ピッチの意味・定義|樹脂・投球・競技場・セールストークの違い
ピッチには複数の意味があります。以下で主要な用法ごとにわかりやすく解説します。まずは元の用例一覧を示します。
- ピッチ
- ピッチ
- ピッチ(樹脂)、植物や石油から得られる物質。
- ピッチ(野球)、ピッチャーからキャッチャーに野球ボールを投げること。
- 通常、屋外で行われる競技の場。芝生。
- サッカー場
- クリケットのピッチ
- ラグビー場
- セールストーク
- ピッチ(映画)
1. ピッチ(樹脂・タール)
「ピッチ」は植物や石油から得られる黒色の粘性物質(タール、樹脂)を指します。用途としては防水・防腐材(屋根材、船底の処理)、道路舗装、コークスや電極材料の原料などがあります。常温では粘性が高く、加熱すると流動性を持つため加工に応じて扱われます。天然由来のピッチ(松ヤニなど)と石油系のピッチとで性質が異なる点に注意してください。
2. ピッチ(投球・スポーツの動作)
英語の "pitch" がそのまま日本語でも使われ、特に野球では「ピッチ(投球)」を意味します。ピッチ(野球では、ピッチャーがボールを打者やキャッチャーへ投げる動作全体を指します。速球、変化球(カーブ、スライダー、フォークなど)や制球の技術、ボールの軌道や球種の呼び方など、投球に関する専門用語や戦術が多く存在します。
3. ピッチ(競技場・グラウンド)
イギリス英語由来の用法で、「競技のための場」「フィールド」を意味します。たとえばサッカー場やラグビー場などを「ピッチ」と呼びます。元の一覧にもあるように、屋外の芝生などが一般的です(例:芝生)。
- サッカー場 — フィールド全体を指して「ピッチ」と表現します。
- クリケットのピッチ — クリケットでは「ピッチ」は特に両ウィケット間の約22ヤード(約20.12m)の投球用の細長い土の条(ピッチ)を指します。フィールド全体とは区別される専門用語です。
- ラグビー場 — こちらもフィールド全体を「ピッチ」と呼びます。
4. ピッチ(セールストーク・プレゼン)
「セールストーク」としての「ピッチ」は、商品やアイデアを短時間で魅力的に伝えるための話法を指します。英語では "sales pitch" や "elevator pitch" と呼ばれます。ビジネスの場面では投資家向けのプレゼン(ピッチデッキ)や、短時間で相手の関心を引くための要点整理などが含まれます。
5. その他の用法
上で挙げた以外にも「ピッチ」にはいくつかの意味があります。音楽では「ピッチ=音の高さ(周波数)」を指したり、工学分野では「ねじのピッチ(山と山の間隔)」、あるいは地形や屋根の傾斜を指して「ピッチが急だ」などの使い方があります。文脈に応じてどの意味か判断することが重要です。
ピッチ(映画)という固有名詞としての作品名も存在します(一覧の最後に示されている用例)。作品名・固有名詞は文脈や表記で区別されます。
まとめると、主に「樹脂・タール」「投球」「競技場(フィールド)」「セールストーク(プレゼン)」の意味で使われ、さらに音高やねじの間隔など工学的・音楽的な意味でも用いられます。用途ごとに意味が大きく異なるため、前後の文脈で正しい意味を判断してください。