概要と起源
セント・エドワード王冠は英国の戴冠式における主要な王室レガリアの一つです。中世の元々の王冠は清教徒革命期に溶解されましたが、1661年4月23日にチャールズ2世の戴冠式のため、クラウン・ジュエラーのロバート・ヴィナーが新たに制作しました。以後、長らく戴冠式の象徴として位置づけられてきましたが、時代や儀式の習慣の変化により使用頻度が変動しています。例えば、1689年のウィリアム3世の戴冠式以降、その重要性が一時的に低下し、行列や実務的な場面では軽い冠や別の王冠が使われることが増えました。しかし、1911年のジョージ5世の戴冠式を契機に、王冠が伝統的な場面へと復帰しました。
構造・素材・重さ
現在の王冠は1661年に制作された枠を基礎とし、当時戴冠式のために貸し出された宝石類が一時的に嵌められていました。その後展示用に模造石でリセットされ、1911年の修復では444個の半貴石が用いられました。王冠の枠自体は1661年のものですが、古い王冠の部材が再利用された可能性も指摘されています。
主な素材は以下の通りです:
- 金(王冠のフレーム)
- 銀、プラチナ
- エナメル
- トルマリン、トパーズ、ルビー、アメジスト、サファイア、ガーネット、ペリドット、ジルコン、スピネル、アクアマリン などの宝石類
- ベルベットの内張り、エルミン(毛皮)の縁飾り
重さは約2.23kg(約4ポンド15オンス)とされ、非常に重量があります。そのため、戴冠式の実務的な場面や行列では、より軽い帝王冠や他の冠が代用されることがありました。
戴冠式での役割と儀礼
戴冠式の最も神聖な瞬間の一つとして、カンタベリー大司教が祭壇から王冠を取り、故意と敬意を込めて君主の頭の上に戴く儀礼があります。この場面では聴衆から「God save the King/Queen」といった讃歌が響き、王子・王女や貴族たちは冠や冠帯を身につけ、式典は荘厳な音楽やトランペットの合図とともに進行します。式典後には伝統的な敬礼や返礼が行われ、王室の行進や公式行事が続きます。戴冠のあと、君主は即位が宣言され、聖職者や王族、貴族らからの祝意と忠誠を受けます。
また、王冠は平時は王室の宝器の一部として保管・展示され、必要に応じて王室の重要儀礼で用いられます。戴冠式における王冠の演出や使用方法は時代とともに変化しており、伝統と実務上の配慮が折り合いをつけながら継承されています。
補足
本文中の各リンクは、関連する詳細情報へ案内するための参照です。戴冠式や王冠の歴史・保存状態については史料や博物館の記録で細部が異なる場合があるため、より詳しい年表や画像資料を参照すると理解が深まります。
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