ナランコ山の聖マリア教会(オビエド)—848年建造のアストゥリアス・プレ・ロマネスク世界遺産
ナランコ山の聖マリア教会(オビエド)—848年建立のアストゥリアス・プレ・ロマネスク世界遺産(ユネスコ)。歴史と建築美、見どころ・アクセスを詳解。
ナランコ山の聖マリア教会(スペイン語:Iglesia de Santa María del Naranco)は、スペイン北部のオビエドにあるローマ・カトリック教会である。848年にアストゥリアス王ラミロ1世のために王宮として建てられた。13世紀に教会に改築された。サンタ・マリア教会は、アストゥリアス地方のプレ・ロマネスク建築の一例である。1985年、ユネスコの世界遺産に登録された。1885年に文化遺産に指定されました。ナランコ山の聖マリア教会は、2007年に「スペインの12の宝物」の最終候補100件のうちの1つに選ばれました。
歴史
聖マリア教会はもともと9世紀(848年)にアストゥリアス王ラミロ1世のための王宮建築(儀礼や政務に用いられた長いホール、いわゆる王宮として)として建てられました。王宮としての用途の後、12〜13世紀にかけて教会へと用途が変えられ、以降は宗教施設として使われてきました。建物はアストゥリアス王国期の宮廷建築の一例であり、近隣のサン・ミゲル・デ・リージョ(San Miguel de Lillo)などとともに、地域の政治・宗教の中心を成していました。
建築と特徴
サンタ・マリア・デル・ナランコは、アストゥリアスのプレ・ロマネスク(前ロマネスク)様式を示す典型的な建築物で、9世紀の保存状態が良い稀少な遺構です。主な特徴は次の通りです。
- 二層構造の長方形平面:下階は付帯的空間、上階が主室(かつての王のホール)となっている構成。
- 筒型ヴォールト(バレ・ヴォールト)を持つ内部空間:ヴォールトを横断するアーチ(横桁アーチ)が設けられ、構造的に安定させている点が注目されます。
- 装飾的要素:外壁や開口部周りには盲アーチ(飾りアーチ)や円形のメダリオン、複雑な石彫装飾が施され、アストゥリアス独自の簡潔で力強い装飾表現を示します。
- 窓と開口部:石造の二連窓(ajimez風の意匠)や石格子、周縁のモールディングなどが見られ、光の取り入れ方や外観のリズムに工夫があります。
- 材料と工法:石材を用いた堅牢な構築で、石積みと彫刻が一体となった仕上げが特徴です。
保存と修復、評価
この建築は19世紀から20世紀にかけて数度の修復が行われ、現在は良好に保存されています。1985年には「オビエドとアストゥリアス王国の建造物群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録され、その美術史的・歴史的価値が国際的に認められました。地方と国の文化財保護の対象として保存管理が続けられ、スペイン国内でも重要な中世建築の一つとして評価されています。
文化的意義と観光
ナランコ山の聖マリア教会は、アストゥリアス地域の歴史と文化を象徴する建築物であり、地元のアイデンティティや学術研究にとって重要です。位置するナランコ山(Monte Naranco)はオビエド市街を見下ろす丘で、同地からは市街や周囲の景観を一望できます。近隣のサン・ミゲル・デ・リージョなどと合わせて見学する観光ルートが整備されています。
観光で訪れる際は、開館時間や入場方法が季節や管理状況で変わることがあるため、事前に現地の観光案内所や公式情報で最新の案内を確認することをおすすめします。
ギャラリー
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ベルベデーレのあるファサード
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外観
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教会の地形図
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下層階の内観
関連ページ
- アストゥリアス芸術
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