多発性筋痛症(PMR)とは|50歳以上に多い症状・診断とプレドニゾン治療

50歳以上に多い多発性筋痛症(PMR)の症状・午前中の痛み、診断(ESR)と側頭動脈炎リスク、プレドニゾン治療の効果と注意点をわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

リューマチ性多発筋痛症(PMR、単に多発筋痛症と呼ばれることもある)は、症候群の一つで、主に上半身の関節や筋肉痛みとこわばりを生じます。特に肩や首、上腕、骨盤周囲の筋肉に症状が出やすく、朝のこわばり(起床後の不自由さ)が強いことが特徴です。症状は通常、両側に対称的に現れ、日常動作(着替え、くしをとかす、腕を上げるなど)が困難になることがあります。PMRを発症した人の約15%は、側頭動脈炎(大血管炎の一種、いわゆる巨細胞性動脈炎)を併発している可能性があります。側頭動脈炎は視力障害を引き起こすことがあり、早急な対応が必要です。

誰に多いか

PMRは女性に多く見られ、発症はほとんどが50歳以上です。50歳未満での発症はまれですが、完全に起こらないわけではありません。発症突然性が強く、数日〜数週間で症状が急に悪化することがあります。

主な症状

  • 両側の肩や股関節周囲の痛み・こわばり(特に朝)
  • 長時間のこわばり(しばしば30分〜1時間以上)
  • 全身のだるさ、微熱、食欲低下、体重減少などの全身症状
  • 時に側頭部の痛み、あごのあがりにくさ(頬の痛みや顎閉塞)—側頭動脈炎を示唆する症状

診断のポイント

診断は症状、身体所見、血液検査、必要に応じて画像検査・生検を組み合わせて行います。一般に使われる採血検査の一つが赤血球沈降速度(ESR)です。ESRは患者さんの赤血球が試験管内で沈降する速さを測定するものです。赤血球の沈降速度が速ければ速いほど、ESRの値は高くなり、炎症が起きていることを意味します(上昇していることが多い)。しかし、ESRが正常でもPMRは否定できないため、C反応性タンパク(CRP)も合わせて測定します。CRPは炎症の指標として感度が高く、治療効果のモニターにも有用です。

必要に応じて行う検査や手技:

  • 血液検査:ESR、CRP、血算、肝腎機能など
  • 画像検査:超音波検査で関節周囲や血管の炎症を評価、場合によってはMRIやPET-CTを用いることもある
  • 側頭動脈炎が疑われる場合:側頭動脈生検や血管専門医による評価(視力障害を予防するために疑いが強ければ即時治療開始)

鑑別診断

鑑別には次のような疾患が挙げられます:リウマチ性疾患(関節リウマチ)、多発性筋炎/皮膚筋炎、線維筋痛症、感染性原因、甲状腺疾患など。治療反応や血液検査のパターン、画像検査で区別します。

治療(薬物療法と管理)

プレドニゾン(経口ステロイド)はPMRの第一選択治療です。典型的な開始量は1日10〜20mgで、症状と炎症反応の改善を見ながら徐々に減量していきます。治療期間は多くの場合1年以上にわたり、再燃を繰り返すことがあるため慎重に減量します。治療開始後、数時間〜数日で症状が明らかに改善することが多く、もし1日10〜20mgを3日間投与しても劇的な改善が見られない場合は診断を再検討する必要があります。

副作用管理と補助療法:

  • 骨粗鬆症予防:カルシウム・ビタミンDの補充、必要に応じてビスホスホネートなどの処方
  • 血糖・血圧・体重の管理:ステロイドによる高血糖や高血圧、体重増加に注意
  • 感染予防・ワクチン:インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの検討(医師と相談)
  • 長期ステロイドによる副作用のモニター:骨密度検査、眼科検診(白内障や緑内障のリスク)など

ステロイドに対する反応が不十分、または副作用のため長期投与が難しい場合は、ステロイドを減量するための薬(ステロイドスパーレング剤)としてメトトレキサートが用いられることがあります。重症の合併(側頭動脈炎など)や難治例では、生物学的製剤(例:IL-6阻害薬)が検討される場合もあります(専門医との相談が必要)。

側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)に関する注意

PMR患者の約15%が側頭動脈炎を併発する可能性があり、これは視力障害をきたす危険があるため特に注意が必要です。側頭部の強い拍動性痛、新たな頭痛、顎痛(咀嚼時の顎の痛み)、視力低下や閃輝暗点(見えにくい箇所が現れる)などの症状がある場合は、直ちに医療機関を受診してください。疑いが強い場合は高用量ステロイドを速やかに開始し、眼科や血管外科への紹介、側頭動脈生検や血管画像検査を行います。

経過・予後

多くの人は適切なステロイド治療により短期間で症状が改善しますが、治療期間は個人差があり、再燃(再発)を繰り返すことがあります。定期的な受診で症状と血液検査(CRPやESR)をモニターし、必要に応じて治療方針を調整します。長期のステロイド投与に伴う合併症を防ぐため、予防措置と合併症の早期発見が重要です。

受診の目安

  • 50歳以上で急に肩や股関節周囲の強い痛み・朝のこわばりが出現した場合
  • 側頭部の痛み、新しい頭痛、顎痛、視力低下などがある場合(緊急受診)
  • ステロイド開始後に改善が見られない場合や副作用が強い場合

疑いがある場合は、早めに専門医(リウマチ内科や整形外科、必要に応じて眼科や血管外科)を受診して検査と治療方針を相談してください。適切な治療とフォローで日常生活の改善が期待できます。

質問と回答

Q: リウマチ性多発筋痛症とは何ですか?



A: リウマチ性多発筋痛症は、上半身の関節や筋肉に痛みを生じ、通常の腕や足の動きに影響を与える症候群または症状です。

Q:リウマチ性多発筋痛症の人の多くは、どのような時に痛みを感じるのですか?



A:ほとんどの方が午前中に痛みを感じますが、時には午後遅くや夕方にも痛みを感じることがあります。

Q: 側頭動脈炎とは何ですか?



A:側頭動脈炎は、PMRの方の約15%に見られる症状で、頭や首の血管に炎症が起こる病気です。

Q: PMRはどのような人に多いのですか?



A: PMRは男性よりも女性の方が多く、通常50歳以上の方に発症します。50歳未満でも発症することがありますが、まれです。

Q: 赤血球沈降速度(ESR)検査とは何ですか?



A:赤血球沈降速度(ESR)とは、赤血球が試験管に沈む速さを測定する血液検査で、炎症の有無を示すのに使用されます。

Q: PMRの治療薬として選択されるものは何ですか?



A: PMRの治療薬として選択されるのはプレドニゾンです。

Q: 通常、PMRの治療にはどれくらいの期間、プレドニンを服用する必要があるのですか?



A: PMRの治療期間は1年以上であることが多く、通常、プレドニンを長期に服用する必要があります。プレドニンを3日間服用しても劇的な改善が見られない場合は、診断の再検討が必要です。時には数時間で症状が緩和されることもあります。


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