前突症(プログナティズム)とは:顔や顎の前方突出の定義と原因
前突症(プログナティズム)の定義・原因から診断・治療法、生活でできる対処まで分かりやすく解説。顔や顎の前方突出に悩む方必見。
前突症は、顔の一部または全部が通常よりも出っ張っている状態を指します。人間は顎顔症です。これは、顔が多かれ少なかれ垂直であることを意味します。他の霊長類の多くは前突型で、顎が頭頂部より前に突き出ています。
前突症(プログナティズム)の定義と種類
前突症(プログナティズム)は、顔面骨(主に上顎または下顎)が前方へ突出している状態を指します。主な分類は次の通りです:
- 下顎前突(下顎性前突):下顎骨が前方に突出し、いわゆる“出っ歯”とは逆の噛み合わせ(反対咬合)を呈することがあります。
- 上顎前突(上顎性前突):上顎が前方に突出している状態で、歯並びや口元の突出が目立ちます。
- 混合型:上顎・下顎の両方が影響を受ける場合。
原因
- 遺伝的要因:家族内で似た顔貌や顎の形が見られることが多く、骨格の成長パターンに遺伝が関与します。
- 発育・成長の不均衡:顎骨の成長速度や方向の違いにより、顔面の前後バランスが崩れることがあります。
- 歯科的要因:乳歯の早期喪失、咬合不正、舌や唇の癖(舌突出癖など)が歯列と顎の位置に影響することがあります。
- 先天性・症候群性疾患:クルーゾン症候群やアキンドロプラシアなど、一部の遺伝性疾患では顎顔面の異常が伴います。
- 環境因子:乳児期の姿勢や呼吸(口呼吸)などが顔面の成長に影響する場合があります。
症状と診断
見た目の突出のほか、次のような問題が生じることがあります:
- 上下の歯がうまく噛み合わない(咬合不正)
- 発音障害や咀嚼(そしゃく)不良
- 顎関節症(顎の痛みやクリック音)
- 心理・社会的なコンプレックス(外見による自己イメージ低下)
診断は視診・触診に加え、パノラマX線、セファロ(頭部側面X線)、場合によってはCTなどの画像検査で骨格の位置関係や歯列を評価します。歯科医師、口腔外科医、矯正歯科医が連携して検討することが多いです。
治療方法
- 矯正治療:歯の位置を整え、咬合を改善する。成長期であれば顎の成長を利用した装置で改善を図ることができます。
- 外科的矯正(顎矯正手術):骨格的なズレが大きい場合には、矯正治療と併用して顎骨の位置を外科的に修正します(オルソグナシックサージェリー)。
- 歯科補綴や審美的処置:部分的に見た目を整えるためにクラウンやベニアを用いる場合がありますが、根本的な骨格の問題は矯正・手術で対応します。
- 機能訓練・習癖改善:舌や唇の悪習癖、口呼吸の改善を図ることで再発予防や治療効果の維持を目指します。
影響と予防
早期に咬合や習癖をチェックし、成長期に適切な介入を行うことで程度の軽減や将来の手術回避が期待できます。定期的な歯科検診、子どもの口呼吸や舌の位置に注意することが大切です。
まとめ
前突症は見た目だけでなく、咀嚼や発音、顎関節に影響を及ぼすことがあるため、専門家による評価と適切な治療計画が重要です。軽度であれば矯正のみで対応可能な場合が多く、重度の骨格性前突では外科的治療が必要になることがあります。疑いがある場合は、矯正歯科や口腔外科での相談をおすすめします。
下顎前突症は、下顎が突き出ている状態です。
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