サーコート(サーコート)とは、中世に男性が一般的に着用していた外衣のことである。もともとは他の衣服や鎧の上に重ねて着る外套を指し、やがて約100年後、女性も装飾的な用途でサーコートを着るようになった。名前の由来は、フランス語で「コッタの上に」という意味の語に由来し、袖がないか非常に簡素で、足元まで届くほど長く幅広い形が特徴である。生地はウールやリネンが一般的で、身分や家紋を示すために色や刺繍、毛皮飾りなどで装飾されることが多かった。
用途と構造
12世紀頃から、騎士は戦闘や行軍の際に鎧の上に長く流れるようなサーコートを着用していた。騎士のサーコートは、ほぼ足首まで届く長さが一般的で、着用者が座れるように前身頃と後ろ身頃にスリット(切り込み)を入れた設計が多かった。また基本的に袖はなく、動きを妨げない工夫がされていた。サーコートの主な目的は以下の通りである。
- 識別:戦場や大会で自軍や個人を示すため、表に家紋や紋章をあしらっていた。特に十字軍などの遠征では、紋章を見せていました。
- 防護:雨や泥から金属製の鎧を保護し、錆や汚れを防ぐ。
- 温度調節:軍の時代には、日差しの強い環境で鎧の表面温度を下げるためや、逆に寒さを和らげるためにも用いられた。
- 装飾・威厳の表現:富や地位を示すために豪華な生地や刺繍が施されることがあり、戦闘用でありながら儀礼的な役割も持った。
変化と派生
13世紀以降、男性用サーコートにも短い形式や袖付きのもの、前を開けて帯で留めるものなどさまざまな変化が現れた。女性用では、両脇が大きく開いた「サイドレス・サーコート」のような流行が見られ、下に着るドレス(コッタやガウン)を見せるデザインが好まれた。素材や装飾も多様化し、刺繍・金糸・宝飾・毛皮縁取りなどで華やかに仕立てられた。
14世紀中頃までには、長いサーコートはより短く体に沿った「ジュポン」(または「ジポン」)や後のダブルレット(doublet)などに取って代わられる傾向が強まった。ジュポンは内側にパディング(詰め物)を施して保護性を高めたもので、歩行や騎乗の機動性にも優れていた。さらに、プレートアーマー(板状の鎧)が普及すると、鎧の外観が重視されるようになり、長大なサーコートは次第に姿を消していった。
遺産と現代の再現
サーコートは中世の服飾や軍装を特徴づける要素として、紋章学や歴史再現、映画・舞台衣装などで今も再現され続けている。式典用や儀礼用の短い外套(タバード/tabard)は、後代におけるサーコートの系譜を引くものと見なされることが多い。博物館に残る写本の図像や騎士の肖像からは、当時の多様なスタイルや装飾の痕跡を読み取ることができる。

