サッカーの「タックル」は、相手からボールを奪うためや相手の前進を止めるディフェンス動作の総称です。主に相手の足元やボールに対して足を出してボールを奪う「立ち向かいタックル(standing tackle)」や、スライディングして足元のボールを奪う「スライディングタックル」があります。タックルは技術であると同時に接触プレーでもあるため、各種競技で安全と公正を保つための細かいルールが定められています。
サッカー(アソシエーション・フットボール)
サッカーにおけるタックルは、相手がボールをコントロールしている場面で足を使ってボールに触れ、所有権を奪う行為です。審判が「違反」と判定するかどうかは主に次の点で判断されます。
- まずボールに触れているか(ボールに先に接触していれば有利)。
- 危険性や過度のラフプレーがないか(足を高く振り上げる、スタッズを相手に向けるなど)。
- 相手選手に対する故意の負傷を狙っていないか、あるいは無謀なタックルでないか。
近年は選手の安全性を高めるためレフェリング基準が厳格化されており、2017年以降は相手の安全を脅かすタックル(例:スタッズを相手に向ける「スタッズアップ」、脚を絡めて膝を危険にさらす「シザリング(scissoring)」など)は退場処分(レッドカード)の対象となる可能性が高くなりました。審判は危険なチャレンジに対して警告(イエローカード)や退場を与え、重大な場合は追加の処分が科されます。
ラグビー(ラグビーフットボール)
ラグビーフットボールでのタックルは、ボールを持って走る相手を倒してプレーを止める行為を指します。一般にタックルは、相手を地面に制御して倒す(腰や脚を捕らえる、体を巻きつけるなど)ことで行われ、以下の点が重視されます。
- 腕を使って相手をしっかり保持すること(“arms wrap”):腕を使わず単に肩や体重で押し倒すのは反則となる場合がある。
- 高さの制限:頭や首より上を掴む「ハイタックル(高いタックル)」は危険であり厳しく禁止される。
- 持ち上げて落とす「ティップ(tip)/リフト&ドロップ」や首周りを狙うタックルなどは特に危険視され、重罰の対象。
タックルの直後の処理は競技形態で異なります。ラグビーユニオンでは、タックルで倒れた選手の周りで「ラック」や「モール」が形成され、両チームがボールの争奪を行います。一方、ラグビーリーグの違いがあります。ラグビーリーグではタックル後に「プレイ・ザ・ボール」で攻守が切り替わり、ボール保持側は素早く再開して限定された攻撃回数を続けます。
アメリカン/カナディアンフットボール
アメリカとカナダのサッカー(ここではアメリカン/カナディアンフットボールを指します)では、タックルはボール保持者の前進を物理的に止めて「ダウン」を成立させる行為です。タックルによってプレーが終了するとボールはデッドになり、次のダウンからプレーが再開されます(ただしファンブルでボールが生きている場合など例外あり)。
この種の競技でも安全性を重視する多くのルールが存在します。代表的な反則には次のようなものがあります。
- ヘルメットや頭部を使った危険なヒット(targeting、helmet-to-helmet)。
- 首や肩を急激に引っ張る“ホースカラータックル”。
- 顔面マスクを掴む行為(facemask)。
- 不必要なラフプレーや暴力行為による反則(personal foul)。
各リーグ(NFL、CFL、大学フットボールなど)は選手保護のためルールや罰則を見直し続けており、違反には罰退、罰金、出場停止などが科されます。
共通する安全指針と審判の役割
- どの競技でも「選手の安全」が最優先される。危険なタックルは即座に制止・処罰される。
- タックルは技術と判断が要求される動作であり、相手に不必要なダメージを与えないことが求められる。
- 審判は状況(ボールへの先行接触・足の出し方・身体の位置・接触の強度など)を総合的に判断して反則を取るかどうかを決める。
各競技の詳細なルールや最新の判定基準は、該当する競技団体(IFAB、ワールドラグビー、各国リーグなど)の公式ルールブックや通達で確認してください。



