語源・使い方をわかりやすく解説
周縁(ペリフェリー)とは何か?定義・語源・使い方を図解と具体例でやさしく解説。概念の違いも一目で理解。
一般的に周縁(ペリフェリー)は、任意の空間や身体の境界や外側の部分を指します。ギリシャ語のπεριφέρειαに由来し、円周や外面を意味します。
語源と読み
日本語では「周縁(しゅうえん)」と読み、英語の "periphery" に相当します。カタカナ表記では「ペリフェリー」や「ペリフェリー(periphery)」が使われることがあります。語源となったギリシャ語 περιφέρεια は「周りを回ること」「周囲」を指す語で、そこから「周囲・外周・外側」の意味が派生しました。
主な意味と使われ方
- 空間的な外側・周辺:円や領域の外側の部分を指します。例)都市の周縁、島の周縁部。
- 身体・解剖学:体の中心(中枢)に対して外側にある部分。例)末梢神経系は「周縁(末梢)」に位置する。
- 社会・政治の比喩:中心から離れている、影響力が小さい地域や集団を指す。例)中心都市と周縁地域、周縁化(マージナリゼーション)。
- 技術・工学:コンピュータ用語では「peripheral device(周辺機器)」が一般的で、必ずしも「周縁」と訳されないが、英語のperipheryをそのまま比喩的に使う場合がある。
- 美術・視覚:周辺視野(peripheral vision)など、中心視野以外の視覚領域を指す。
類義語とニュアンスの違い
- 周辺(しゅうへん):広く「まわり」を指す語で、日常語として使いやすい。周縁よりも柔らかい語感。
- 辺縁(へんえん):境界・ふちの意味合いが強く、しばしば「重要でない」「影響が小さい」といった否定的・粗末なニュアンスを伴うことがある。
- 末梢(まっしょう):解剖学や医学で「中心から遠い部分」を示す専門用語。周縁と近いが、より医学的。
実例(用例)
- 都市計画:都市の中心部に比べて周縁地域は公共交通が脆弱になりがちだ。
- 社会学:経済発展の恩恵が一部の地域に集中し、地方が周縁化する問題がある。
- 医学:周縁神経損傷(末梢神経の損傷)は感覚や運動に影響を与える。
- 視覚:暗い場所では周縁視野の感度が低くなることがある。
表現上の注意
「周縁」は学術的・技術的文脈でよく使われますが、日常会話では「周辺」や「端(はし)」などの語が好まれることが多いです。また、社会的文脈で「周縁化」と言う場合は差別や排除を含意することがあるため、文脈に応じて配慮が必要です。コンピュータ周りでは「周辺機器(しゅうへんきき)」という表現が定着しており、「周縁機器」はほとんど使われません。
まとめ(覚え方)
周縁(ペリフェリー)は「中心から離れた外側・ふち」を指す語で、地理、医療、社会学、視覚など幅広い分野で使われます。ギリシャ語の περιφέρεια が語源で、「周囲」「外面」といったイメージを持つと理解しやすいでしょう。
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