ストリンギーバーク・クリークは、オーストラリアビクトリア州のウォンバット山脈にある小さなクリークで、1878年10月26日に3人の警察官が殺害された場所として歴史的に知られている。現場で殺害されたのはマイケル・ケネディ巡査部長、トーマス・ロニガン巡査部長、マイケル・スカンラン巡査部長の3人で、当時彼らはケリー兄弟を捜索中だった。同行していた別の警官、フィッツパトリックは負傷して生存しており、この事件はネッド・ケリーとその一味に対する捜索と追跡を一層激化させる決定的な契機となった。

事件の概要と背景

1878年当時、ネッド・ケリー(Ned Kelly)とその一味は地元でのトラブルや警察との衝突で注目を集めており、フィッツパトリック巡査への犯罪未遂容疑などを受けていた。ストリンギーバーク・クリークでの遭遇は警察側とケリー一味の武力衝突に発展し、結果として3名の警官が命を落とした。事件の詳しい経緯や責任の所在については当時から論争があり、歴史家の間でも議論が続いているが、この出来事が以後のネッド・ケリー一味に対する大規模な追跡を招いたことは確かである。

現在の遺跡と見どころ

この小川は、ベナラから約50km、マンスフィールドから約36kmの場所にあるトゥーンブラップ州立森林公園内に位置している。訪問者向けにはピクニックエリア、キャンプ場、トイレ、ウォーキングコースなどの設備が整備されており、散策や野外活動に適している。現地は自然保護区の一部であり、アクセスには未舗装路や荒れた箇所があるため、訪れる際は装備と安全対策を整えておくことが望ましい。

2001年には現場近くの小屋跡地付近に記念石が設置され、事件を伝える場となっている。また、ロニガンとスカンランが殺害された付近に立つ「ポリス/ケリー・ツリー」は、1930年代に一人の農夫が木に傷をつけ、殺された3人の警察官の名前を刻んで記念としたものとして知られる。この木にはネッド・ケリーのヘルメットの小さなレプリカが取り付けられているが、これが被害者遺族に与えた感情的な反応を引き起こしたことも報告されている。

もう一つの殺害現場(ケネディの小屋の跡)は、上記の2人の現場から北西に約400~500メートルの位置で、Stringybark Creek Roadの向こう側にある。

評価と争点

ストリンギーバーク・クリークの事件はオーストラリア史における象徴的出来事であり、ネッド・ケリーをめぐる「英雄視」と「犯罪者視」という二面的な評価を生んだ。現地の記念物や展示は観光的・教育的価値を持つ一方で、事件の記憶や追悼のあり方については今も意見が分かれている。歴史的事実の解釈や地域住民・遺族の感情を踏まえた訪問が求められる。