Badは、マイケル・ジャクソンが1987年に発表したスタジオ・アルバムで、エピック・レコードからリリースされました。リリース当初から世界的に高い評価と商業的成功を収め、史上最も売れたアルバムの上位に入る作品となっています。イギリスでは史上9番目に売れたアルバムに数えられ、発売後の総売上は数千万枚に達すると報告されています。
特徴とサウンド
本作は、R&B、ポップロック、ソウルなどを融合したサウンドが特徴です。プロデュースはクインシー・ジョーンズが務め、マイケル・ジャクソン自身が多くの楽曲の作詞作曲を手がけています。ジャクソンは当初アルバムに30曲を収録したいと考えていましたが、クインシー・ジョーンズらの判断で最終的に10曲(CDリリース時はボーナス・トラックとして「Leave Me Alone」が加えられ11曲)に絞られました。
収録曲とシングル
- アルバムからは合計9曲がシングルとしてリリースされました。代表的なシングルには次の曲があります:
- "I Just Can't Stop Loving You"
- "Bad"
- "The Way You Make Me Feel"
- "Man in the Mirror"
- "Dirty Diana"
- "Another Part of Me"
- "Smooth Criminal"
- "Leave Me Alone"
- "Liberian Girl"
- このうち5曲("I Just Can't Stop Loving You"、"Bad"、"The Way You Make Me Feel"、"Man in the Mirror"、"Dirty Diana")はアメリカのビルボード・ホット100で1位を獲得し、1枚のアルバムから獲得したナンバーワン曲の最多記録を塗り替えました。
- 収録曲の多くにはミュージックビデオが制作され、アルバム全体の視覚的なインパクトと話題性を高めました(10曲にビデオが制作されたとされています)。
制作と参加アーティスト
制作はクインシー・ジョーンズの指揮の下で行われ、マイケル・ジャクソンのボーカルと楽曲制作に加え、コーラスやセッション・ミュージシャン、編曲陣が作品を支えました。シングルの一部ではゲスト歌手やソングライターが関与しており、例えば「Man in the Mirror」はセイダ・ギャレット(Siedah Garrett)らが関わった楽曲として知られています。
商業的成功と受賞歴
- 世界的に高いセールスを記録し、各国のチャートで上位に入りました。
- 本作および収録曲は複数の音楽賞で評価され、グラミー賞も2回受賞しています。
- アルバムは批評面でも高く評価され、Rolling Stone誌の「500 Greatest Albums of All Time」では202位に選出され、また「1001 Albums You Must Hear Before You Die」にも収録されています。
ミュージックビデオとツアー
「Bad」期は映像面でも革新的で、多くの曲に印象的なミュージックビデオが作られました。特に「Bad」「Smooth Criminal」「The Way You Make Me Feel」「Man in the Mirror」などは映像表現と振付で話題を呼び、MTV世代に強い影響を与えました。また、このアルバムを携えた「Bad World Tour」は1987年から1989年にかけて行われ、ソロアーティストとして世界各地を巡る大規模なツアーとなり、多くの観客を動員しました。
評価と遺産
リリースから長年にわたり本作はポップミュージック史における重要作と見なされてきました。批評家の中には、Rolling Stone誌のデイヴィッド・シガーソンのように「BadはThrillerよりも良いレコードだ」と評する者もおり、商業的成功だけでなく音楽的完成度や影響力が高く評価されています。現在でも多くのミュージシャンやダンサーに影響を与え続けており、マイケル・ジャクソンの代表作の一つとして位置づけられています。
以上の点から、Badは1980年代後半のポップ・ミュージックを代表するアルバムであり、楽曲の充実、映像表現、ライブパフォーマンスなど複数の側面でその後の音楽文化に大きな足跡を残しました。