『サンキュー』は、アメリカのシンガーソングライターメーガン・トレイナーによる、メジャーレーベルからの2作目のスタジオ・アルバムである。2016年5月6日にApple Music限定で先行配信され、その1週間後にEpic Recordsから正式にリリースされた。本作は、ブレイク作となったデビュー・アルバムに続く作品であり、現代的なポップとダンス・プロダクションへと明確に舵を切ったことを示している。

音楽性とテーマ

このアルバムは、デビュー作を特徴づけていたレトロなドゥーワップの要素から離れ、より前面に出たダンス・ポップ、R&B、エレクトロニックの感触を取り入れている。歌詞面では、自信、恋愛関係、自己肯定が多くの曲で扱われ、初期作品よりも力強く、より主張のある歌唱が印象的である。

制作と参加者

制作には、現代ポップのプロデューサーやソングライターが複数関わっており、力強いビート、シンセのフック、合唱しやすいサビを軸にした楽曲が収められている。関与したプロデューサーたちは、トレイナーの持ち味である態度の強さとメロディ感を保ちながら、主流ラジオ向けにサウンドを更新する役割を果たした。

シングルと注目曲

  • No — アルバムのダンス・ポップ路線を示したリードシングル。
  • Me Too — 自尊心と自信に満ちたテーマを引き継いだ別のシングル。
  • そのほかの曲でも、クラブ志向のプロダクションとポップなソングライティング、個人的な歌詞が組み合わされている。

発売と評価

発売後、『サンキュー』はポップ・チャートの上位に入り、幅広い商業的聴衆を引きつけた。批評家の反応は分かれ、更新されたサウンドや制作面は概ね評価された一方で、楽曲面や歌詞の深さについてはさまざまに批判された。本作は、メインストリーム・ポップにおけるトレイナーの存在感を強めると同時に、彼女が音楽的な進化を目指していたことも示している。

総じて『サンキュー』は、メーガン・トレイナーの作品群の中で移行期を担うアルバムであり、彼女の表現の幅を広げつつ、2010年代半ばの現代ポップの潮流を反映したラジオ向けシングルを生み出した作品といえる。