振動台(シェイクテーブル)とは:地震工学の定義・用途・耐震性能試験

振動台(シェイクテーブル)の定義・用途・耐震性能試験を解説。地盤揺れの模擬実験で建物の耐震性を正確に評価する方法と事例を紹介。

著者: Leandro Alegsa

地震工学における振動台は、指定された地盤の揺れに対して、個々の建物やその模型が直接的に被害を受けることに関連する耐震性能を検証するために非常に有効な実験装置である。地盤の揺れを模擬した振動台の上に構造物を置き、次に何が起こるかを観察するのが最も良い方法です(現場に立って本物の地震が来るのを待っている時間がない場合)。最も古い振動台実験は、100年以上前に行われたものである。

振動台とは(定義と基本機能)

振動台(シェイクテーブル)は、指定した地震動を模擬してプラットフォームを所定の運動(加速度・速度・変位)に制御し、その上に配置した実物大構造物や縮尺模型の動的応答を計測・観察するための実験装置です。主な目的は構造物の破壊挙動、残留変形、エネルギー吸収特性、基礎と地盤の相互作用、免震・制震装置の性能確認などを実証することです。

種類と駆動方式

  • 軸数による分類:単軸(1軸)、二軸(2軸)、三軸以上の多軸振動台。多軸振動台は実地震に近い複雑な運動を再現可能。
  • 駆動方式
    • サーボ油圧(servo-hydraulic):大質量・大変位に適し、建築・橋梁の実物大試験で多用される。
    • 電磁(electrodynamic):高周波域や小~中容量の試験に適する。
    • 電気機械式・モーター駆動:中程度の容量でコストが低め。
  • モデルサイズ:実物大(フルスケール)振動台と縮尺模型用振動台。縮尺模型ではスケーリング則(幾何学的・時間的・力学的類似)を考慮する必要がある。

主要な用途

  • 耐震設計手法や規準の妥当性確認
  • 構造物や部材の破壊モード、塑性化挙動、残留変形の観察
  • 免震装置や制震デバイス(ベアリング、ダンパーなど)の性能評価
  • 非構造部材・設備(配管、機器、家具など)の地震時挙動の検証
  • 地盤ー構造連成(SSI: Soil–Structure Interaction)の実験的研究
  • 数値解析モデルの検証(実験結果との比較によるモデル更新)
  • 脆弱性曲線や性能評価(performance-based design)の基礎データ作成

試験計画と代表的手順

  • 入力地震波の選定:実測記録、合成波、スペクトル整合(spectral matching)などを用いる。目的に応じて複数波を選ぶ。
  • スケーリング:縮尺模型では時間・加速度・材料特性・重力効果の整合を考慮する。重力スケーリングの限界は特に重要。
  • 制御モード:オープンループ(記録再生)とクローズドループ(フィードバック制御)。複数軸同時制御では相互干渉を考慮。
  • 段階的強度増加試験:振幅を段階的に増加させることで性能限界や損傷進行を把握する(Incremental Dynamic Testingに類似)。
  • 反復・アフターショック試験:主要地震後の繰り返し荷重や余震効果を評価する。

計測・解析で使う主な装置・指標

  • 加速度計、変位センサ、ひずみゲージ、ロードセル
  • 高速カメラやデジタル画像相関(DIC)による変形計測
  • 周波数応答、応答スペクトル、最大変形・変位角、塑性エネルギー、残留変形、復元力曲線(ヒステリシス)などの評価指標
  • データ取得系は高サンプリングレートと同期が必須

利点と限界

  • 利点:実際の動的挙動を直接観測でき、複雑な非線形や破壊過程を評価できる点で非常に有益。
  • 限界
    • 縮尺模型における重力・材料特性の完全な類似が難しい(重力スケーリング問題)。
    • 振動台の支持剛性や境界条件が実際と異なることがある(プラットフォーム効果)。
    • 大規模実物試験は設備・コストの面で制約が大きい。
    • 多軸・高振幅運動の完全再現は制御・駆動能力に依存する。

関連技術・代替手法

  • 遠心モデル試験(遠心分離機):重力スケーリングの問題を解決するために用いられる。土被りや地盤挙動の再現に有利。
  • 疑似動的試験(Pseudodynamic):数値解析と実験を組み合わせ、段階的に変形を適用して応答を評価する方法。
  • リアルタイムハイブリッド実験:一部を数値モデルで、他部分を実物試験で同時に実行する手法(ハードウェア・イン・ザ・ループ)。
  • 数値解析(非線形動的解析):高精度の有限要素解析は試験と併用することで設計や解釈を補助する。

安全性・運用上の注意

  • 振動台や試験体の破壊に伴う飛散物・落下・油圧系の事故リスクに注意し、十分な防護措置を行うこと。
  • 装置の較正・性能確認、センサの校正、データロギング系の冗長化を必ず実施する。
  • 試験計画(入力波、停止条件、緊急遮断基準)を事前に明確に定め、安全管理体制を整える。

まとめ

振動台は、実際の地震動に対する構造物や部材の耐震性能を検証するための強力な実験ツールです。適切な入力地震の選定、スケーリング則の適用、精度の高い計測・制御、そして数値解析との併用により、設計の信頼性向上や新技術の検証に大きく貢献します。ただし、縮尺や境界条件、駆動能力などの限界を理解し、他の実験手法や解析と組み合わせて総合的に評価することが重要です。



百科事典を検索する
AlegsaOnline.com - 2020 / 2025 - License CC3