テッド・ナイト(1923–1986・本名タデウシュ・コノプカ)—米国コメディ俳優・代表作『メアリー・タイラー・ムーア・ショー』
テッド・ナイト(1923–1986):『メアリー・タイラー・ムーア・ショー』の名優テッド・バクスターや『キャディシャック』判事役で知られる米国コメディ俳優の生涯と功績。
テッド・ナイト(Tadeusz Wladyslaw Konopka、1923年12月7日 - 1986年8月26日)は、アメリカのコメディアンであり、映画・テレビ・舞台・声優として幅広く活躍した俳優である。テレビシリーズメアリー・タイラー・ムーア・ショーでは有名なニュースアンカー、テッド・バクスター役を演じ、そのコミカルで自己陶酔的なキャラクターが人気を博した。また映画『キャディシャック』では判事イライフ・スメイルズ(Judge Elihu Smails)役で知られる。
生い立ち
ナイトは1923年12月7日、コネチカット州テリーヴィルで生まれた。幼少期や学生時代の詳細は限られるが、舞台芸術と演技への関心を早くから示し、地元の劇団やラジオ番組などで経験を積んだことが、後のキャリアの基礎となった。
経歴と代表作
ナイトは舞台やラジオでの活動を経てテレビと映画の世界に進出した。特徴的な声と独特の間(ま)を活かしたコメディ演技で知られ、職業的に「自己中心的で虚栄心の強いキャラクター」を演じることが多かったが、それに深みを持たせる演技力が評価された。
- テレビ: メアリー・タイラー・ムーア・ショーのテッド・バクスターは代表的な役で、シリーズを通じて視聴者に強い印象を残した。人気と批評家の評価により、ナイトはテレビ界での地位を確立した。
- 映画: 『キャディシャック』などのコメディ映画にも出演し、スクリーンでも独自の存在感を発揮した。
- その後の活動: ナイトは『Too Close for Comfort』(米国のシットコム)などで主演を務めるなど、1970年代後半から1980年代にかけてもテレビで活躍を続けた。また声優としてアニメや吹替などにも参加し、多彩な活動を行った。
受賞・評価
その演技は業界内外で高く評価され、テレビ業界の賞にも複数回ノミネートされ、エミー賞など主要な賞を受賞した実績がある。コメディアンとしての技量だけでなく、役に対する丁寧なアプローチが共演者や評論家からも評価された。
私生活
1948年にドロシー・スミスと結婚し、生涯にわたり夫婦関係を続けた。二人の間にはテッド・ジュニア、エリゼ、エリック・ナイトの3人の子供がいる。家族との関係を大切にし、共演者への親しみやすい態度でも知られていた。
最期と遺産
1986年8月26日、大腸がん手術の合併症のため、カリフォルニア州グレンデールで亡くなった。享年62。遺体はカリフォルニア州グレンデールのフォレスト・ローン・メモリアル・パークに埋葬された。ナイトはその独特のキャラクター像と確かなコメディ技術により、今日でも米国コメディ史における重要な人物として語り継がれている。
彼の演じたキャラクターは時代を超えて親しまれ、テレビや映画の名場面を彩る存在となった。新しい世代の視聴者にも彼の仕事を紹介する資料や再放送、ソフト化された作品を通して接する機会が多く、コメディ演技の模範の一つとされている。
1972年12月のナイト
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