相似形とは:定義・性質・三角形の判定法と合同との違いをわかりやすく解説
相似形の定義・性質、三角形の判定法、合同との違いを図解でスッキリ解説。入試や学習に役立つ基礎が短時間で理解できます。
相似形とは、幾何学における「形が同じで比だけが異なる」関係を表します。2つの多角形や線分、円などが同じ形をしているとき、サイズが異なっていても相似であると言います。具体的には、対応する角の大きさが等しく、対応する辺の長さが一定の比で比例しているとき、2つの図形は相似であると判定されます。たとえば、すべての円、すべての正方形、あるいは線分同士は常に相似です。
相似形の基本的な性質
- 対応する角は等しい(角の大きさが一致する)。角の対応関係を正しくとることが重要です。
- 対応する辺の長さは一定の比(拡大率・縮小率)で比例する。比例の比を拡大率(スケールファクター)といいます。
- 相似変換(拡大縮小+平行移動+回転、必要なら鏡映)によって一方の図形をもう一方に重ねられる場合、相似です。
- 相似の記号は「∼」で表し、たとえば △ABC ∼ △DEF のように書きます。
三角形の相似判定法(重要)
三角形は他の多角形に比べて相似の判定が簡単で、次の3つの条件のいずれかを満たせば相似です。
- AA(角角)法:2つの角がそれぞれ等しい — 三角形は3つの内角の和が180°であるため、2つの角が等しければ残りの角も等しくなり、相似が確定します。
- SAS(辺角辺)法:1つの角が等しく、その両側の辺が比例している — 対応する1つの角と、その両隣の辺の比が等しければ相似です(辺-角-辺の相似条件)。
- SSS(三辺)法:3辺それぞれの比が等しい — 対応する3辺の比がすべて等しい場合、三角形は相似です。
例:辺が3:4:5の三角形は、辺が6:8:10の三角形と相似です(拡大率は2)。
相似と合同との違い
- 合同は対応する辺の長さと対応する角の大きさがすべて一致する関係です。合同ならば当然相似でもあります(拡大率=1)。
- 相似は形が同じであればよく、大きさが異なっていてもよい点が合同との違いです。相似であっても辺の長さが等しくなければ合同ではありません。
- 相似は拡大縮小を含む変換で得られる関係であり、合同は拡大縮小を含まない(平行移動・回転・鏡映のみ)変換で得られる関係です。
相似形を確認する実用的な方法
- 角度を測って対応する角が等しいか確認する(AA法に基づくチェック)。
- 対応する辺どうしの比を計算し、比がすべて等しいか調べる(SSSまたはSAS)。比の比較は分数の約分や外項内項の積で確かめると便利です。
- 座標平面上では、対応する座標差の比や傾きの一致を確認すると速く判定できます(ベクトルや斜辺比で確認)。
相似が役に立つ場面
- 図形の拡大図や縮小図から実際の長さを求めるとき(模型と実物の対応など)。
- 影の長さや地形測量など、直接測れない距離を相似を用いて計算する場合。
- 三角比や三角関数の応用問題で、角度や辺の比を利用して未知数を求めるとき。
まとめると、相似形は「対応する角が等しい・対応する辺が比例している」という性質を持ち、特に三角形ではAA・SAS・SSSで簡単に判定できます。相似と合同との違いを理解すると、図形問題を効率よく解けるようになります。

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質問と回答
Q:類似性とは何ですか?
A:相似とは幾何学の考え方で、2つの多角形、線分、その他の図形がサイズ変更によって同じになることを意味します。
Q:2つの図形が似ているかどうかは、どうすれば分かりますか?
A:2つの図形は、角の大きさが同じで、辺が比例していれば、似ています。
Q:すべての多角形は互いに似ているのですか?
A:いいえ、すべての多角形が互いに相似であるわけではありません。他のすべての多角形は、角が同じであることと辺が比例していることの両方の条件を満たさなければ、相似形とみなされない。
Q:相似形と合同はどう違うのですか?
A:合同な図形は、同じ辺と角度を持つので、2つの図形は、一方が回転、反射、移動のみによって他方になることができれば、互いに合同であると言えます。互いに合同であるすべての図形はまた類似しているが、その逆はない。
Q:円は常に相似形ですか?
A:はい、円、正方形、線分は常に相似形であるとみなされます。
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