ローワン大学は、米国ニュージャージー州グラスボロにある公立大学です。同校はニュージャージー州カムデンにもキャンパスがあります。1923年にグラスボロで師範学校として開校し、当時は町から寄贈された25エーカーの土地に設立されました。1930年代にはNew Jersey State Teachers College at Glassboroと称され、その後1958年にGlassboro State Collegeへ改称。1970年代以降はビジネス、コミュニケーション、エンジニアリングなどの学科を拡充し、総合大学としての教育・研究の幅を広げてきました。

寄付と大学化の経緯

1992年、実業家ヘンリー・ローワンとその妻ベティが母校に対して1億ドルの寄付を行い、学校名はローワン・カレッジ・オブ・ニュージャージーと改称されました。当時、この寄付は公立大学への単独寄付としては最大級の規模で、大学の教育設備や研究基盤の強化に大きく寄与しました。その後1997年3月21日、ニュージャージー州高等教育委員会の承認を受けて正式にローワン大学(Rowan University)となり、大学院教育や研究活動を一層強化していきました。

医学教育とカムデンキャンパス

ローワン大学は医療教育にも積極的に取り組んでいます。2012年秋には、Cooper University Hospitalと連携してCooper Medical School of Rowan University(CMSRU、いわゆるローワン大学のCooper Medical School)がカムデン市に開校しました。同校はニュージャージー州では初の公立の医学部として設立され、当時のところニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)とは別組織で運営されています。さらに2013年7月1日には、オステオパシー医学を担当する学部(School of Osteopathic Medicine)を大学が引き継ぎ、ローワンはM.D.(医学博士)とD.O.(オステオパシー医師)双方の課程を擁する教育機関となりました。これにより同大学は米国内でも数少ない、医学教育の多様化を担う存在となっています。

学術構成・地域連携・学生生活

ローワン大学は学部教育から大学院・専門職学位まで幅広いプログラムを提供しており、工学、経営(Henry M. Rowan College of Business)、理学、人文社会、教育、健康科学など多様な学群・研究科を擁します。特に工学分野は地域産業との連携や実践的教育で知られており、企業との共同研究やインターンシップの機会が豊富です。医療系ではカムデン地域の病院や診療機関と密接に協力し、臨床教育や地域医療への貢献を進めています。

学生生活面では、多数の学生団体、クラブ活動、地域ボランティア機会があり、キャンパス文化や地域コミュニティとの交流も活発です。研究センターやイノベーション支援プログラムを通じて起業支援や産学連携を促進し、地域経済への波及効果も大きくなっています。

まとめ:ローワン大学は、師範学校としての創立以来、段階的に学科を拡充し、1990年代以降の大規模寄付と大学化を契機に総合大学として発展してきました。医療教育の分野でもM.D.とD.O.の両プログラムを有するなど特色ある展開を続け、地域社会と連携した教育・研究で存在感を高めています。