プサマテ(海王星の非球形衛星・Neptune X / S/2003 N1)とは?発見と軌道の概要
海王星の小衛星「プサマテ(Neptune X/S/2003 N1)」の発見経緯、軌道特性、サイズと起源仮説をわかりやすく解説。
プサマテ(別名:ネプチューンX)は、海王星の外縁に位置する非球形の不規則衛星です。軌道は非常に遠く、海王星から数千万キロメートル離れて回っており、暗く小さい天体と考えられています。
発見と命名
2003年、スコット・S・シェパード氏とデヴィッド・C・ジュイット氏によって発見されました。発見時の仮符号はS/2003 N 1という呼称で知られており、国際天文学連合(IAU)が衛星名を承認するまでその名称で呼ばれていました。正式名称「プサマテ」は、ギリシア神話の海の妖精ネレイスの一人プサマテにちなんでおり、名称の発表は2007年2月3(IAUC 8802)に行われました。
軌道と物理特性
プサマテは遠くを周回する不規則衛星で、軌道要素は以下の通りに報告されています:
- 離心率:0.4499(楕円軌道で海王星からの距離が大きく変化する)
- 軌道の傾き:146.60°(海王星の赤道に対して)、124.39°(黄道に対して) — 90°を超えるため回転方向は逆行(レトログレード)である
- 平均軌道長半径(海王星中心からの平均距離):約46,695,000 km(約4.67×10^7 km)
- 公転周期:約25地球年(非常に長い周期でゆっくり周回する)
- 直径は約24 km(反射率の仮定に基づく推定値で、実際の値は不確か)
これらの値から、プサマテは海王星の最も外側にある衛星群の一員であり、遠方かつ高速ではなく緩やかな長周期軌道を持つことが分かります。
起源と系統
軌道の形状(高い離心率と高傾斜角の逆行軌道)から、プサマテは惑星形成時に同時に形成された衛星ではなく、後に捕獲された小天体である可能性が高いと考えられています。さらに、Neso(S/2002 N 4)と軌道パラメータが類似していることから、両者が同一の起源、たとえばより大きな元の天体の破砕によって生じた断片群(衝突断片族)であるという仮説も提案されています。動力学的な数値シミュレーションや軌道長期進化の研究が続けられていますが、決定的な結論には至っていません。
観測上の特徴と課題
プサマテは非常に暗く遠方にあるため、観測には大口径望遠鏡と長時間露光が必要です。明るさが非常に低く、位置の追跡や軌道要素の精密化には複数年にわたる観測データが重要です。また、直径推定は見かけの明るさと表面反射率(アルベド)の仮定に依存するため、実際のサイズや形状、表面組成についてはさらなる観測(スペクトル観測や高解像度画像)が望まれます。
研究の意義
プサマテのような外側の不規則衛星は、太陽系外縁の小天体(たとえばカイパーベルト天体)や惑星周辺での重力捕獲・衝突履歴を知る手がかりを与えます。これらを調べることで、海王星の衛星系の形成史や外側太陽系の進化過程についての理解が深まります。
今後の観測・解析によって、軌道族の起源や物理的性質(密度、組成、形状)についてさらに詳細な情報が得られることが期待されます。
質問と回答
Q: 誰がPsamatheを発見したのですか?
A: Psamatheは、2003年にScott S. SheppardとDavid C. Jewittによって発見されました。
Q: Psamatheとは何ですか?
A:海王星の非球面月です。
Q:海王星の周りを1周するのにかかる時間は?
A:海王星の周りを1周するのに約25地球年かかります。
Q:サマテの直径はどのくらいですか?
A:直径は約24kmです。
Q:なぜPsamatheの名前がついているのですか?
A: ネレイドの一人であるプサマテにちなんで名付けられました。
Q: Psamatheの名前がつく前は、どんな名前で知られていたのですか?
A: 名前がつく前は、S/2003 N 1という名前で知られていました。
Q: 「プサマテ」と「ネーソ」の軌道のパラメータはどこが似ていますか?
A: ネソ(S/2002 N 4)と軌道のパラメータが似ていることから、非球形の月はどちらも大きな月が分裂したものではないかと考えられています。
百科事典を検索する