量子もつれ:概要、歴史、実用的意義
量子もつれは、離れていても量子系の性質を結び付ける非古典的な相関である。量子技術の基盤となり、古典物理学の考え方に挑戦を与えた。
概要
量子もつれとは、二つ以上の量子系の間に成立する関係であり、その全体状態を各部分系の独立した状態の単純な組合せとして表せないことをいう。もつれた状態では、一方の部分に対して行う測定の結果が、他方の部分で得られる結果と相関する。この相関は、共有された古典的情報だけでは説明できない。系が空間的に離れていても相関が持続することから、量子もつれは活発な概念的論争の対象となってきた。
画像ギャラリー
2 画像主な特徴
もつれた対には、いくつかの共通した特徴がある。全体状態は局所状態へと因数分解できず、局所的な測定結果はランダムに見える場合でも強い統計的相関を示す。また、一方を測定すると、他方の部分系についての形式的な記述が瞬時に変化するように見えることがある。ただし、これによって光速を超える通信が可能になるわけではない。もつれはさまざまな方法で定量化され、純粋状態では、もつれのエントロピーなどの指標が用いられる。さらに、より複雑な構造をもつ多体系にも拡張される。
歴史的展開
量子もつれに関する議論は、量子力学が物理的現実を完全に記述しているかを問いかけた1935年のアインシュタイン、ポドルスキー、ローゼンによる論文にさかのぼる。エルヴィン・シュレーディンガーは「もつれ」という用語を作り、その奇異さを強調した。1964年にはジョン・ベルが、量子論の予測と局所実在論を区別する不等式を導いた。その後、1970年代から1980年代の実験室試験、および後年の研究によってさまざまな実験上の抜け穴が閉じられ、適切な条件下で量子力学がベル不等式を破ることが確立された。
用途と例
量子もつれは、新たに発展する技術における資源である。例として、以下が挙げられる。
- 量子コンピューティング:もつれた量子ビットは、アルゴリズムや誤り訂正方式を可能にする。
- 量子暗号:デバイス非依存型鍵配送などのプロトコルは、もつれとベルテストに依拠する。
- 量子テレポーテーション:量子状態の転送には、もつれた対と古典通信を用いる。
- 計量学:もつれ状態は、古典的限界を超えて測定精度を向上させうる。
区別と注目すべき事実
量子もつれは、量子状態の非分離性を含む点で通常の相関とは異なる。状態の記述が瞬時に変化するように見えても、量子もつれによって制御可能な超光速信号を送ることはできない。量子もつれの実験的制御は、光子や捕捉イオンから超伝導回路まで、多様な系で行われている。入門的な技術的解説と追加資料については、参考資料を参照。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 量子もつれ:概要、歴史、実用的意義 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/80383