縞状鉄鉱層(BIF)とは?定義・成因・地球史に残る役割を解説
縞状鉄鉱層(BIF)の定義・成因から地球史に残す役割まで、37億年の記録が語る形成過程と意義を分かりやすく解説。
縞状鉄鉱層(BIF)は、先カンブリア時代の堆積岩に多く見られる特徴的な岩石である。
磁鉄鉱(Fe3 O4 )または赤鉄鉱(Fe2 O )の3酸化鉄の薄い層が、鉄分の少ない頁岩やチャートの帯と交互に繰り返されている。
37億年以上前に形成された最古の岩石層には、縞状鉄鉱層が含まれていることが知られています。この縞模様の層は、地球の初期の歴史の大部分において、堆積物中によく見られる特徴である。
定義と組成(分かりやすく)
縞状鉄鉱層(Banded Iron Formation, BIF)は、鉄酸化物(主に磁鉄鉱:Fe3O4、赤鉄鉱:Fe2O3、時に菱鉄鉱:FeCO3など)と、シリカが主成分のチャートや頁岩が薄い層として交互に積み重なった堆積岩です。層の厚さはミリメートル単位の微帯から数メートル規模まであり、その縞模様が特徴です。
成因(どうやってできたか)
BIFの形成には複数の要因が関与したと考えられています。主要な要点は次のとおりです:
- 海水中に大量に溶け込んでいた鉄(Fe2+)が酸化されて難溶性の酸化鉄(Fe3+)となり沈殿した。
- 鉄の酸化には光化学的酸化(紫外線による)や、光合成微生物(シアノバクテリアなど)による酸素発生、あるいは酸素を出さない(無酸素性)光合成細菌や化学合成微生物による硫化や鉄酸化など、複数の生物・非生物プロセスが関与した可能性がある。
- 深海は当時無酸素で還元的だったため、鉄は溶けた形(Fe2+)で海洋に供給されやすく、浅海や表層で酸化されて沈殿した。この酸化と供給の周期性が縞状の層理を生んだと考えられている。
- 鉄の供給源は主に海底熱水噴出(ハイドロサーマル)や大陸からの風化であった。
地球史における意義
BIFは地球表層の酸化状態(酸素の存在量)や初期生命活動の重要な記録を残しています。代表的な点は:
- 年代分布:BIFは太古代(アーケアン)から始まり、新原生代(古原生代〜新原生代)にかけて特に大量に堆積しました。約24〜25億年前の大酸化イベント(Great Oxidation Event)前後に一時的な変化が見られ、その後に多くの地域でBIFの堆積が減少します。
- 酸素の記録:BIFの沈殿は海洋や大気中の酸化還元状態(レドックス)を反映します。大量の鉄が酸化されて沈殿するには何らかの酸化力が必要であり、これは初期の光合成生物の活動と関連すると考えられています。
- 古環境の指標:BIFの存在や鉱物組成、同位体組成(Fe同位体、C同位体、S同位体など)を調べることで、当時の海洋の酸素濃度、赤鉄鉱とチャートの交互性の周期、微生物活動の有無などが推定できます。
地質学的特徴と研究手法
BIFは見た目に特徴的で、観察や解析の対象として多くの情報を与えます。研究では次のような方法が用いられます:
- 層理観察:ミリ単位の縞の厚さや連続性から堆積の環境や周期性を推定。
- 薄片・電子顕微鏡観察:鉱物相や結晶微細構造を確認し、成因過程(沈殿→ダイアジェネシス→変成)の履歴をたどる。
- 同位体分析(Fe、C、S、Oなど):酸化過程や有機物の寄与、海水起源の識別に有効。
- 地層相関と年代測定:放射年代測定や地層学的手法で堆積時期を特定し、地球史イベントとの関連を調べる。
代表的な産地と経済的価値
BIFは世界の主要な鉄鉱石資源とも深く結びついています。代表的な産地には以下があります:
- オーストラリア(ハメルスリー台地、ピルバラなど)
- 南アフリカ(トランスヴァール高原)
- ロシア(クルスク磁気異常域など)
- 北米(スペリオル湖周辺のメサビ鉱山など)
これらのBIF由来鉱床は高品質の鉄鉱石(ヘマタイトや磁鉄鉱を主体)を供給し、鉄鋼産業にとって重要です。ただし、長い地質学的履歴での変成作用や風化によって鉱石性が変化している例もあります。
まとめ(簡潔に)
縞状鉄鉱層(BIF)は、先カンブリア時代の海洋条件と初期生命活動を反映する重要な堆積岩です。鉄とシリカの交互層からなり、酸化還元環境、微生物活動、熱水供給など多様な要因で形成されました。地球の酸素化史や古環境復元において不可欠な記録であり、また現在の鉄資源として経済的にも重要です。

西オーストラリア州、カリジニ国立公園、帯状鉄層
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21億年前の縞状鉄鉱層
原点
従来は、光合成を行うシアノバクテリアが海水中に放出する酸素によって、縞模様のある鉄の層が形成されたと考えられていた。これが、地球の海に溶けている鉄と結合して、不溶性の酸化鉄を形成したのです。これが析出し、無酸素の泥(シェールやチャートを形成)の上に薄い層を形成したのであろう。このような帯状構造は、利用可能な酸素の周期的な変化に起因すると考えられている。
地球は最初、世界の酸性海域に膨大な量の鉄が溶けていたと推測される。鉄は酸化物よりもずっと溶けやすい。
やがて光合成を行う生物が酸素を発生させるようになると、地球の海にあった鉄は酸化鉄として沈殿するようになった。
海が恒久的に酸素化される転換点では、酸素生成量のわずかな変動が表層水の自由酸素のパルスを生み出し、酸化鉄の堆積のパルスと交互に繰り返された。
質問と回答
Q:縞状鉄鉱層とは何ですか?
A: 先カンブリア時代の堆積岩に見られる岩石の一種で、縞状鉄鉱層(Banded Iron Formation: BIF)です。磁鉄鉱や赤鉄鉱などの酸化鉄の薄い層と、頁岩やチャートなどの帯状の層が交互に重なってできています。
Q:縞状鉄鉱層は何年前のものですか?
A: 最も古い縞状鉄鉱層は、37億年以上前に形成されたものが知られています。
Q:縞状鉄鉱層の構成元素は何ですか?
A: 磁鉄鉱や赤鉄鉱などの酸化鉄の薄い層と、頁岩やチャートなどの帯状の層が交互に重なってできた地層です。
Q: 縞状鉄鉱層は、地球初期によく見られた地層ですか?
A: 地球の初期の堆積物にはよく見られる特徴です。
Q:磁鉄鉱の化学式は?
A:磁鉄鉱の化学式はFe3O4です。
Q:ヘマタイトの化学式は?
A:ヘマタイトの化学式はFe2O3です。
Q:縞状鉄鉱層はどこで見られるのですか?A:縞状鉄鉱層は、先カンブリア時代の堆積岩の中に見つけることができます。
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