プログレッションとは?数学・音楽・色・意味の定義と例

プログレッションとは何かを数学・音楽・色・意味の視点でわかりやすく定義と具体例で解説。等差数列やコード進行、カラープログレッションまで網羅。

著者: Leandro Alegsa

プログレッション(progression)とは、要素や状態が連続的・段階的に並ぶこと、または一定の規則で変化・発展していく過程を指します。分野ごとに意味と代表例を示します。

数学でのプログレッション

等差数列(arithmetic progression)

  • 定義:隣接項の差が一定の数列。一般項は a_n = a_1 + (n−1)d (d は公差)。
  • 和の公式(初項 a_1、末項 a_n、項数 n):S_n = n(a_1 + a_n)/2。
  • 例:2, 5, 8, 11, ... (公差 d = 3)。応用は統計や等間隔の配列設計など。

等比数列/幾何級数(geometric progression)

  • 定義:隣接項の比が一定の数列。一般項は a_n = a_1 · r^(n−1) (r は公比)。
  • 有限和の公式(r ≠ 1):S_n = a_1(1 − r^n)/(1 − r)。無限等比級数は |r| < 1 のとき収束する。
  • 例:3, 6, 12, 24, ... (公比 r = 2)。応用は複利計算、物理やアルゴリズムの解析など。

音楽でのプログレッション

コード進行 — 一連のコード(和音)が順に現れて楽曲の調性感・流れを作るものです。機能和声に基づく緊張と解決(例:ドミナント→トニック)が重要な働きをします。

  • 代表的な進行例:I–IV–V–I、ii–V–I(ジャズの基本)、I–vi–IV–V(ポップ/ドゥーワップ)など。
  • バックドア プログレッション:V(ドミナント)の代わりに♭VII7やiv7を用いてトニックへ戻る代替解決の手法(ジャズでよく使われます)。
  • オムニバスプログレッション(omnibus progression):声部のクロマチックな移動を伴う複雑な進行で、対旋律やベースラインに半音階的な動きを入れて豊かな響きを作るものです。
  • ラグタイム進行:ラグタイム音楽でよく見られる特徴的な和声進行。たとえば I → I7 → IV → iv → I → V → I のような動きが用いられます。関連:ラグタイムのコード進行。

その他の分野での「プログレッション」

  • 年齢進行(年齢プログレッション):人物の年齢を段階的に示す過程。フォレンジック(犯行時推定年齢)や肖像の老化シミュレーション、アニメーションでの成長表現などに使われます。
  • カラープログレッション(色の遷移・グラデーション):色相・明度・彩度が連続的に変化する配色。UIデザインやイラスト、映像で視線を誘導したり、時間経過やムードを表現するために使います。具体的にはカラーパレットの段階的変化(color ramp)やグラデーションが該当します。
  • 意味進行(semantic progression):語や概念の意味が段階的に変化・派生するプロセス。言語学では語義変化(semantic shift)、文法化(grammaticalization)、派生(derivation)や比喩・換喩による意味拡張を含みます。例:ある語が専門用語→一般語へ広がる、あるいは物理的意味が抽象的意味に転じるなど。

まとめ

「プログレッション」は分野ごとに具体的な形が異なりますが、共通するのは「要素が順序をもって進行・変化すること」です。数学では規則的な数列、音楽では和声の流れ、デザインや言語では連続的な変化や発展を指す用語として広く使われます。



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