右手の法則は、ベクトルの数学でよく使われる慣例で、二つのベクトルのクロス積(外積)で生じる方向を覚えるための方法です。クロス積の結果は両方のベクトルに対して垂直な方向を持ち、その向きは右手の向きに対応します。

手順

  1. まず右手を自然に開き、親指・人差し指・中指が互いに直角になるようにします。
  2. 次に、銃のサインのように形を作るか、または親指・人差し指・中指をそれぞれ直角に伸ばします。このとき、親指を第一ベクトル(A)の方向に向け、人差し指を第二ベクトル(B)の方向に向けると、中指が A × B(AとBのクロス積)の方向を示します
  3. 向きを確かめるコツとしては、手首を回しても構いません。重要なのは親指→人差し指→中指が右手系の向き(互いに直交し、親指→人差し指の回転が中指の向きと一致する向き)になっていることです。

性質と具体例

  • 向き:クロス積 A × B は A と B の両方に垂直な方向を持ち、右手の法則で決まります。
  • 大きさ:|A × B| = |A||B| sin θ(θ は A と B のなす角)で、二つのベクトルが平行または反平行なら 0 になります。
  • 反可換性:順序を入れ替えると符号が反転します。つまり A × B = −(B × A) です。
  • 座標軸の例:標準的な直交座標系では i × j = k、j × k = i、k × i = j となり、逆順では符号が逆になります(j × i = −k など)。
  • 物理での利用例:力のモーメント(トルク)τ = r × F、磁場中の荷電粒子に働く力 F = q v × B など、方向が重要な場面で使われます。

実際に二つのベクトルの順序を間違えると向きが逆になります。したがって、親指(第一ベクトル)×人差し指(第二ベクトル)=中指(積の方向)という順序を常に意識してください。{\displaystyle {\vec {thumb}}\times {\vec {pointer}}={\vec {middle}}}