Stevland Hardaway Judkins(1950年5月13日生まれ)は、Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)という芸名で知られる、アメリカのミュージシャン、シンガーソングライター、レコードプロデューサー、マルチインストゥルメンタリストです。
天才少年だったワンダーは、モータウン・レーベルで最も成功した有名なアーティストの一人となった。23枚のアルバムをリリースし、「スーパースティション」、「サー・デューク」、「アイ・ジャスト・コール・トゥ・セイ・ラヴ・ユー」など30曲以上の全米トップ10ヒットを記録している。彼は、多くのレーベルメイトや他のアーティストのためにも曲を書き、プロデュースしています。愛、平和、思いやり、そして外の世界についての知識をテーマにした彼の音楽は、25のグラミー賞を受賞しています(男性ソロアーティストとしては最多受賞)。ワンダーは、ドラム、ギター、シンセサイザー、コンガ、そして最も有名なのはピアノ、ハーモニカ、キーボードを演奏します。2009年、国連は彼を「平和の使者」と称しました。
生い立ちとキャリアの始まり
ミシガン州サギノー生まれ。未熟児網膜症の合併症により乳児期に視力を失いましたが、幼少期から教会や学校で歌い、独学で楽器を習得。家族とデトロイトに移り住み、11歳でモータウン(タムラ)と契約し「リトル・スティーヴィー・ワンダー」としてデビューしました。1963年のライブ録音「Fingertips (Pt. 2)」が全米1位を獲得し、13歳で当時最年少の全米シングル1位アーティストとなります。のちに母の姓を取り、法的な本名はStevland Hardaway Morrisとなりました。
黄金期と音楽的革新
1970年代前半から中盤にかけてのいわゆる「クラシック期」は、ポピュラー音楽史の金字塔です。Talking Book(1972)、Innervisions(1973)、Fulfillingness’ First Finale(1974)、Songs in the Key of Life(1976)という連続作で、ソウル、ファンク、ジャズ、ゴスペル、ポップを自在に横断。シンセサイザーの多重録音やリズム・マシンの導入、スタジオでのセルフ・プロデュースを大胆に推し進め、当時の録音技術とR&B表現を大きく更新しました。クラヴィネットの強烈なリフで知られる「スーパースティション」、社会派の名曲「Living for the City」、スピリチュアルな「Higher Ground」など、音楽性とメッセージ性が高次元で結び付いた楽曲を次々と生み出しています。
代表曲
- 「スーパースティション(Superstition)」(1972)
- 「You Are the Sunshine of My Life」(1973)
- 「Living for the City」(1973)
- 「Higher Ground」(1973)
- 「サー・デューク(Sir Duke)」(1976)
- 「Isn't She Lovely」(1976)
- 「As」(1976)
- 「I Wish」(1976)
- 「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」(1970)
- 「My Cherie Amour」(1969)
- 「アイ・ジャスト・コール・トゥ・セイ・ラヴ・ユー(I Just Called to Say I Love You)」(1984)
- 「Part-Time Lover」(1985)
- 「Overjoyed」(1985)
- 「Ebony and Ivory」(1982/ポール・マッカートニーとの共演)
- 「Master Blaster (Jammin')」(1980)
主要アルバム
- Talking Book(1972)
- Innervisions(1973)
- Fulfillingness’ First Finale(1974)
- Songs in the Key of Life(1976)
- Hotter than July(1980)
- Original Musiquarium I(1982/ベスト盤)
- In Square Circle(1985)
受賞・栄誉
- グラミー賞25冠。うち「最優秀アルバム(Album of the Year)」を3度獲得(Innervisions、Fulfillingness’ First Finale、Songs in the Key of Life)。
- アカデミー賞(歌曲賞):「アイ・ジャスト・コール・トゥ・セイ・ラヴ・ユー」(1985)。
- ロックの殿堂(1989)およびソングライターの殿堂(1983)入り。
- 2014年、大統領自由勲章を受章。2009年には国連の「平和の使者」に任命。
社会活動とメッセージ
ワンダーの創作の核には、愛、平和、思いやり、社会正義があります。1980年には公民権運動の象徴マーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日を祝う「Happy Birthday」を発表し、キング牧師の誕生日を米国の祝日に制定する運動を牽引。のちに祝日制定が実現し、文化と社会をつなぐアーティストとしての役割を示しました。反アパルトヘイトを掲げた「It’s Wrong (Apartheid)」や、レゲエへのオマージュ「Master Blaster (Jammin')」など、音楽を通じて時代と対話してきたことも特筆されます。
演奏スタイルと影響
- ボーカル:豊かなビブラートとメロディの装飾、即興性に富むフェイクで感情を描写。
- ハーモニー:転調やテンション・コードを駆使した洗練されたコード進行。
- リズム:ファンクのグルーヴとシンコペーション、強靭なビート感。
- 楽器:クロマチック・ハーモニカの表現力、クラヴィネットのリフ、シンセサイザー多重録音の音響設計。ライブではドラムやギター、コンガ、ピアノ、キーボードを自在に操ります。
彼の影響はR&B/ポップのみならず、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニックにまで及び、プリンス、アリシア・キーズ、ブルーノ・マーズなど多くのアーティストの音楽的基盤となっています。累計セールスは世界規模で桁違いの数字を記録し、世代を超えて聴かれ続けています。
ソングライティングとプロデュースの足跡
- スピナーズ「It’s a Shame」(1970)をソングライティングとプロデュースで支援。
- ルーファス&チャカ・カーンに提供した「Tell Me Something Good」(1974)が大ヒット。
- 多数のレーベルメイトや後進アーティストの作品に楽曲・演奏・プロデュースで参画し、スタジオ・ワークの面でも新しい基準を打ち立てました。
スティーヴィー・ワンダーは、卓越した音楽的才能と社会的メッセージを両立させた20世紀・21世紀を代表する音楽家であり、その作品群は今なお世界中で愛され、学ばれ、演奏され続けています。