概要
プリンセス・エリザベス・ランドは、南極大陸の東側に位置する南極の一画である。一般には、東経73度とケープ・ペンクの東経87度43分の間にある扇形の地域として説明され、南緯64度56分付近の沿岸域から内陸の南極点方向へ広がっている。地域の大部分は南極氷床に覆われ、細い海岸露岩、氷壁、ところどころに現れるヌナタクが氷面上に顔を出している。
地理と海岸区分
この地域は、イングリッド・クリステンセン海岸とレオポルド・アストリッド海岸という2つの名付けられた海岸区分に分けられることが多い。これらの海岸は、海氷、棚氷、そして陸に固定された大陸氷との境界を示している。地域はマック・ロバートソン・ランドの西、カイザー・ヴィルヘルム2世ランドの東に位置し、東南極周辺に連なる名付けられた領域の一部をなす。
- イングリッド・クリステンセン海岸 — およそ東経73度35分から東経81度24分まで。
- レオポルド・アストリッド海岸 — およそ東経81度24分から東経87度43分まで。
歴史と命名
プリンセス・エリザベス・ランドの沿岸部は、20世紀初頭の南極探検の過程で測量された。1931年、この区域はのちにエリザベス2世となるプリンセス・エリザベスにちなみ、プリンセス・エリザベス・ランドと命名された。この名称は当時の英豪による探検活動の中で与えられ、その後の地図や科学文献でも用いられている。
研究拠点と重要性
遠隔で過酷な環境ではあるが、この地域では科学活動が行われている。各国の研究基地や季節的な野外キャンプが沿岸部またはその近くで運用され、氷河学、気象学、地質学、生物学の研究を支えている。より広い地域にある注目すべき恒久施設には、内陸部での活動や長期的な環境観測のための後方支援拠点となる、オーストラリアおよび他国の基地が含まれる。
政治的地位と注目点
オーストラリアはプリンセス・エリザベス・ランドをオーストラリア南極地域の一部として主張しているが、南極条約体制の下ではすべての領有権主張は実質的に棚上げされ、大陸は平和的な科学協力のために保たれている。この区域の孤立した海岸、大きな氷被覆、季節的な海氷条件は、氷の動態や地球規模の気候過程を研究するうえで重要である。
その位置と環境のため、プリンセス・エリザベス・ランドは、露出した岩が限られる沿岸帯、高く寒冷な氷原が広がる内陸部、そして南極の諸システムと、それらが地球規模の海面や気候に及ぼす影響を理解することに結びついた科学的役割を備える、東南極の大部分が氷に覆われた景観を代表している。